News
NEWS
戦え!シネマッハ!!!!inCO

子どもたちよ、遊びの時間は終わりだ!『COP CAR/コップ・カー』の予告編

子どもたちよ、遊びの時間は終わりだ!『COP CAR/コップ・カー』の予告編

【最近の私】ハリソン・フォード主演の『インディ・ジョーンズ』新作が製作されることに。ハリソンは公開予定の2019年7月には76歳。元気ですね~。
 

自分が気になる俳優の1人に、ケヴィン・ベーコンがいる。彼は1984年の青春映画『フットルース』に出演してブレイク。その後、『アポロ13』(1995年)『スリーパーズ』(1996年)などを経て実力派となっていく。だが一方で『インビジブル』(2000年)『ワイルドシングス』(1998年)で悪役も演じるようになった。今回はそんなケヴィンの新作『COP CAR/コップ・カー』の予告編を紹介したい。
 

予告編は、2人の少年が森で無人のパトカー(しかもキーまで付いていた)を発見する場面から始まる。「車の運転したことある?」「ああ、マリオカートでね」「僕も」と少年たち。2人はパトカーを道路で運転し「オレたちのコップ・カーだ!」と大喜びする。
 

そこに無線が入る。「ガキども、遊びは終わりだ」。2人はまだ知らない。この車の持ち主のヤバさを。そう、この車はケヴィン・ベーコン演じる恐怖の保安官ミッチのコップ・カーだったのだ。ミッチはパトカーで死体を森に運び、穴を掘って埋めた。そして、パトカーを止めた場所に戻ったところ、車がなくなっていた。「イタズラだったで済むと思うなよ」と怒り心頭のミッチ。ミッチは保安官でありながらドラッグを常用し、殺人まで犯す、本物の極悪人だったのである。
 

「トランクの中を見たか? 答えろ!」と迫られ、少年たちがトランクを開けようとする…。何が入っているのかは予告編では明かされない。死体以外にも、まだ何か入っているのか? ミッチは叫ぶ。「その車は俺のコップ・カーだ!」。
 

本来は人を守る保安官が、悪党だったという話は、『コップ・カー』以外でも数多くの作品に登場してきた。例えば私の悪役コラムで紹介した『レオン』のゲイリー・オールドマン、『トレーニングデイ』のデンゼル・ワシントン。また、香港映画『インファナル・アフェア』では、アンディ・ラウ演じる警官が、実はマフィアだったという設定だった。ちなみに『インファナル・アフェア』をアメリカでリメイクしたのが『ディパーテッド』である。他にもまだまだあるが、「正義の味方=悪」という設定は、極上のサスペンスを生み出す。悪どい警官が登場する映画はこれからも作られ続けていくのではないだろうか。
 

『コップ・カー』は、「止めてあったパトカーを運転したら…」というシンプルな設定が大変な結果を招く展開になるらしい。本作のジョン・ワッツ監督の前作『クラウン』も、「呪われたピエロの服を主人公が着たら…」というアイディアから生まれたホラー映画だった。ワッツ監督はちょっとした発端から、惨事に見舞われる主人公を描くストーリーが得意なようだ。『クラウン』も、子どもに好かれるべきピエロが、子どもを襲う悪魔になるという展開で、善と悪が入れ替わる点が『コップ・カー』の保安官と共通している。『コップ・カー』で注目を浴びたのか、ワッツ監督の次回作は何と『スパイダーマン』新シリーズだという。彼もまた、これから注目のクリエイターになるかもしれない。
 

ほんのイタズラから始まった、1台のパトカーを巡る保安官と少年の追跡劇。どんな結末を迎えるのか、劇場で確認してきます!
 

今回注目した予告編:『COP CAR /コップ・カー』
監督:ジョン・ワッツ
出演:ケヴィン・ベーコン、ジェームズ・フリードソン=ジャクソン、
ヘイズ・ウェルフォード
公式サイト:http://cop-car.com/#top
 

—————————————————————————————–
Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
—————————————————————————————–
 

戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!