発見!キラリ 初秋の嵐
9月のテーマ:嵐
タブレット端末やスマートフォンを使うようになってから、ネットで買い物をすることが多くなった。画面をポチっとクリックするだけで商品が自宅に届くというこの手軽さ、便利さに負けて、毎月何かを購入してしまう。しかし、こんなハイテクな現代においても、ネットでは手に入れることができないものがある。
その一つがシュトゥルムだ。シュトゥルムは、オーストリアの発酵途中のワインで、秋口に収穫されたブドウを4週間程度発酵させた物を指す。酵母入りで白濁したさまが嵐のようであることから、ドイツ語で嵐を意味する言葉「シュトゥルム(Sturm)」と名付けられたそうだ。
シュトゥルムは常に発泡し続けているため、栓をすることも、長距離を移動することもできない。その威力は恐ろしく、きつく栓をするとガスがたまり、ビン自体が爆発する可能性がある。それゆえ、現地でしか手に入らない特別なお酒なのだ。
いまウィーンの人々は、街中のレストランやカフェで、季節限定のこの味を堪能していることだろう。
半発酵状態なので、アルコール度数はビールよりも低く、微炭酸でさわやかな甘さが魅力。普段お酒を飲まない人でも楽しめるそうだ。ただし飲みすぎは禁物!たくさん飲むと、おなかの中でも発酵が続き、おなかが嵐状態に!?なるかもしれない。
いつの日か秋のオーストリアを訪れ、ウィーンの森にあるカーレンベルクの丘を散策してみたい。斜面に広がるぶどう畑を歩きながら、この特別なお酒、シュトゥルムを味わってみたいものだ。
Written by 酒井 泉
[JVTA発] 発見!キラリ☆ 9月のテーマ:嵐
日本映像翻訳アカデミーのスタッフが、月替わりのテーマをヒントに「キラリ☆と光るヒト・コト・モノ」について綴るリレー・コラム。修了生・受講生にたくさんのヒントや共感を提供しています。