世界で注目の LGBTを知る 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭が開幕
6月26日にアメリカの連邦最高裁がすべての州で同性婚の合法化を認める判断を示し、話題となりました。この決定の直後となる28日にニューヨークで行われたプライドパレード(LGBT【セクシャル・マイノリティ】の人々が権利を求めて行進するパレード)には2万人以上が参加し、大きな盛り上がりを見せました。また、日本でも渋谷区で同性カップルを対象としたパートナーシップ証明書発行の条例が成立したほか、アイルランドでは国民投票により同性婚が合法化されるなど、今LGBTを取り巻く環境が世界で大きく変わりつつあります。
そんなLGBTをテーマにした作品を集めて上映する東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(TILGFF)が7月11日(土)に開幕します。24回目を迎えるこの歴史あるイベントをJVTAは毎年、字幕作成でサポート。今年も22人の修了生が活躍しています。そこで今回は、同映画祭広報の樋口さんに今年の見どころとおすすめの作品について聞いてみました。
●東京国際レズビアン&ゲイ映画祭 広報 樋口さんのメッセージ
例年のように、カンヌ・ベルリン・サンダンス等の各国際映画祭へ出品された話題作が出そろっているほか、今年はアジア・日本映画が非常に充実しています。どれも優劣がつけがたく、いくつか絞るのは難しいのですが、中でもお勧めの作品をご紹介します。
『ボーイ・ミーツ・ガール』
世界各国の映画祭を笑いと感動で包み込んだ本作。泣けます。主人公リッキーを演じる主演のMichelle Hendley自身も実際にトランスジェンダーであり、非常に魅力的なキャスティングとなっています。
『クセニア』
TILGFFらしい楽しい作品です。ギリシャ国籍を手に入れるために父を探す兄弟を描いたロードムービーですが、Bromance的要素あり・弟かわいい・うさぎかわいいといったキラキラ要素が満載です。
『スターライトの伝説』
ゲイに対する風当たりの強い1960年代から現代まで、さまざまな時代を見届けてきたブルックリンのゲイバー「スターライト」を追いかけたドキュメンタリー作品です。先日、NY市のバー「ストーンウォール・イン」が歴史的建造物に指定され、そのバーをテーマにローランド・エメリッヒ監督による映画も決定していますが、一方で、「スターライト」は再開発の波に飲みこまれてしまいます。土地を「きれいに」することで、文化的コミュニティの価値が失われていくことがどういうことなのか、見終わった後に考えさせられる映画です。
『夜間飛行』
2007年にアジアンクィア映画祭、2008年に東京国際レズビアン&ゲイ映画祭にて上映された『後悔なんてしない』のイ=ソン・ヒイル監督の最新長編。BL好き必見です。韓国の厳しい競争社会を背景に10代の若者たちの孤独を描いています。
例年のスパイラルホールに加え、今年はシネマート新宿でも上映されるなどさらにスケールアップ! アジア最大のプライドパレートの開催で知られる台湾からも3本の短編が上陸します。このイベントでしか観られない傑作も多いので、ぜひチェックしてみてください!
東京国際レズビアン&ゲイ映画祭は7月11日(土)にシネマート新宿で開幕。
7月17日(金)~20日(月・祝)は青山のスパイラルホールで開催されます。
上映作品、スケジュールは公式サイトをご覧ください。
東京国際レズビアン&ゲイ映画祭 公式サイト
http://tokyo-lgff.org/2015/