News
NEWS
voiceinTYO

翻訳者、通訳案内士、フォトグラファー 多彩に活躍する平間久美子さん

翻訳者、通訳案内士、フォトグラファー 多彩に活躍する平間久美子さん

7月30日まで公演中のブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』。作曲家レナード・バーンスタインの生誕100周年を記念したワールドツアーとして、大きな注目を集めています。会場で販売しているプログラムの表紙を飾るニューヨークの風景写真は、JVTA修了生・平間久美子さんが撮影したもの。同本中には他にも平間さんがニューヨークで捉えたショットが収録されています。

P7139366 - コピー

平間さんは映像翻訳者として、映画やドラマの字幕や吹き替えを担当。また歌詞対訳にも定評があり、今年もアニメ―ション映画『SING/シング』(写真左)や20年ぶりの続編として注目の『トレインスポッティング2』(写真中央)のオリジナル・サウンドトラックや、カナダのシンガー・ソングライター、ショーン・メンデスのシングル曲『トリート・ユー・ベター~ボクならキミを絶対に大切にする』(写真右、同アルバムに収録)など、話題作を続々と手がけています。また通訳案内士として外国人観光客のガイドも務めています。
SINGジャケ写 - コピー (2)トレインスポッティング2 - コピーショーン・メンデス - コピー

◆関連記事
・『SING/シング』オリジナル・サウンドトラック 歌詞対訳をJVTAの修了生が手がけました!
https://www.jvta.net/tyo/sing-soundtrack/

 
映像翻訳だけに留まらず、歌詞対訳、通訳案内士、フォトグラファーとさまざまな舞台で活躍する平間さん。実は翻訳者としてデビュー後、通算1年以上ニューヨークに滞在していたそう。その経験が、平間さんの可能性をさらに広げてくれました。ニューヨークでの暮らしや現在のライフスタイル、翻訳力を高める秘訣、写真撮影秘話などについて、お話を聞きました。

 
★翻訳者の経験を10年以上積んでからNYに通算1年以上滞在
DSC_0429 - コピー

JVTAのトライアルに受かったのが2002年の秋。その後、プロの映像翻訳者として、字幕や吹き替え、歌詞対訳などの仕事をやってきましたが、常に「もっとネイティブの英語感覚に近づきたい」という思いがありました。そこで、2014年にニューヨーク長期滞在(ビザなしの90日以内)を決行。アパートを借りて、ニューヨーク市立大学で言語学の授業を聴講したり、写真学校の短期講座を受けたり、ボランティア活動に参加したりしつつ、夜は黙々と翻訳のために英語のブラッシュアップをする日々を過ごしました。英語表現や文脈の解釈を迷った時に、すぐにネイティブに聞けるという環境は本当に魅力的でしたね。そんな中で少しずつネイティブの感覚が身についてきたのか、英語独特の婉曲表現などもすんなり理解できるようになってきました。この経験が歌詞対訳などの理解もさらに深めてくれたと思っています。歌詞や映画のセリフには短い言葉の中に文化や宗教観などが凝縮されています。現地で暮らし、肌でアメリカを感じてきたことでよりリアルに理解できるようになりました。

 
今回、『ウエスト・サイド・ストーリー』のプログラムに採用されたのは、そんな生活の中で、写したカットです。私の写真の師匠であり、音楽評論家の常盤武彦氏がこのプログラムに寄稿していたことからお声掛けいただきました。

 
★NY長期滞在中になにげなく写した1枚がプログラムの表紙に!
P7260302 - コピーP7260306 - コピー
表紙の橋はブルックリンブリッジで、2016年の晩秋にマンハッタン側から撮りました。

プログラム内の石畳の写真は、2012年の冬にユニオンスクエアで撮ったものです。
WSS_4_5 - コピー
どちらも「さあ、撮影するぞ」と気合いを入れて撮ったものではなく、日常的にカメラを持ち歩き、街中を散策しながら何気なく撮ったものだったので、あとになって、こんな形で使ってもらえるとは驚きです。ちなみに、OLYMPUS XZ-1というコンデジで撮りました。今回の日本公演ももちろん鑑賞したのですが、やはり、翻訳者としては、字幕が気になってしまいました(笑)。

 
★ジャズライブ通いで掴んだCDのジャケ写撮影の仕事
lush life - コピーsong for my sake - コピー

※小島のり子「LUSH LIFE」 小島のり子「Songs For My Sake」

 
実は今回のパンフレット以外に、CDのジャケ写なども撮影しています。私はジャズが好きで個人的によくライブハウスに出かけて写真を撮るのですが、ジャズミュージシャンの小島のり子さんが私の写真を気に入ってCDのジャケット写真撮影を依頼してくれました。それがきっかけでフライヤー用の写真やプロフィール写真なども時々撮っています。
P7260363 - コピー
外国人ミュージシャンの知り合いも多いので、彼らに歌詞対訳の解釈を教えてもらうことも。ラッパーやジャズシンガー、またオールディーズなどに詳しい男性ファンなどさまざまなジャンルに詳しい人たちがいて、時に私の翻訳を力強く支えてくれています。考えてみると、こうして趣味から得た人脈のおかげで仕事の幅が広がりました。

 
★写真撮影付きツアーが売り
P6218902-300x2005-300x213
通訳案内士として、都内近郊で写真撮影付きツアーを行っています。ご希望があれば、フォトブックの注文も承ります。36ページの中に約50-80の写真を入れた文庫本サイズで、持ち歩きにも便利です。ご家族のお客様をご案内することが多いのですが、「普段家族みんなできちんと写真を撮ることがないので嬉しい」ととても喜ばれています。

 
★翻訳と通訳案内士、いいバランスで相乗効果に!

今は通訳案内士の仕事と兼業で翻訳をやっています。翻訳を通して知ったことがガイドの仕事の役に立ったり、ガイド中にお客様が使っていた英語表現が翻訳の仕事で出てきたりという感じで、いい相乗効果が生まれています。また、ガイドの時、皆さんが知っているようなドラマの字幕を手がけていると話すと、とても親近感と信頼を寄せてくれるんです。これも嬉しい効果ですね。写真も含め、今までやってきたことが、いまやっといい形で繋がってきたと実感しています。
IMG_3009
※GCAIの語学ボランティアでの1枚

 
常にパソコンに向かって翻訳だけをしていると、一日の歩数が650歩などという危機的状況に陥ってしまうので(笑)、できるだけ外に出て人に会い、たくさんの刺激を受けながら、今後も翻訳業を楽しんでいきたいと思います。

 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
とにかく書くことが好きで、日本語でも英語でもブログを発信している平間さん。映画や英語に関する話題も豊富なので、映像翻訳を学ぶ皆さんは、ぜひチェックしてみてください!

◆日本語のブログ That’s interesting!
翻訳に役立つ記事が満載です!
http://interesting-languages.blogspot.jp

 
◆通訳案内士の公式サイト Picturesque Japan
素敵な写真も豊富に掲載!
http://pict-japan.com/

 
◆『ウエスト・サイド・ストーリー』公式サイト
http://theatre-orb.com/lineup/17_wss/top.html