今週の1本 『マトリックス』
7月のテーマ:恐怖
先日、約20年ぶりにAmazonプライムで1日レンタルをして『マトリックス』を観た。1作目の公開は1999年。それから約20年の歳月が経とうとしている(自分が歳をとった)ことに驚いたが、映画の内容は、今見ても古さを感じさせなかったのは、さすがだと思った。
最も恐怖にかられたのは、キアヌ・リーブスが演じる主人公のネオ(トーマス・アンダーソン)がエージェントと呼ばれる敵対組織に捕まって取り調べを受けるシーンだ。ネオは啖呵を切って取り調べに反抗したものの、その後、口が開かなくなり、さらにヘソに発信機つきの寄生虫ロボットを入れられてしまう。
実際の映像で音がしたという記憶はないものの、このシーンを見ると、自分の「脳内記憶」が目覚め、甲高く耳障りな金属音が頭の中をこだまし、寄生虫に侵入されるイメージが鮮明に浮かび、気持ちが悪くなってしまう。
こう書いているだけで、気持ちが悪くなってきた。お昼に食べたカロリーメイトが口から出てきそうだ。いや、20年経っても怖いものは怖いと思った。
映画では、その後、ネオが目を覚まし、寄生虫を入れられたのは悪夢だと思うが、本当に入っていたことが判明。ヒロインのトリニティに駆除してもらうというストーリーが展開される。
このシーンを気持ち悪いと思うのは私だけに限らず、ブログで同じようなことを書いている人がいる。中には、このシーンを見て以来、ヘソを仰向けにして寝られないという方もいた。
今、私の家には、子どもと捕まえたカナブンが5匹と、子どもの保育園時代に幼虫3匹をもらって成虫になったカブトムシが3匹いる。去年は2匹もらった幼虫のうち1匹が成虫になれなかったこともあり、子どもは歓喜している。
一方、大人は戦々恐々だ。子どもが虫かごの蓋をきちんと閉めていなかったこともあり、メスの成虫が虫かごから夜中に飛び出し、朝起きた妻がそれをゴキブリと間違えて大声をあげていた。マトリックスのような悪夢は、見たくない。
──────────────────────────────
『マトリックス』
監督:アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー
出演:キアヌ・リーヴス、 ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モス、 ヒューゴ・ウィーヴィングほか
製作国:アメリカ
製作年:1999年
──────────────────────────────
Written by 富岡 修
〔JVTA発] 今週の1本☆ 7月のテーマ:恐怖
当校のスタッフが、月替わりのテーマに合わせて選んだ映画やテレビ番組について思いのままに綴るリレー・コラム。最新作から歴史的名作、そしてマニアックなあの作品まで、映像作品ファンの心をやさしく刺激する評論や感想です。次に観る「1本」を探すヒントにどうぞ。
バックナンバーはこちら