発見!キラリ「ストレスをやっつけろ」
12月のテーマ:再会
皆さんはどんなふうにストレスを発散しているだろうか。おいしいものを食べる、映画を観る、散歩をするなどいろいろな方法があると思う。上手に息抜きができると仕事も勉強もはかどるので、自分に合ったストレス解消法を見つけることはとても大事だ。私にとっての最良のストレス発散方法は、殴る蹴る。ミットやサンドバッグに思い切りパンチやキックを打ち込むのだ。
運動らしい運動をまったくやってこなかった私がジムに通い始めたのは、今から7~8年ほど前。当時勤めていた会社で格闘技系番組の字幕制作に携わっていたことから、何かしら格闘技っぽいことをやってみたくなり、会社から徒歩2分ほどのところにあったムエタイジムに入会した。ムエタイというと怖いイメージがあるかもしれないが、トレーナーさんも会員さんもいい人ばかりで、アットホームな雰囲気が居心地よく、暇さえあれば通うようになった。特に好きな練習メニューがミット打ち。トレーナーさんが持つミットに向かって、力いっぱいパンチやキック、ヒザ蹴りやヒジ打ちなどを叩き込むのだ。この爽快感は何物にも代え難い。
残念ながら転職を機にムエタイジムはやめてしまった。もっぱら飲むことでストレスを解消していたが、また何か趣味がほしいと思っていた時、うれしい再会があった。ムエタイジムでお世話になっていたトレーナーさんと連絡を取り合う機会があり、今は他のジムでインストラクターをしていることを知ったのだ。そのジムは女性をメインターゲットにしたキックボクシングジムで、練習するというよりエクササイズを楽しむという感覚の方が近い。それでも、ミット打ちの楽しさは変わらない。ミットは持ち手によってもまったく蹴り心地が違うのだが、再会したトレーナーさんは特に上手で、とても気持ちよく打たせてくれる。違う趣味に手を出そうかとも思っていたが、やはり自分にはこれが合っているのだと思う。頻度は減ってしまったが、マイペースに通っている。
格闘技を始めて、ストレス解消以外にもうれしいことがあった。1つは頭の切り替えが楽になったことだ。翻訳が行き詰まった時など、ジムで気分転換をするといい訳がひらめくことがある。原稿を一晩寝かせて見直したいけれど時間がないという時にも有効だ。2つ目はムエタイをテーマにした映画や格闘技関連の番組の翻訳を担当させてもらったことだ。映像翻訳は「映像」というくくりであらゆるジャンルの案件がくる。一見、仕事とは無関係に思える趣味でも役に立つことがあるのだ。なじみがある分野は基礎知識がある分、内容を理解しやすいし調べ物も苦にならない。そして何より訳していて楽しい。
皆さんもぜひ、自分に合ったストレスの解消方法を見つけてほしい。もしかしたら、それが映像翻訳の仕事につながるかもしれない。
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Written by 満仲由加
本科講師。映像翻訳スクール部門スタッフ。
日本映像翻訳アカデミー修了後、日本語版制作会社で字幕制作、吹き替え版制作などに従事。その後、JVTAの就業支援部門「メディア・トランスレーション・センター(MTC)」のディレクターとして、J Sports、ナショナルジオグラフィックチャンネル、ディスカバリーチャンネルなどの担当を経て、現職。
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[JVTA発] 発見!キラリ☆ 12月のテーマ:再会
日本映像翻訳アカデミーのスタッフが、月替わりのテーマをヒントに「キラリ☆ と光るヒト・コト・モノ」について綴るリレー・コラム。修了生・受講生にたくさんのヒントや共感を提供しています。
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