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発見!キラリ 芸術の秋

発見!キラリ 芸術の秋

10月のテーマ:気配
 

今年も秋の気配が感じられるようになってきた。いつもよりひんやりと涼しい朝が来ると、日常の中に突然新しい変化が起きた感じがして、私は密かにワクワクしている。食欲の秋、芸術の秋、読書の秋、スポーツの秋。四季の中で秋だけがいろんな呼ばれ方をしていることを考えてみても、私と同じように秋の訪れを心待ちにしている人はたくさんいるのだと思う。

 
中でも今年、私が一番楽しんでいるのは芸術の秋である。先日、六本木アートナイト2017というイベントに行ってきた。これは様々な商業施設や文化施設が集積する六本木を舞台に、現代アート、デザイン、音楽、映像、パフォーマンス等の多様な作品を街なかに点在させ、非日常的な一夜限りの体験をつくり出すというイベントである。

 
このお祭りのおすすめポイントは大まかに言うと3つある。1つ目は「見る・聞く」だけではなく「体験・体感」といった、参加型のイベントが多いこと。空間全体を作品として体験させる、インスタレーションと呼ばれる表現手法がたくさん見られるので、来場者は作品に全身を囲まれながら(場合によっては触れてもOK)鑑賞できるのだ。2つ目は、六本木の街なかにアートが点在しており、街とアートが一体化していること。誰でも気軽にアートに触れることができるし、今話題の“インスタ映え”効果もあり、若者も多いという印象だった。3つ目は、オールナイトで楽しめること。夜中に美術館に入れるなんて、まるで『ナイト・ミュージアム』っぽくて、ワクワクするではないか。

 
今では現代アートを私なりに楽しんでいるが、以前は特に興味がなかった。昔の西洋美術は学生の頃から好きだったが、それに比べて“現代アートって、何でもありなのか”とツッコミを入れたくなるというか、正直ワケがわからないと思っていた。興味が湧いたきっかけは、千住博氏の「ニューヨーク美術案内」(野地秩嘉と共著)という本を読んだことだった。美術鑑賞のヒントや美術館巡りのポイントをわかりやすく教えてくれる本なので、ニューヨークに限らずどこに行っても、美術を見る目が変わった気がする。

 
細かい作法は抜きにして、私は直感で「イイ」と思えばそれでいいと思う。美術館やアートのイベントは、何となく好き、面白いという気づきをきっかけに、アーティストの独創的な感性をおすそ分けしてもらえる貴重な機会なのである。

 

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Written by 岡田 真由子
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[JVTA発] 発見!キラリ☆  10月のテーマ:気配
日本映像翻訳アカデミーのスタッフが、月替わりのテーマをヒントに「キラリ☆と光るヒト・コト・モノ」について綴るリレー・コラム。修了生・受講生にたくさんのヒントや共感を提供しています。