世界最大級の日本映画の祭典 ニッポン・コネクションが23日にドイツで開幕
5月23日(現地時間)、ドイツのフランクフルトで世界最大級の日本映画の祭典「第17回ニッポン・コネクション」が開幕します。毎年100本を超える日本の映画を上映し、約16,000人を動員するなど、大人気のイベントです。今年は、JVTAの修了生が英語字幕を担当した『ディストラクション・ベイビーズ』(真利子哲也監督)と『この世界の片隅に』(片渕須直監督)のほか、『シン・ゴジラ』(2016年 庵野秀明監督 樋口真嗣監督)、『湯を沸かすほどの熱い愛』(中野量太監督)、『ぼくのおじさん』(山下敦弘監督)など超話題の新作や、『タンポポ』(1985年 伊丹十三監督)といった往年の名作が上映されます。また、世界中に未だ根強いファンが多くいるという日活ロマンポルノの特集上映などがあります。
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『この世界の片隅に』英語字幕をJVTAの修了生が担当
https://www.facebook.com/JvtaTokyoLa/posts/1412174335488848
『この世界の片隅に』音声ガイドを修了生が担当
https://www.jvta.net/tyo/kono-sekaino-onnsei-guide/
日本映画に特別な功績を残した人物に贈られるニッポン名誉賞は役所広司さんに決定。28日のクロージングセレモニーの受賞式には役所さんご本人が登壇する予定です。
また、映画上映だけでなく、茶道や武道など日本の文化を知るイベントやカラオケや屋台、ゲームセンター、子ども向けのアニメワークショップなども用意されています。
JVTAは毎年この映画祭をサポート。スタッフや講師が現地に赴き、セミナーやワークショップなどを行っています。今回は今年JVTAが携わるイベントをご紹介します。
◆JVTAの関わり①
ハインリッヒ・ハイネ大学デュッセルドリュフ
学生18人に英語字幕制作を指導
“ニチコネ”で世界プレミア上映
『自販機の光にふらふら歩み寄り ごめんなさいってつぶやいていた』
JVTAが、日本の短編映画を海外の大学生が世界に発信する「海外大学字幕プロジェクト」を展開しているのをご存じですか? 現在、その第2弾として、地元ドイツのハインリッヒ・ハイネ大学デュッセルドリュフの教室とJVTAをオンラインでつなぎ、JVTAの石井清猛講師とジェレミー・クールズ講師が18人の学生に英語字幕制作を指導しています。この度、彼らが完成させた英語字幕付きで、短編映画『自販機の光にふらふら歩み寄り ごめんなさいってつぶやいていた』(2017年 杉田協士監督)がニッポン・コネクションのニッポン・ヴィジョンズ部門に出品され、世界プレミア上映されます。ドイツの大学生が試行錯誤を重ねて作りあげた字幕をぜひ、ご覧ください!
詳細はこちら
http://www.jvtacademy.com/GUSP/index.php?id=home-about
◆JVTAの関わり②
字幕づくりの奥深さを世界へ!
ワークショップは毎回大人気
毎年大人気の日本の話題作をテキストに英語字幕を付ける英語字幕制作のワークショップを今年も行います。参加者の国籍も年齢もさまざまで50人近くにも上ることも。日英映像翻訳のコースを開講し、多くの日英映像翻訳者を輩出しているJVTAならではのワークショップです。今年はイギリス出身のジェレミー・クールズが講師として登壇。上記の「海外大学字幕プロジェクト」を気軽に体験できるまたとない機会です。お近くの方はぜひ挑戦してみてください!
http://www.nipponconnection.com/program-detail/subtitling-workshop-en.html
◆JVTAの関わり③
『もののけ姫』のドイツ語字幕翻訳者が登壇
映像と翻訳の関わりを探るレクチャー
JVTAプレゼンツのアカデミックなレクチャーも恒例の人気企画。今年はJVTAの日英映像翻訳科の監修者であり、明治学院大学 准教授のローランド・ドメーニグ氏が登壇します。ドメーニグ氏は日本映画史を専門とし、映画祭のキュレーターやプログラマーとして国際的に活躍。また、『もののけ姫』のベルリン映画祭出展用ドイツ語字幕翻訳を手がけており、映像翻訳としての経験もあります。今回は、そんなドメーニグ氏が『もののけ姫』に加え、『シン・ゴジラ』『君の名は。』などの昨今の人気作品も用いて現代の翻訳者が直面している課題について解説。言葉を訳すだけではなく、作品を深く理解する奥深さを紐解きます。
http://www.nipponconnection.com/program-detail/tasks-of-visual-media-translators-en.html
◆JVTAの関わり④
アワードスポンサーとしての参加は8回目
受賞監督の次作の英語字幕を提供
JVTAはニッポン・ヴィジョンズ部門のアワードスポンサーとしても参加。受賞監督には、次回作にJVTAが英語字幕をつけるという副賞が贈られます。これまで、このグランプリを受賞した松江哲明監督(2010年『ライブテープ』)、山崎樹一郎監督(受賞作『ひかりのおと』)、イアン・トーマス・アッシュ監督(受賞作品『A2-B-C』)、柴田剛監督(受賞作品『堀川中立売』)ら、注目のクリエイターをJVTAは英語字幕制作でサポートしてきました。
今年のニッポン・ヴィジョンズ部門のコンペティションにも、新進気鋭のクリエイターが手がける17本がラインナップ。JVTAの修了生が英語字幕を手がけた『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』(柴田 剛監督)や、GCAIで動画制作のクラスを担当するイアン・トーマス・アッシュ講師が総指揮を手がける『売買ボーイズ』(Itako監督)も出品されています。『売買ボーイズ』は、新宿2丁目で働く“ウリセン”の男性を取材したドキュメンタリー作品。現地での反響が楽しみですね。
●ジェシー・ナス ディレクターのコメント
(『売買ボーイズ』英語字幕ディレクションを担当)
『売買ボーイズ』は台本のないインタビューが多く、字幕のタイミングやセリフの意味をうまくまとめるのは大変でしたが、一般的に知られていない未知の世界が覗けるという面白い作品ですので、ぜひチェックしていただきたいと思います。
http://www.nipponconnection.com/nippon-visions-jury-award-en.html
「第17回ニッポン・コネクション」は、5月23日(現地時間)にスタート。フランクフルト近郊にいらっしゃる方はぜひ足を運んでみてください。
◆「第17回ニッポン・コネクション」公式サイト
http://www.nipponconnection.com/nc-2017-japanese.html