発見!キラリ★ プライバシーを求むデジタル世代の赤ちゃんたち
5月のテーマ:LOVE
親の愛は無償であり、無条件だと言われます。
子供のいない僕にとって、想像はできても実感として分かる気持ちではありませんが、いつか分かる日が来たらいいなと最近思うようになりました。すみません。なんでこんなことを思ったかというと、僕のFacebookに空前のベビーラッシュが到来しているからです。30代に突入した頃から友人の出産が相次ぎ、僕のニュースフィードは愛くるしい赤ちゃんの写真や動画で埋め尽くされるようになりました。幸せをお裾分けしてもらえて素直に嬉しいですし、僕にとってはかなりの「癒やし」になっています。
一方でこのようなFacebook上の現象を快く思わない人も多いようです。赤ちゃんの写真を自動的にフィルタリングしてくれるアプリまで開発されているとか。子供の記念すべき瞬間や日常のおもしろい瞬間などであればいいのですが、特筆すべき内容もないのに毎日何十回も我が子の写真や動画だけを投稿する人がいたとしたら、少々目障りと感じる受け手の気持ちも分からなくはありません。
ただ中には、生まれたての我が子に関する情報を一切公開しないという人もいるようです。写真はもちろんのこと、名前さえも発表しない(近い友人に聞かれても拒む)。その理由は、赤ちゃんも一個人なので自分の情報を公開するか否かは本人の自由であり権利であるから。つまり親とはいえども、本人の許可なくして写真などを迂闊に公開してはいけない、ということだそうです。
うーん、理屈としては分かりますが、なんというか…幸せを分かち合いたいだけの人からしたら拍子抜けしちゃいますよね。Facebook が一般向けに公開されたのは2006年の9月以降。その年に生まれた子供は現在8歳前後になっているはずです。その子たちも数年後に自らFacebookをするようになるでしょう。そして、親が当時投稿した幼い自分の写真に気づく。 僕が楽観的すぎるだけかもしれませんが、よほどのことでない限り、「プライバシーの侵害」「肖像権の侵害」と捉える子はいない気がします。純粋に親の愛情表現として受け入れる子がほとんどでしょう。このご時世、何があるわからないので断言はできませんが。
この原稿を書いているのは母の日。いつものベビーラッシュから一変して僕のニュースフィードには友人たちのお母さんの若かりし頃の写真とともに感謝の言葉が満ち溢れています。
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Written by 相原 拓
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[JVTA発] 発見!キラリ☆ 5月のテーマ:LOVE
日本映像翻訳アカデミーのスタッフが、月替わりのテーマをヒントに「キラリ☆と光るヒト・コト・モノ」について綴るリレー・コラム。修了生・受講生にたくさんのヒントや共感を提供しています。