発見!キラリ「太陽のような人」
8月のテーマ:太陽
彼女と初めて会ったのは、私が生まれたての頃。それから今まで長い付き合いが続いている。食べる物も、着る物も一緒。学校も一緒だった。今は別々の人生を歩んでいるが、大人になる手前まで、いつも隣にいてくれた。そう、彼女とは私の双子の妹である。
声や動作が似ていて、学校もずっと同じ
たった1分私の方が先にこの世に出てきたので、私が姉ということになった。二卵性の双子なので、それほど似てはいないと思うのだが、友達にいわせるとそっくりだそうだ。特に声や動作、話し方が似ていると言われた。同じ環境で育つと考え方も似てくるのか、小学生の頃に、授業で私が発言しようと手を挙げると、先に先生に当てられた妹が、まさに私が言おうとしたことを同じ言葉で発表したのに驚いたことがあった。小学校は親の希望で、ずっと同じクラス。中学校、高校もクラスこそ違うが同じ学校で学んだ。二人とも身長が高かったのでバレーボール部に誘われ、6年間続けた。そこで、スポーツの勝負の楽しさ、悔しさを知り、共に笑い、共に泣いた。
別々の道を歩む前の姉妹旅行
そんな二人も、進学で別々の道を選ぶことになる。私は東京での進学を選び、妹は地元で学ぶこととなった。初めての別れの前に、アルバイトで資金を貯め、二人だけの旅行に出かけた。その旅行ではちょっと忘れられない、面白いことがあった。宿泊先の旅館で、部屋に夕食を運んでくれた接客係の女性に「飲み物はどうしますか? ビールをお持ちしましょうか?」と普通に聞かれたのだ。未成年だったので、もちろんお断りしたが、自分たちの体が大きいせいで、大人に見えるのだと、何だか二人で笑った覚えがある。また、海で泳いでいたら、近くにいたお兄さんたちに声をかけられ、「一緒にご飯を食べよう」と誘われた。断るすべも知らず、行くことになった。悪そうな人たちではなかったが、きっとまた私たちを大人と思っているのかもと、面倒くさくなり、“暗黙の了解”的に口裏を合わせて、「着替えてきますと」その場を離れ、お兄さんたちのところには戻らなかった。少し怖かったけれど、「初めて巻いちゃったね~」と笑い合った。
私にとっての“太陽”
現在は共に東京で暮らしているので、月に一度は二人で会っている。仕事の話や悩み、家族のこと、今も続けているママさんバレーボールのことなど、話は尽きない。同じルーツを持っているからこそ「私ならこうする」など、とても参考になる意見をもらえる。そして何よりも二人で飲みながら話すのが楽しくてたまらない。そう、私にとって妹は太陽のような存在なのかもしれない。これからも、双子に生まれたことに感謝しながら、妹と助け合って生きていきたい。
修了生の皆さんも似た思いがあるのかも
そして、ふと思った。JVTAでの受講修了後も勉強会で集まって、映像翻訳の勉強を続けている皆さんも私と共通した思いを持っているかもしれないなと。例えば、先にトライアルに合格した方は、自分が得た映像翻訳の経験や、業界についてのさまざまな情報を、JVTAで同じルーツを持つ勉強会の仲間に伝えていく。仲間の皆さんは合格された方の頑張りを知り、自分もまた頑張ろうと思う。そんな仲間は、皆さんにとって、太陽のような存在なのかもしれない。これからも一緒に勉強を続ける皆さんの頑張りを応援したいと思う。
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Written by 齋藤恵美子
さいとう・えみこ●日本映像翻訳アカデミー・映像翻訳スクール部門スタッフ。現在は英日映像翻訳科「総合コース・Ⅰ」、「実践コース」の教務を受け持つ。
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[JVTA発] 発見!キラリ☆ 8月のテーマ:太陽
日本映像翻訳アカデミーのスタッフが、月替わりのテーマをヒントに「キラリ☆ と光るヒト・コト・モノ」について綴るリレー・コラム。修了生・受講生にたくさんのヒントや共感を提供しています。
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