今週の1本 40周年を記念して
6月のテーマ:五感
1977年5月25日、一本の映画がアメリカで公開された。はじまりは全米たった32の映画館から。それから40年、その映画はSF映画の金字塔とまで言われるようになった。
公開当初はただ『スター・ウォーズ』というタイトルだったが、のちに続編の制作が決定して『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』と副題がつき、劇中4番目にあたる作品となった。
今ではネット配信が当たり前になり、ブルーレイなどの高画質映像を家庭で気軽に楽しめ、好きなときに好きなシーンをループし、気になったシーンは一時停止してチェックできる。すごく便利な時代だが、逆にあまり心に残ることがなくなってしまった気がする。
まだ、ビデオがない時代、映画はまさに一期一会だった。次はいつ観られるかわからないため、全神経を集中し、ワンシーンとて見逃さないように観ていた。視覚と聴覚に集中して取りこぼさないようにする。そうやって観てきた映画は忘れない。ずっと心のどこかに残り続けている。時には時間の経過によって、自分勝手な解釈で(笑)。だから、時を経てあらためてブルーレイなどで観ると“あれ、こんなんだっけ?”ということがたまにある。
そんな強い思いがあったがために、多くの人がなかなか受け入れることができなかったのが、「プリクエル・トリロジー」と呼ばれる1999年から公開された「スター・ウォーズ新三部作」だろう。思いが強すぎて“自分のスター・ウォーズ”を頭と心で作り上げていたファンは新三部作のギャップに戸惑い、怒りさえ湧き上がった。私もその一人だった。
それを変えてくれたのが、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』。「スター・ウォーズ」はTVアニメ、コミック、小説を含めすべてがスター・ウォーズ・ユニバースだ。一部を切り取って好き嫌いはあるかもしれないが、トータルで「スター・ウォーズ」なのである。
そして、そのスペース・オペラは続いている。2017年12月15日に公開される新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の予告編が2017年4月13日から16日まで米国オーランドで開催された「スター・ウォーズ・セレブレーション」で公開された。世界で再生回数が何百万回もされている予告編を観て、世界中のファンが五感を研ぎ澄まし、12月15日の公開を待っている。
私も公開に向けて五感を研ぎ澄まし、来る12月15日に集中しようと思う。
その前に記念すべき第一作の40周年を祝おう。
HAPPY ANNIVERSARY!
and
May the force be with you!
http://www.starwars.com/
Written by 塩崎邦宏
[JVTA発] 今週の1本☆ 6月のテーマ:五感
当校のスタッフが、月替わりのテーマに合わせて選んだ映画やテレビ番組について思いのままに綴るリレー・コラム。最新作から歴史的名作、そしてマニアックなあの作品まで、映像作品ファンの心をやさしく刺激する評論や感想です。次に観る「1本」を探すヒントにどうぞ。