Tipping Point Returns Vol.17 人に備えよ
今年の大型連休も「ステイホーム」が求められている。
とはいえ世の中はどうだ。駅や空港の人出はコロナ禍以前の2割程度とは言うが、昨年の今頃に比べれば、街も行楽地もそこそこ賑わっているようだ。ワイドショーは「我慢のGW」などと報じる一方で、論調にはどこか(我慢はもう限界。外に出るのも人に会うのもしょうがないよね)という視聴者におもねる姿勢が漂う。
それでも、このコラムを読む皆さんには「正しい道を選ぼう」と呼びかけたい。動かない、直接人と交わらない。それを我慢だの心が痛むだのと、いったい誰が決めたのか。ステイホームに徹するという正しい選択をしたうえで、だからこそできることを探し、前を向いて過ごしたい。
一人で過ごす時間に何をするか。勉強?趣味?映画を観て、本を読んで…。それはもちろんわかっているし、これまでもそうしてきたよという人に、一つ、加えてほしいことがある。「人に備える」という時間だ。
「人に備える」とはどういうことか。私の例で話してみたい。打ち合わせや会議、誰かを訪ねたり訪ねられたりする際に、事前に準備をするのは当然だ。これまでそうやって過ごしてきたし、問題はなかった。しかし、テレワークの時間が増えるにつれ、一つの疑問が湧き上がってきた。(これから臨む打ち合わせに、自分はほんとうに十分な準備を尽くしたのか。相手の立場になって、相手が求めるものを考え抜いたのか。それをどのように伝えたら受け入れてもらえるか、アイデアを尽くしたのか…)。
答えはNOだった。
仕事の成否を分けるようなプレゼンなどは除いて、近年の自分を振り返ると、ほとんどの会議や話し合いは「そこそこの備えで、そこそこのテーマについて、そこそこ話し合い、そこそこの結果を得るようなもの」で占められていた。怠けていたという認識はない。時間がなかった(と信じていた)のだ。忙しい、忙しい、時間がない、時間が足りない、と。
これではダメと思った。徹底できてないことで良い結果が得られるはずがない。それを分かっているつもりで、日常茶飯事として受け流していたのだ。つまり、分かっていなかった。そんな緩みで失ったもの、得られるはずだったものがあるかと思うと胸が痛い。
足りなかったのは、相手を思い、求めるものを感じ取ること。それを丁寧に言葉や資料にすること。そしてできるだけ真っすぐに伝わるように工夫することだ。「それなりに」では足りない。徹底してやるのだ。それが「人に備える」ということだ。
そして今、私たちには時間がある。
連休が明けて、いつも会うあの人(たち)、いつもの会議。会ってみたい人、伝えたいアイデア。これまでと同じというのはもったいない。ぜひ人に備えることにたっぷり時間を費やしてほしい。
人に備える時間は裏切らない。増やせば必ず良い結果となって返ってくる。私が身をもって経験したことだ。
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Tipping Point~My Favorite Movies~ by 新楽直樹(JVTAグループ代表)
学校代表・新楽直樹のコラム。映像翻訳者はもちろん、自立したプロフェッショナルはどうあるべきかを自身の経験から綴ります。気になる映画やテレビ番組、お薦めの本などについてのコメントも。ふと出会う小さな発見や気づきが、何かにつながって…。
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