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ニッポン・コネクションが閉幕! 寺島しのぶ氏の『オー・ルーシー』ほか、女性監督の作品が各賞を総ナメ!

ニッポン・コネクションが閉幕! 寺島しのぶ氏の『オー・ルーシー』ほか、女性監督の作品が各賞を総ナメ!

ドイツのフランクフルトで開催されていた世界最大級の日本映画の祭典、ニッポン・コネクションが6月3日(日)、大盛況のうちに閉幕。アワードセレモニーには、今年のニッポン名誉賞を受賞した女優の寺島しのぶ氏が駆けつけました。公式発表によると、会期中、日本から映画監督や俳優、プロデューサーといったクリエイター約120人が参加。多くのプログラムが満員御礼になり、フランクフルト市内にある7カ所の会場には約16,500人が訪れたということです。

 
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JVTAは2010年から毎年、ニッポン・コネクションで字幕体験ワークショップや映画に関するレクチャーを開催してきました。今年は日英映像翻訳科のジョナサン・ホール講師、映像翻訳ディレクター、石井清猛のほか、JVTA代表の新楽直樹が初めて現地に赴き、受賞式にも登壇しました。今年の特徴はなんといっても女性クリエイターが際立った活躍を見せたこと。日本映画への愛が溢れる会場の様子をレポートします。

 

◆ニッポン・ビジョンズは注目の女性監督2人が受賞
『息の跡』(小森はるか監督) 『Of Love and Law』(戸田ひかる監督)

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JVTAがアワードスポンサーを務めるニッポン・ビジョンズ部門は、審査委員賞『息の跡』(小森はるか監督)、審査委員特別賞が『Of Love and Law』(戸田ひかる監督)と、女性監督のドキュメンタリー作品2本が受賞しました。JVTAは副賞として、小森監督の次回作の英語字幕を制作します。現地でも映画関係者の間で話題になったのが、世界でも際立つ日本での女性クリエイターの台頭で、今回の受賞結果もそれを如実に表す結果となりました。受賞式では、審査員を務めた映画監督の行定勲氏とプロデューサーの相原裕美氏、映画配給に携わるDaniel Otto氏の3人と共に、アワードスポンサーとしてJVTA代表の新楽直樹も登壇。若い映像作家の力を世界に届けるためのサポートをこれからも続けていくことを誓いました。

 
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また、毎年、日本映画界に特別な功績を残した人物に贈られる「ニッポン・シネマ賞」は、寺島しのぶ氏が受賞。クロージングイベントでは『裏切りの街』(三浦大輔監督)が上映され、寺島しのぶ氏が授与式に登壇しました。実はこの他にも『オー・ルーシー!』(平栁敦子監督)、『幼な子われらに生まれ』(三島有紀子監督)、『ヴァイブレータ』(廣木隆一監督)などの出演作が今年のニッポン・コネクション上映され、寺島氏の活躍ぶりが光っていました。この日は主演作『オー・ルーシー!』がニッポン・シネマ賞にも選ばれ、ダブル受賞となりました! 寺島さんは、2010年のベルリン国際映画祭で『キャタピラー』で銀熊賞を受賞しており、今回が2度目のドイツでの受賞です。それを受けて「ドイツ大好き!」と話し、大きな拍手を浴びていました。

 
◆JVTAが海外大学字幕プロジェクトで英語字幕を指導
短編映画『したさきのさき』が海外初上映!

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中山剛平監督の短編作品『したさきのさき』が世界プレミア上映されました! 英語字幕を担当したのは、現地のハインリッヒ・ハイネ大学デュッセルドリュフの学生15人。海外大学字幕プロジェクトで、JVTAの東京校とオンラインでつなぎ、ジェシー・ナスディレクターと石井清猛ディレクターとの指導のもと、字幕を完成させました。会場にはデュッセルドリュフから3人の学生が駆けつけ、中山監督と主演の根矢涼香さん、プロデューサーの小峰克彦さんと対面。共に登壇し、上映前のスピーチを行いました。字幕を担当した3人は、上映中もソワソワと、落ち着かない様子。前方の席にいながらも頻繁に客席を振り返り、皆さんの反響をチラチラと見ていたのが印象的でした。

 

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中山剛平監督のコメント
この作品は3年前にPFFアワード2015での上映以降、日本では何度か上映していますが、まさかこのタイミングで海外に来られるとは思っていませんでした。今回初めて英語字幕がついて、海外で観ていただけて本当に嬉しい。日本とは違う反応もあって新鮮でしたが、楽しんでもらえたと感じました。普遍性のある作品だと思うので、今後もっと海外でも観てほしいですね。

 
学生たちが字幕を作成したゼミの様子はこちら
http://www.jvtacademy.com/GUSP/

 

◆毎年恒例の英語字幕ワークショップ
プロの翻訳者も参加

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字幕体験ワークショップには、プロの翻訳者やゲームの翻訳者も含む20代から50代にわたる約30名(男女は半々)が参加してくれました。JVTAで日英映像翻訳のクラスを担当するジョナサン・ホール講師と石井清猛ディレクターの指導のもと、日本のアニメや実写長編作品のワンシーンを題材にセリフを英語字幕にしていきます。今年の特徴は日本のコンテンツの知識があまりない参加者が多かったこと。翻訳に重点を置くのではなく、あらかじめ用意した英語訳をもとに、字幕として整える楽しさを体験してもらいました。笑いが絶えない和やかな雰囲気の中、ディスカッションにも積極的に参加してくれました。

 

◆ニッポン・コネクションの魅力は映画だけじゃない!
「ニッポン・カルチャー」では日本独自のアートや文化をディープに紹介

 
JVTA代表 新楽直樹の“心中”をテーマにしたレクチャーが好評!
昭和歌謡やジブリ作品にも言及

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ニチコネ初参加のJVTA代表 新楽が行ったレクチャー「SPIRIT OF THE TIMES AND THE WOMEN PORTRAYED IN FILMS AND SONGS」には、20代、30代の若い層を中心に約40名が参加しました。“心中”をテーマに、歌舞伎や文楽、映画、歌謡曲、アニメなどに描かれてきた、プライドや愛の成就をかけた日本独特の死生観について解説。映画やドラマだけでなく、ジブリ作品や国民的アニメ、昭和歌謡など新旧さまざまな作品を取り上げ、エッジの利いたユニークなレクチャーとなりました。参加者は質疑応答まで全員が残り、最後まで真剣に聴き入っていました。

 

◆60年代、70年代のアートシーンで特異な存在感を放った岡部道男を
アジア映画研究の専門家ジョナサン・ホール氏が解説

 
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現代のメジャー作品だけに留まらず、日本のレトロな名作やインディーズ作品にもフォーカスするのが“ニチコネ”の魅力です。今年はJVTAのロサンゼルス校と東京校で講師を務めるジョナサン・ホール氏がレクチャー「MY CRAZY LOVE FORJAPANESE CAMP」を開催。アジア映画を専門として研究を重ねるジョナサン氏は、60年代70年代の日本で輝きを放ったアンダーグラウンドな世界を解説。美輪明宏、ピーター、三島由紀夫、岡部道男などに代表されるアンダーグラウンドなアートの世界や当時豊かさを増していったゲイガルチャーなどを紹介しました。20代を中心にした参加者の中には、ベネチア国際映画祭のプログラマーの女性の姿もありました。

 

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JVTAはこれからもニッポン・コネクションをサポートしていきます。

 
ニッポン・コネクション
https://www.nipponconnection.com/nc-2019-japanese.html