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花と果実のある暮らしinCO

Vol.19 チェンマイにもクール・ジャパンがやってきた!

Vol.19 チェンマイにもクール・ジャパンがやってきた!

【最近の私】 最近チェンマイに続々と建てられているショッピングモール。ありがたいことにピンク色に塗られた「女性専用駐車場」があるのです。モールへの出口近辺にあるので重たい荷物をかかえたお母さんやお年寄りに重宝されています。若い女性には安全面でも嬉しいサービスです!
 

タイは、アジア圏で唯一植民地になったことがありません。なので、良い意味でも悪い意味でもピュアに独自の文化を守ってきたようです。そのため、チェンマイに移住してきた頃は、タイ料理ばかりに囲まれて、日本をはじめとした他の国の料理を恋しく感じていました。
 

■ピュアな国から一転して・・・
ところが最近、立て続けにチェンマイの友人や知り合いから”日本に行くんだけど…”と相談を受けます。一般のチェンマイ人が、円安や格安航空の普及、ビザの規制緩和などの影響から日本へとどんどん出かけて行く一方で、その逆に、このチェンマイの村には日本の文化がやってきているのです。
 

ローカル市場には屋台のお寿司屋さんがあり、日本語のTシャツを着ている若者や、日本語のステッカーをつけた車もたくさん見かけます。
 

■日本語読めるの!?
先日、前を走っていた白いピックアップ・トラックに、不思議な日本語のステッカーが貼ってありました。
 

「この車はピンクです。」
 

随分変わった日本語のステッカーを貼るもんだなぁとパートナーに話すと、「ああ、それは占い師に名前や誕生日などから診てもらって、白い車は運がなく、ピンクがいいと言われたんだろうね。でも買い換えるわけにいかないから、ステッカーでごまかしてるんだよ」。
 

つまり白い車だと悪い霊がやって来て良くないから、ステッカーで「この車はピンクだ…」と無理やり言い訳をしているのです。タイ語でならよくあるそうですが、それを〝クールな(?)日本語“で表現したタイの若者。
 

チェンマイの精霊は日本語を読めるのだろうか…?
 

僧、芸者、王様を一緒に飾る日本食店。タイランドは何でもあり!?

僧、芸者、王様を一緒に飾る日本食店。タイランドは何でもあり!?


 

■日本の古物屋(セカンドハンド・ショップ)が登場!

「日本の古い家具や衣類を売ってるお店ができたよ!」とパートナーが言ってきました。お店はチェンマイの郊外に位置し、そんな所に日本のどんなものが売っているんだろうと半信半疑行ってみることに。そこでは、日本式家具からマッサージチェア、普段使いのコップや包丁まで幅広く扱われていました。
 

確かに「日本に行きたい」と話していた友人は、「日本に行ったら日本製の商品の(新品じゃなくて)セカンドハンド品を買いたいの!日本のものは質が良く保たれているからね」と言っていました。タイ人は日本のそういうお店で買い物するんだと驚きました。ならば、日本まで足を伸ばさずにセカンドハンドの商品を購入できるこのお店、案外需要があるのかもしれませんね。
 
 

■ますます盛り上がる日本食ブーム!
約10年前、バンコクのホテルのパーティーでお寿司を食べた時、タイ人が山のようにワサビを入れて食べていたのが印象的でした。日本食は、タイの食事に比べてあっさりしているためパンチが足りないようです。それでも、日本の寿司(ワサビ多め)やラーメン、トンカツなどはとても人気です。

お隣さんは、チェンマイに続々と出現しているラーメン屋事情に詳しく、私に「どこどこのラーメンは美味しいよ」と教えてくれるほど。好きが高じて、この春には豚骨ラーメンの本場、九州まで行くようです。
また、タイは味付けが濃く辛いものや油物が多いため、特に女性や若者の間で日本食に対する興味が高まっています。面白いことに、若い人は唐辛子を食べなくなっています。さらに健康ブームが後押しし、日本食は確実にチェンマイにも浸透しているのです。
 

たこ焼き屋さんの屋台も普通の光景です!

たこ焼き屋さんの屋台も普通の光景です!

■新・ジャパニーズ・ウェイでいこう!
このように、チェンマイの村にも徐々に日本の文化が浸透してきています。もちろん中国やインドの文化はすでに織り込まれているし、日本だけでなくドイツや韓国など様々な国の文化も同様です。「日本のイチゴは甘くて美味しい」。10年前ならそんな言葉が聞かれていたタイですが、先日頂いたチェンマイ産のオーガニック栽培のイチゴは日本のイチゴと変わらぬ甘さ。それどころか野生的で、本当に美味しかった!冒頭に書いたように、ドイツに見られる女性専用駐車場もチェンマイに続々と作られています。バンコクには、すでに世界中のレストランが進出してきていると聞いています。
 

今、日本を初め各国の文化を積極的に取り入れようとするタイの良い一面を実感しながら、こう思います。(私も現状に甘んじず、外の世界から新たな刺激を受け続けていこう。それでも日本人の良さを保ちながら、新たな”ジャパニーズ・ウェイ”を進んでいこう)。少し気が引き締まる思いなのでした。
 

今が満開!タイを彩る花の1つ、スパンニガー(Yellow Cotton Tree)

今が満開!タイを彩る花の1つ、スパンニガー(Yellow Cotton Tree)

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Written by 馬場容子(ばば・ようこ)
東京生まれ。米国大学でコミュニケーション学専攻。タイ、チェンマイに移住し、現在は郊外にある鉄工房でものづくりをするタイ人パートナーと犬と暮らす。日本映像翻訳アカデミー代々木八幡・渋谷校時代の修了生。
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花と果実のある暮らし in Chiang Mai
チェンマイ・スローライフで見つけた小さな日常美