SSFFが6月2日スタート! 今年の注目作品を一挙紹介
アジア最大級の短編映画の祭典、「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2016」(SSFF)が6月2日に開幕します。18回目を迎える今年は、100を超える国と地域から集まった約6000本の中から厳選された約200本の短編映画(1分から25分程度)が一挙上映されます。JVTAは毎年、SSFFを字幕制作でサポート。今年もほとんどの作品の字幕を約100人の修了生が手がけています。
今回の注目作は、マーティン・スコセッシ監督の『オーディション』。本人役で出演するレオナルド・ディカプリオとロバート・デ・ニーロが、スコセッシ監督の新作のオーディションに呼び出され、マニラで鉢合わせるというストーリー。監督自らも出演し、さらにブラッド・ピッドも登場するという豪華な内容となっています。
◆『オーディション』の翻訳を手がけた修了生の柳澤 真理子さんのコメント
フィクションではありますが、皆、本人役で出演しているので、実際の舞台裏を覗いているような気分になり、見ていてワクワクします。また撮影場所がマニラとマカオのきらびやかなホテル&カジノということも華やかで魅力的です。レオ様とデ・ニーロが監督の前で張り合うシーンでは、“そこまで言っちゃうの?”と思うような笑えるセリフもあって、面白いですよ。出演者同士の仲の良さを感じられるのも、この作品の魅力だと思います。
コミカルな作品なので、全体的にテンポのよい字幕になるよう意識しました。また、他の作品でも言えることなのですが、原文のニュアンスをできる限り訳出することを心がけましたね。原文が回りくどいセリフであれば、日本語も回りくどくなるように工夫しました。笑えるセリフは、その面白さが一瞬で伝わるような分かりやすい日本語にするのが難しかったです。
上映スケジュールはこちら
http://shortshorts.org/2016/program/int-8/
この他にも今年は名匠、名優の傑作が目白押し。見逃せないおすすめ作品をいくつかご紹介します。
主演は『ルーム』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したブリー・ラーソン。4分という短い時間の中に、部屋を出て行きたい女性となんとかして彼女を引き留めたい男性とのかけひきが描かれています。ブリーは出演だけでなく、共同監督も務めています。
上映スケジュールはこちら
http://shortshorts.org/2016/program/int-1/
舞台は、かつてヨーロッパからアメリカへの移民の入り口となっていたエリス島。今は廃墟となった病院にインスタレーションを展示し、ロバート・デ・ニーロ演じるゴーストが巡りながら過去を回想するという意欲作です。今注目のフランス人アーティスト、JRが監督を務めています。
上映スケジュールはこちら
http://shortshorts.org/2016/program/int-7/
「火花」で芥川賞を受賞した又吉直樹さん演じる主人公が、ふと訪れたバーで見つけた青く美しい酒、海酒にまつわる物語。ショートショートの大家、星新一さんの孫弟子である作家の田丸雅智さんの作品が原作となっています。
上映スケジュールはこちら
http://shortshorts.org/2016/program/aj-2/
イランの巨匠、モフセン・マフマルバフ監督作品です。イランからイギリスに亡命した主人公の青年は、都会の高い家賃が支払えず、大家に追い立てられる日々。なんとか見つけたガイドの仕事もうまくいかず、追い詰められていきます。
上映スケジュールはこちら
http://shortshorts.org/2016/program/aj-3/
ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2016は6月2日から6月26日、ラフォーレミュージアム原宿ほか6カ所で開催されます。一部を除き無料ですので、ぜひ皆さんも短編映画の奥深い世界を堪能してください!