マッドに染まれ!『マッドマックス 怒りのデス・ロード』予告編
【今月の私】
よく利用する池袋の書店リブロが7月までに閉店することに。
お気に入りの映画館や書店が消えて、自分の行く場所がなくなるような気分…。
前回の『ターミネーター:新起動/ジェニシス』の予告編の時にも触れたが、今年は過去に人気を集めた作品の続編が多く公開される。これだけシリーズものが公開されるのも珍しいと思うので、当コラムでも続編の予告編を書いていこうと思う。そこで今月は『マッドマックス』シリーズの30年ぶりとなる新作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の予告編を紹介したい。
『マッドマックス』(1979年)は主人公の警官マックスと、暴走族の戦いというシンプルな物語だ。だがオーストラリアの荒涼とした大地で繰り広げられる車とバイクのチェイス、ローアングルで車を追うスピード感あふれるカメラワークにバイオレンス描写と、それまでのアクション映画とは一味違う作品だった。そして続編『マッドマックス2』(1981年)、『マッドマックス/サンダードーム』(1985年)が製作される。2作目からは近未来の戦争後の無法地帯と化した世界が舞台。モヒカンヘアの暴走族たちが改造マシーンに乗る近未来という設定は、後の数多くの映画に大きな影響を与えている。ちなみに漫画『北斗の拳』もこの『マッドマックス2』の世界観を受けついでいる。
予告編は、トム・ハーディ演じるマックスの独白で始まる。
俺の世界は炎と血で出来てる みんな狂ってる…
1作目でマックスは妻子を暴走族に殺されてしまう。そして彼は暴走族を追いつめて復讐を果たす。彼の人生は、怒りの炎と血で染まっていた。それは最新作にも受けつがれている。この最新作でもマックスが乗る車は、ターボチャージャーを搭載した黒いインターセプター。これは1、2作目でマックスが乗っていた車だ。しかし、マックスは、ある集団に捕えられてしまう。この集団のボス、イモータン・ジョーは、自分の子孫を残すために若い女性たちを捕えている。このイモータンを演じているのは、第1作で暴走族のリーダーを演じたヒュー・キース・バーンだ。
捕えられた先でマックスが出会ったのは、片腕が義手の女、フリオサ。彼女はイモータンの部下だが、ボスに逆らって反乱を起こし、捕えられている女性たちを連れて逃亡を図ろうとする。フリオサに扮するのはシャーリーズ・セロン。映画『モンスター』で10キロ以上も体重を増やして殺人犯を熱演し、アカデミー賞を受賞したセロンが、今回もスキンヘッドで義手のキャラクターを演じて、気合が入っている。フリオサは言う。「生き残りたければ、全力で走るのよ」。ここから、マックスとフリオサが共謀し、イモータンから逃亡するという物語になるらしい。
此処には、希望も法も慈悲も無い。あるのはただひとつ、狂気(マッド)。
『デス・ロード』の予告編を見ると、マックスがトレーラーで逃走するという展開は『マッドマックス2』の内容を匂わせている。ともあれ、荒涼な大地を巨大トレーラーやトゲが付いた車、また巨大なタイヤの車など、独創的な改造マシーンが暴走している。『マッドマックス』ファンにとって最高じゃないですか!?映画への期待値は “マックス”だ。早く観たい!
今回注目した予告編
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
監督:ジョージ・ミラー
出演:トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン、ヒュー・キース・バーン
6月より公開
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/madmaxfuryroad/
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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!