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6月はSSFF&ASIAへ!翻訳者が短編編映画の魅力を語る

6月はSSFF&ASIAへ!翻訳者が短編編映画の魅力を語る

6月4日からスタートするショートショートフィルムフェスティバル&アジア(SSFF & ASIA)。約200本の上映作品のうち、セリフがない作品やすでに字幕が付いている作品を除いたほぼすべての作品の字幕制作をJVTAが担当しています。そこで今回は2013年からこの映画祭の字幕制作に取り組んでいる修了生の上田明子さんにインタビュー。上田さんは今年もファッションショートプログラムの6本を中心に8本の日本語字幕を担当しました。ファッションショートプログラムとは各国の最新ファッションを楽しめる豪華プログラム。110分の中で、20本以上もの作品を一度に観ることができます。短編映画ならではのみどころや翻訳の難しさを上田さんに聞いてみました。
 

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●今回手がけた作品の見どころと翻訳で苦労した点を教えてください。
 
ファッションプログラムの作品はどれも映像が美しく、見ていてワクワクしました。その反面、抽象的なテーマの作品が多かったので、字幕制作はとても難しかったです。作品から感じる世界をそのまま伝えるために、難解なセリフは日本語でも難解に、同じように不思議なセリフは日本語でも不思議に感じられるように訳すように心がけました。特にセリフが少ない作品は、内容を理解するのが難しい上に、少ない字幕にすべてを凝縮するのが難しかったですね。また、3、4日という短い納期で制作国もバラバラの6本に字幕を仕上げる必要があり、さまざまな調べ物が必要でした。
 

インターナショナルプログラムの『Internet Famous』(邦題:ネットで有名人)は人気の動画クリエイターの姿を描いています。ネット社会の光と闇を垣間見ることができ、とても面白い作品でした。
 

●短編映画ならではの魅力や難しさはありますか?
 
短編映画は短い時間でテーマやメッセージを伝えるため、長編映画に比べて1つひとつのセリフやナレーションに作り手の意図がより強く込められていると思います。ですから字幕でも、そのニュアンスを取りこぼさないように気をつけています。短編映画の魅力は、やはり短い時間で観客を一気に引き込んでしまうという密度の濃い世界観ではないでしょうか? 私は元々短編映画が好きでよくみていますが、日本では劇場で観る機会は少ないですよね。SSFF & ASIAの字幕に携わるようになって、ますます短編映画が好きになりました。こうした機会にぜひ、多くの方に短編映画の面白さを知ってほしいと思います。
 

●毎年、自分の字幕がついた作品を映画祭会場で観客と一緒に観る感想は?
 
上映会場では、作品と観客をつなぐのが自分の字幕となるので、責任感と緊張でいつも身が引き締まる思いがします。客席から笑いが起きたり、観客が涙したり、という反応を見ることができると、「ちゃんと伝わったんだな」とうれしくなりますね。
 

上田さんが今回、日本語字幕を手がけたのは下記の8本。ぜひ会場に足を運んで短編映画の世界を満喫してください。
 

★ファッションショートプログラム
Wanderlust(南アフリカ)
Yes!(中国)
The Purgatory of Monotony(フランス)
Juliet(イギリス)
Arborea(イタリア)
Hot Air_The Way We Work Is Changing(イギリス)
 

★インターナショナルプログラム
Internet Famous(邦題:ネットで有名人、ノルウェー)
 

★アジア インターナショナル&ジャパン プログラム
 FutureCity Yokohama プログラム
千色(香港)
 

作品の詳細や上映スケジュールは公式サイトをご覧ください。
http://www.shortshorts.org/2015/