【コラム】JUICE #9「余暇を過ごす」●日比野紅翠
ふと、あえて立ち止まってみようと思った。
仕事やプライベートに追われ、慌ただしい毎日を送っていたら、自分自身を見失っていくのを実感したのだ。一度きりの人生をこのまま汚してしまう感じが嫌になった。
時には自分をいたわり、心をリセットする時間があってもいいのではないか、そう思うようになった。
そこで私が出会ったのが“キャンプ”である。
アウトドアは疲れるし、虫に会いにいくようなイメージだったので自分には不向きなものだと思っていたが、キャンプなら疲れることは少ないし、冬なら虫に遭遇することもない。これなら自分にもできるのではないかと思った。
実際にキャンプをやってみての感想は「最高」だ。
【「朝日に染まる富士」@田貫湖キャンプ場】
なにが最高なのか、すべてを言葉にするのは難しい。
だが、自然に身を任せて、たき火をしながらコーヒーを飲み、暗くなったら明かりを消して眠りに落ちる。朝日が昇る前に起きて、富士山の向こうや、地平線の彼方から登る朝日を浴びる――
そんな、なにもしない時間がとても贅沢に感じた。今までこんなにも自然を感じたことはなかったと気づかされた。冬の澄んだ空気は冷たく感じるが、肺いっぱいに吸い込むととても落ち着く。普段は目も向けない「自然」に素晴らしさを覚えた。
スマホやパソコン、インターネットが必要不可欠な今、あえてそれらから離れてみるのはいかがだろうか。
もしかすると「忙しい毎日」からあえて離れることに抵抗を感じる人もいるかもしれない。そんな時間はないと思うかもしれない。ただ、今までとは違う一歩を踏み出すのは、いろんな意味で裏切りはしない。たまには心身ともにリラックスして過ごしてみるのもいい。
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Written by 日比野紅翠
ひびの・べにお●日本映像翻訳アカデミー・映像翻訳スクール部門スタッフ。日英映像翻訳科「総合コース」、英日映像翻訳科「実践コース」日曜集中クラス、「M-1ビザLA留学コース」を担当する。
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