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【スタッフコラム】Fizzy!!!!! JUICE #9
世界に広がる昭和歌謡●筆谷信昭(取締役 兼 ロサンゼルス現地法人 代表取締役)

【スタッフコラム】Fizzy!!!!! JUICE #9<br>世界に広がる昭和歌謡●筆谷信昭(取締役 兼 ロサンゼルス現地法人 代表取締役)

「真夜中のドア」という曲をご存じだろうか。正式名称は「真夜中のドア〜Stay With Me」、1979年にリリースされた松原みきのデビューシングル、最高位週間28位、売上10万枚のスマッシュヒット。▶松原みき「真夜中のドア」(YouTube)

ラジオではよくかかったそうだが、1966年生まれの自分はまだ中1で深夜放送にはまだ早く、同期生でも知らない人のほうが多い。実際自分も最初に知ったのは大学生の頃。すぐ気に入って繰返し聴いたものだ。

しかしこの曲が40年の時を経た今世界のあちこちで大ヒットしている。松原みきさんは悲しいことに子宮頸がんで2004年に早逝しているのにもかかわらずだ。海外を中心にSpotifyで直近1年間で460万回、Apple Musicでも100万回以上再生された。

ロサンゼルスで昭和歌謡DJをしている米国の友人Gregさんに尋ねてみたところいくつかの理由を教えてくれた。ちょうど竹内まりやのPlastic loveが人気となり受入れ基盤があったこと、NIGHT TEMPOというオンラインで昭和歌謡を紹介するDJの存在、インドネシアの若い女性RainychがカバーしたものがSNSで広く拡散されたこと(特にTikTokの力が大きい)等々。
▶【Rainych】 Mayonaka no Door / STAY WITH ME – Miki Matsubara | Official Music Video

Gregからは「歌詞が日本語のままでも何も問題はない」とのコメントも。もちろん楽曲とアレンジの良さがあればこそで、30台前半の彼曰く、全く古さを感じさせないそう。考えてみれば我々日本人も洋楽を聴く時に歌詞を全て理解している訳ではない。とはいえ日本のお家芸のアニメ漫画ゲームと比べると国境や言語を超えにくそうな昭和歌謡の楽曲が、欧米やアジアの若い世代に愛されるようになったのは嬉しいことだ。最近はこの曲以外でも、先に書いた竹内まりや、その夫の山下達郎、意外なところでは菊池桃子のアルバムが人気を呼んだりもしている。個人的に大好きなオフコース、チューリップ、ユーミン、甲斐バンド、THE ALFEE、REBECCA、村下孝蔵なども幅広く聴かれて欲しいものだ。

アニメだけでなく音楽がきっかけで日本文化や日本語に興味を持ち始める外国の若い人も多い。こうして日本のファンが増えているのは素晴らしいことだと思う。
コロナの影響で訪日外国人は激減したままだが、ネットを通じ日本ファンを広げてゆくことに、この2021年JVTAとしても私個人としてもお手伝いする機会を増やしていきたい。

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Written by 筆谷信昭

ふでたに・のぶあき●日本映像翻訳アカデミー取締役 兼 JVTA, Inc(ロサンゼルス現地法人)代表取締役。
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「Fizzy!!!!! JUICE」は月に1回、SNSで発信される、“言葉のプロ”を目指す人のための読み物。JVTAスタッフによる、示唆に富んだ内容が魅力です。一つひとつの泡は小さいけど、たくさん集まったらパンチの効いた飲み物に。Fizzy! なJUICEを召し上がれ!
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