【コラム】JUICE #50「私だけ? 意外と知らない日本文化・歴史」●梶村佳江子
“城めぐり”を昨年12月末に始めました!
考えてはいたのです。やろうかなぁ…。でも、なかなか1歩目が踏み込めず。
頭で考えて、「やりたいなぁ、いいなぁ~」。これ、実現しないパターンですよね。
行動してこその現実化。踏み込んでみるものです。何事も緊張はするけれど、新たなる発見、得るモノばかりなのですから。
目的は御城印を集める‼ もとい! 日本文化・歴史を見て知ること。
皆さんはどれくらい日本の文化・歴史を説明できますか? 道に並んでいるお地蔵さんの意味は? 神社の手水舎で手を洗う意味は? お正月飾りのいつ・なぜ飾るのか? お城ってどれくらいあるの?
小さい頃からなんとなく生活上、そこに存在し「お地蔵様が並んでいるなぁ」「神社ではこうするものだ」「お正月だから正月飾りを玄関に」と単なる生活の一部で、特に疑問をもったことはありませんでした(ただ興味がなかっただけなのだろうけど)。
だから、先ほど挙げた4つの質問、当たり前のごとく私は答えられませんでした。いまだに最後の城の数は知りません。
そして、日本文化や歴史の知識のなさを痛感する機会がたまに勃発します。それは海外の友達に会う時。質問されて答えられないと必ず言われる一言です。「日本人なのに分からないの?」「ここに住んでいるのに知らないの?」。ん~、また言われた。去年も久しぶりに言われたその言葉。だから、少しだけ教養を増やしてみようかと思案しておりました。
とはいえ、ただ本を読むよりも実際に見たり、体験したりした方が頭に残りやすい。そしてただ見に行くよりも何か目的がほしい。「また今度でいっかぁ~」とならないように。
だったら御城印を集めてみよう!
年末年始に地元・静岡に戻り、久しぶりに友達とランチ。何気なく言った“お城行く?”をきっかけに「どの城行く? 岡崎城? 掛川城?」。なぜか一番近い浜松城をすっ飛ばして提案された2つの城。残念ながら岡崎城はお休み。「城が休むんかい!」とそのまま第2案の掛川城に出発~! 本当にフットワークが軽い(笑)。そして突如始まった、私の城めぐりでした。
ちゃんと御城印(ごじょういん)も頂き気分も上々、掛川城の「二の丸茶室」でお茶と和菓子を楽しみながらスマホに「Castle Stamp」というアプリをインストールして登城を記録しました。
今年は出不精の私にとって、“行動の年”になりそうです。城めぐりという名の「学びのお散歩」兼エクササイズは運動不足にはちょうどいい。
今回訪れたお城の紹介:
~掛川城~
プチ情報:東海の名城と謳われた城
後に土佐一国(24万石)を与えられ高知城に移転した山内一豊が主な城主の一人。
NHK大河ドラマ「功名が辻」でも有名な人。
1つ目のお城は“掛川城”。令和元年12月30日“攻略”。
~浜松城~
プチ情報:三方ヶ原(みかたがはら)の合戦――元亀3年(1572)武田信玄と徳川・織田連合軍が激突した戦いは、敗戦直後の意気消沈した自画像を描かせるほど、家康の生涯で最大の敗戦といわれている。そんな家康が築城した浜松城。藩政260年の間に25代の城主が誕生した。在城中に幕府の要職に就いた者も多く、「出世城」と呼ばれている。
2つ目のお城は“浜松城”。令和2年1月2日“攻略”。
最初の質問の1つ、正月飾りについて少しだけ
正月の準備(しめ飾りや鏡餅)を飾るのは、12月28日までに。その後出すのは「一夜飾り」となってしまうので神様に失礼なのだとか。
「歳神様」の引き継ぎ期間で、飾られてないと「お迎え準備がなされていない」とみなされて来てくれないらしいです。徳川家康が「風水を駆使して見えない力を味方にしていた」といわれていたように、昔の日本人も生活の中で自然と見えない力や運を授かっていたのか、と感心しました。そして、せっかくならこれはやらなきゃもったいない。見えないけど、いただけるものはいただきたい! と少々欲が全面に…出ました。
歴史や日本文化が素敵に引き継がれるといいな
それにしても、最近では、しめ飾りを出す家がほとんどないような…。こうやって文化が消えていくのか、そして、その年の神様の運もいただけず過ごすのか…。なんだかもったいない。今年の年末はちゃんとやるぞ。ちゃんと正月をお迎えするとこうなるのだ、と知ることができた年末年始。このお正月行事だけでなくきっといろんな行事に意味ある。調べて体験してみるのも良し。まずは友達に説明できるようになりたい。そして、歴史や日本文化が素敵に引き継がれるといいな、と思う今日この頃でした。
参照:
土佐の人物伝
http://www.tosa-jin.com/yamanouti/yamanoui_01.htm
浜松城公園
https://www.entetsuassist-dms.com/hamamatsu-jyo/facility/history.html
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Written by 梶村佳江子
かじむら・かえこ●日本映像翻訳アカデミー・管理部門スタッフ。日本映像翻訳アカデミー(JVTA)修了生。
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