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マナーが紳士を作る!『キングスマン』の予告編

マナーが紳士を作る!『キングスマン』の予告編

【最近の私】『ロッキー』シリーズ最新作『CREED(原題)』の予告編を見ました。日本公開は12月。早く観たい!!! 

2015年はシリーズ映画が多いと先日当コラムで書いたが、実はスパイ映画が多く公開される年でもある。現在公開中の『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』、往年のTVシリーズ『0011 ナポレオン・ソロ』の映画化『コードネームU.N.C.L.E』。そして12月に公開されるジェームズ・ボンド最新作『007 スペクター』などだ。そんなスパイ映画の中から、今回は『キングスマン』の予告編を紹介したい。
 

予告編は、ロンドンの高級テイラー“キングスマン”から始まる。その店で働く紳士ハリー(コリン・ファース)。場面がパブらしき店に切り替わると、ハリーは柄の悪い男たちに「マナーが紳士を作る。意味が分かるか?」と言うと、あっという間に男たちを倒す。さらに銃を向けられると、持っていた傘をさっと開いて弾丸をよける。ハリーの裏の顔は、どこの国にも属さないスパイ機関“キングスマン”の一員なのだ。新人をスカウトする任務を受けたハリーは1人の若者エグジーをスパイとして養成しようとする。
 

『英国王のスピーチ』でアカデミー賞を受賞したコリン・ファースが、今回珍しくアクション映画に出演している。彼のビシッとスーツを着こなした紳士然としたたたずまいと、ど派手なアクションのギャップが面白い。また、今回の予告編には、ナイフが仕込まれた靴や手りゅう弾になるライターなど、さまざまな秘密兵器が登場する。これを見て思ったのは、かつてのジェームズ・ボンド映画へのオマージュという点だ。ボンド映画では、背負って空を飛ぶ装置ジェット・パックや、光学迷彩で透明になる車など、数々の秘密兵器が出てきた。だが『ボーン・アイデンティティー』シリーズに見られるリアルなアクションが流行となったためか、ボンド映画もダニエル・クレイグがボンド役になった『007/カジノ・ロワイヤル』から路線を変更。秘密兵器は控えめになり、その代わりにリアルなファイトシーンやCGを排したカーチェイスが増えた。
 

予告編を観る限り、監督マシュー・ヴォーンは、紳士役者コリン・ファースを主演に迎えて、多くの秘密兵器が登場する往年のボンド映画のような作品を目指したのではないか。さらに単なる懐古主義にならず、過激なバイオレンスアクション描写も加え、新しいスパイ映画を作り上げたように感じる。スパイとして育てられる青年エグジーを演じるタロン・エガートンもいい味を出している。エグシーはコードネームとしてJBを選ぶが、「それはジェームズ・ボンドかジェイソン・ボーンの略か?」と上司から聞かれ、「ジャック・バウアー」と答える。人気ドラマ『24 ―TWENTY FOUR-』の主人公の名前を使うのはいかにも現代っ子っぽい。
 

悪役だって強烈だ。常にキャップを被っているヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)は「人類が増えすぎたんだ。俺が減らしてやる」と、人間たちを凶暴化し、殺し合いをさせるという計画を立てる。ヴァレンタインの部下である女性ガゼルも、両足に刃を仕込んだ義足をつけた殺人マシーンだ。ガゼルがキングスマンと戦うシーンも、「キレッキレのアクション映画」という本作のコピーにふさわしい。キングスマンは人類抹殺計画を防ぐことができるのか。結果は映画館で確認してきます!
 

今回注目した予告編:『キングスマン』
監督:マシュー・ヴォーン
出演:コリン・ファース、マイケル・ケイン、タロン・エガートン
9月11日より公開中
公式サイト
http://kingsman-movie.jp/
 

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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!