今回のシュワルツェネッガーは、
ひと味ちがう!『サボタージュ』
映画ファンなら、「好きな俳優が出ているからこの映画を見る」という人も多いだろう。自分の場合はアーノルド・シュワルツェネッガーが、そう思わせる俳優である。84年に『ターミネーター』でシュワルツェネッガーがサイボーグ役で登場して以来、四半世紀以上、ずっと彼の映画を見続けている。今回はそんなシュワルツェネッガー主演の最新作『サボタージュ』の予告編を紹介したい。
予告編は「The Legend is back!」のテロップと「伝説の男、完全復活!」というナレーションで始まる。シュワルツェネッガーは『ターミネーター』でブレイク後、『コマンドー』『シュワルツェネッガー/プレデター』『トータル・リコール』で人気を博したが、2003年の『ターミネーター3』を最後に政治家に転身。カリフォルニア州知事を7年務めて、再び映画界に復活した。
シュワルツェネッガーが演じるのは、麻薬取締局(DEA)の特殊部隊のリーダーであるジョン。ジョンはプリーチャー(破壊屋)と呼ばれ、8人の隊員を率いて麻薬組織を追いつめる。これまでも(映画の中で)いろいろな物を破壊してきたシュワルツェネッガーにとって、お馴染みの役だ。DEA隊員は修羅場を生き抜いてきた、凄みのある連中ばかり。そんな連中をまとめることができるのは、シュワルツェネッガーぐらいだろう。シュワルツェネッガーは『プレデター』でもコマンド部隊のリーダーを演じていた。やっぱり彼には州知事よりも隊長が似合うのだ。ちなみに隊員の1人を演じるのはサム・ワーシントン。彼は『ターミネーター4』にも出ていたので、今回は新旧『ターミネーター』俳優の共演となっている。
映画の中で、ジョンたちは麻薬組織のアジトを襲撃し、1000万ドルを横領する。ええ!横領!? 本作の監督デヴィッド・エアーは、これまでにも警官を主人公にした映画を手がけている。『トレーニング デイ』(脚本を担当)ではデンゼル・ワシントンを汚職刑事にし、また監督2作目の『フェイクシティ ある男のルール』ではキアヌ・リーヴスを、逮捕するには手段を選ばない刑事にしていた。これまでエアーが描いてきたのは、悪に手を染める警官、または正義と悪の境界線を生きる警官たちの姿だ。本作では、ヒーローを多く演じてきたシュワルツェネッガーを犯罪に手を出す捜査官という意外な役にする。これが今までのシュワルツェネッガーとはひと味違う点だろう。
そして、その後に起こる謎の猟奇連続殺人。狙われたのは、無敵のDEA特殊部隊。奪ったはずの1000万ドルが消え、ジョンの隊員たちが1人ずつ殺害されていく。「誰かが金を奪い 残りは死ぬ」。最強の9人が容疑者となった。予告編の終盤は、激しい銃撃戦が展開される。そしてジョンが、ついに怒りを爆発させて言う。「ブッ殺してやる」。これまで(映画の中で)大勢の悪党を殺してきたシュワルツェネッガー。ひと味違う映画でも、やっぱり最後は銃で完全装備して戦ってほしい。犯人は誰なのか。そしてシュワルツェネッガーは生き残れるのか。映画館で確認してきます!
今回注目した予告編
『サボタージュ』
監督:デヴィッド・エアー
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、サム・ワーシントン、テレンス・ハワード
11月7日より公開中
公式サイト:http://www.sabotage-movie.jp/
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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
【最近の私】
六本木で開催中の『ティム・バートンの世界』展が気になります。バートンが作り出す映画の世界に浸りたい。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!
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