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ポーランド映画祭が開幕! ポーランド出身ディレクターがおすすめ作品を紹介

ポーランド映画祭が開幕! ポーランド出身ディレクターがおすすめ作品を紹介

11月25日(土)、東京都写真美術館ホールでポーランド映画祭2017が開幕。JVTAは5本の日本語字幕と1本の字幕データ作成で協力しています。6回目となる今年は、ポーランド映画界の巨匠、アンジェイ・ワイダ監督の追悼特集や、ポーランド映画で初めてアカデミー賞外国語映画賞を受賞した話題作『イーダ、JVTAが出題と審査で協力したアルク翻訳コンテストの課題作品『ユダヤ人を救った動物園~アントニーナが愛した命~』など注目作品が目白押しです。
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そこで今回はJVTAに今年から仲間入りしたポーランド出身スタッフ、カイェタン・ロジェヴィチ ディレクターにおすすめ作品を聞いてみました。

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ジェニ・ドブリー!(こんにちは)ポーランド出身のカイェタンです!
カイさん

ポーランド人として日本の皆さんが母国の映画を見られる機会は大変嬉しく思います。
今年のポーランド映画祭の上映作品から個人的にも思い入れのある作品をご紹介します。

 
◆『ソラリスの著者』(Autor Solaris)※
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こちらは20世紀で最も有名なSF作家の1人、スタニスワフ・レムの人生を紹介するドキュメンタリー映画です。ポーランドでは、自分の両親の世代のほとんどがレムの作品で初めてSFというジャンルを知り、今でも彼の作品を一冊も読んでいない人はほとんどいないほど、誰もが知る存在です。想像力豊かなレムは大胆な未来の様子を描きながら、架空の世界観の中で哲学的な探索を繰り広げていました。映画のタイトルの「ソラリス」はレムの最も有名な小説のタイトルです。人間の科学者と一つの生き物のように知能を持つ海に囲まれた惑星がお互いを理解しようとする物語で、レムは異質の生命の間のコミュニケーションが不可能なことではないのではないかと論じています。そんな世界観と思想を持っていた作家がどんな人生を歩み、どこから刺激を受けたのか? 知りたい方は是非『ソラリスの著者』を見てみてください。

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レムの短編小説をもとに、巨匠アンジェイ・ワイダ監督が手がけた『寄せ集め』(※)
が併映されます。

 
◆『アート・オブ・ラビング』(Sztuka kochania. Historia Michaliny Wisłockiej)※
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保守的な戦後のポーランドでベストセラーとなった性教育書「愛の技法」の作者で産婦人科医、ミハリナ・ヴィスウォツカの人生を知ることができる作品です。日本ではあまり知られていないかもしれませんが、700万部超を記録したこの1冊が出版されるまでの葛藤が描かれています。日本初上映ですのでぜひ、ご覧ください。

 
◆『最後の家族』(Ostatnia Rodzina)
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ヤン・P・マトゥシンスキ監督のこの作品は、有名なポーランド人の画家、ズジスワフ・ベクシンスキーとその家族の複雑な事情を描いています。父親のズジスワフ・ベクシンスキーはホラーめいた不気味な絵画で広く知られており、精密な描き方でも有名です。息子のトマシュは、ラジオの音楽番組の司会者で映像翻訳者でした。原作の面白さを少しも失わずに、ジェームズ・ボンドのシリーズや『空飛ぶモンティ・パイソン』、『ダイ・ハード』などをポーランド人に紹介しました。この二人はそれぞれの分野で優秀な人物ながら、お互いに個性が激しく気が強くて、難しい関係でした。『最後の家族』は彼らの関係と家庭を訪れる悲劇を深く切り取り、人間味に溢れる映画です。

ベクシンスキー家の人々 - コピー
また、この家族の姿を追ったドキュメンタリー作品『ベクシンスキー家の人々 映像と音声のアルバム』(Beksińscy. Album wideofoniczny)も上映されます。こちらは日本初公開。私自身もこの親子両方の作品のファンとして、是非日本の皆さんにも見ていただきたいです。

 
現代の映画から数十年前の作品まで楽しめる機会です。どうぞお出かけください!

 
※はJVTAが日本語字幕を担当

 
ポーランド映画祭
11月25日(土)~12月15日(金)
東京都写真美術館ホール
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※11月27日、12月4日、11日(いずれも月曜)は休館のため上映なし。
12月3日は休映。
http://www.polandfilmfes.com/