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【スタッフコラム】Fizzy!!!!! JUICE #35 赤ちゃんが笑うとき●小濱みなみ(スクール部門チーフ)

【スタッフコラム】Fizzy!!!!! JUICE #35 赤ちゃんが笑うとき●小濱みなみ(スクール部門チーフ)

甥っ子が1歳半を迎えた。
子どもは特段好きでも嫌いでもなかったが、甥っ子のことはかわいくてかわいくて仕方がない。
泣き顔がかわいい。物を床に投げる手がかわいい。笑い声と仕草に心を奪われる。「きゅんとする」とはこういうことなのか。ああ、愛おしい。
よく「子育てをすると、子どもから学ぶことがたくさんある」と聞くけれど、たしかに、甥っ子を見ているだけの私でも気づきがある。今回は最近の気づきを3つほど紹介したい。(子育てが大変な皆さん、のんきなことを言って申し訳ない。)


1.心と体はつながっている
甥っ子はお通じが上手くいかないと不機嫌になる。さっきまで喜んでいたオモチャを見せても、ぷいっとそっぽを向く。しかしお通じが上手くいくと、とたんにニコニコと上機嫌だ。
体の調子と心の調子は直結している。当たり前のことように思えるが、そのつながりを日常で意識することはあまりない。大人になると、疲れるまで体を酷使し、自分の機嫌が悪くなってはじめて「ああ、私、疲れているのかも」と気づく。普段から、もっと体の声に耳を傾けられたら、もっと心の声に素直に行動できたら、心と体の調和がとれるように思う。ニコニコ笑う甥っ子を見ながら、自分の胸に手を当ててそっと息を吸った。


2.興味は自分で見つける
8カ月を過ぎた頃の甥っ子は、私の変顔を見てよく笑った。高い声をあげて笑うのがかわいくて、次に会った時にもいっぱい変顔をしようと心に決めた。ところがどっこい、数カ月後に会ったとたんに泣かれ、私の存在に慣れても変顔には反応しない。私の顔に迫力が足りないだけかもしれないが、よく観察すると絵本やオモチャの「お気に入り」が変わったことに気づく。興味のあるものが変わったのだと、当たり前のことに感動を覚える。
私だって、海外ドラマや音楽の「お気に入り」は変わる。ただ、興味が湧くものに日々出会っているという感覚はそれほどない。よく周りを見渡せば、初めて見聞きする物事はすぐに見つけられるはずなのに、いつも同じ景色を見ている気がする。なんとも平坦な毎日だ。幼いころは自然と感じていた「これは何だろう?」。その一瞬の好奇心を見逃さず、自ら探してみよう。


3.転んでも意外と大丈夫
歩けるようになった甥っ子。まだよたよたしているのに、走りたくなるらしい。だだっと駆けて、どたっと転ぶ。すぐに泣き出すのかと思いきや、数秒固まる。いち、にい、さん…ここであわてて大人が駆け寄ると、はっと気づいたように泣き始める。ゆっくり落ち着いて近寄ると、意外と大丈夫。泣かない。立ち上がって、すたすた歩きだす。
仕事でうまく行かなかったとき、私生活で思うように物事が進まなかったとき、誰かに共感してもらえると、とても安心する。しかし、「つらい」という言葉を誰かと一緒に発し続けると、本当はそこまでつらくなかったはずのことにまで、心が重くなってくる。甥っ子がすくっと立ち上がるように、日常のハプニングには一呼吸おいてから落ち着いて立ち向かいたい。


以上、最近私がもらった3つの気づきだ。これらの気づきは、映像翻訳を学ぶうえでも役立つのではないか。翻訳の課題や仕事に追われると、心と体の声を聞くことが疎かになり無理を重ね、仕事中心の日々で視野が狭くなり、冷静に深呼吸することも忘れて心が重くなってしまうことがある。そんな時は赤ちゃんの笑顔を想像しながら、ぜひ上記3つの気づきを思い出してほしい。


さて、これだけの気づきをくれた甥っ子に、今度は何を持っていこう。絵本かな、オモチャかな、最近お気に入りのおやつは何だろう。この原稿を書いている間にも、姉から甥っ子の写真が送られてきた。うれしそうに木琴を叩いているではないか。ピアノも好きなようだったし、この子は音楽家になるのかしら。ああ、かわいい。のんきな叔母の愛は、今日もあふれてとまらない。


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Written by 小濱みなみ

こはま・みなみ●日本映像翻訳アカデミー・スクール部門チーフ。
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