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クールな仕事を
している人たち

クールな仕事を<br>している人たち

11月のテーマ:クール
 

私が初めて“クール”という言葉を知ったのは10代の時でした。クールは他人を褒めるときや何かを形容しているときなどに、カッコいい、素晴らしいなどの意味を伝えられる便利な言葉です。90年代、私の母国である中国でもクールという言葉が、国中でどこでも使われるようになりました。それまでも外来語が流行語になったことがたまにはありましたが、“クール”ほど速く全国に広まったことはなく、ビックリしたものです。
 

その理由の一つは、当時、外国のコンテンツがたくさん中国に来るようになったことだと思います。私自身もシルヴェスター・スタローンが出演した『ランボー』をきっかけに、すっかりハリウッド映画や日本語のアニメ、漫画に魅了されました。当時はまだインターネットもDVDもないので、ビデオレンタル店で面白そうなパッケージを見つけては全部借りていました。2、3年で80年代、90年代の海外のアクション映画、SF映画はほとんど見たと思います。
 

その後JVTAに入ってから、初めて映像翻訳のことを知りました。それまでの私はただ“見る”だけで、字幕か吹き替えか、翻訳者は誰か?クオリティがよいか悪いか?に関しては、全く意識していませんでした。しかし、JVTAのディレクターの仕事をしてからは、映画やネット上のコンテンツなど楽しむときに翻訳を意識するようになりました。時々、「この字幕がいいね!」とついに口にすることもあります。以前なら映画の最後のクレジットを決して見ない私が、最後に翻訳者の名前が出るまで見るようになりました。少なくともどの映像翻訳者が翻訳したのかを知りたいからです。
 

2010年に日本の経済産業省が日本の文化産業(デザイン・アニメ・ファッション・映画など)の海外進出を戦略的に展開するためにクールジャパン戦略を開始しました。このクールジャパンを支えるのが私たち翻訳者たちであり、映像翻訳者は日本の最先端をいく仕事です。新しい映画が上映される場合、世界一流企業の新製品が発売されるときなど、あらゆる場面で翻訳者が必要とされています。だからこそ私はJVTAでいつも優秀な映像翻訳者の皆さんと一緒に仕事をすることに誇りを持っているのです。そして、映像翻訳という仕事は本当に“クールな仕事”だと思っています。

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Written by 李 寧
MTC映像翻訳ディレクター
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[JVTA発] 発見!キラリ☆ vol.195 11月のテーマ:クール
日本映像翻訳アカデミーのスタッフが、月替わりのテーマをヒントに「キラリ☆と光るヒト・コト・モノ」について綴るリレー・コラム。同じ目標を見つめる修了生・受講生にたくさんのヒントや共感を提供しています。