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家の中にワニがいます! 『クロール-凶暴領域-』の予告編

家の中にワニがいます! 『クロール-凶暴領域-』の予告編

【最近の私】『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を観ました。タランティーノ監督の映画愛あふれる作品で堪能しました。

 
動物に人間が襲われるサバイバル映画は、これまで多数作られてきた。ヒッチコック監督の『鳥』(1963年)では無数の鳥たち、『JAWS/ジョーズ』(1975年)の巨大サメ、『アナコンダ』(1997年)での大蛇など、さまざまな生き物がスクリーンで大暴れしている。今回は、サバイバル映画の新作『クロール-凶暴領域-』の予告編を紹介したい。

 
予告編の冒頭は、フロリダ州にハリケーンが襲来し、住民に避難するよう呼び掛けるシーン。その地域の家に、大学の競泳選手であるヘイリー(カヤ・スコデラリオ)が帰る。父親デイブ(バリー・ペッパー)を探すが、姿は見えない。自宅の地下室に行くと、そこに意識を失った父親が。そして背後から、何かが襲いかかってきた。その正体は巨大ワニ。しかもそのワニたちは大量に発生しているらしい。ハリケーンで浸水した街がワニたちのテリトリーとなり、人間たちを襲うという、最悪の状況になります。そして徐々に浸水していく家の中で、親子のサバイバルが始まった…。

 
本作の監督はアレクサンドル・アジャ。フランス出身でホラー『ハイテンション』(2003年)で注目を浴びる。その後はアメリカに移り、『ヒルズ・ハブ・アイズ』(2006年)を監督。『ピラニア』(1978年)のリメイク『ピラニア3D』(2010年)のメガホンも取る。『ピラニア3D』も魚が人間を襲うサバイバル映画であった。そして製作総指揮はサム・ライミ。『死霊のはらわた』(1981年)や『スパイダーマン』シリーズ(2002年~2007年)を監督。また製作者としては、日本のホラー『呪怨』(2002年)のハリウッド版リメイク『JUON/呪怨』(2004年)で製作総指揮を務めたほか、『ドント・ブリーズ』(2016年)もプロデュースしている。

 
『クロール』の予告編を観ると、先に挙げた動物パニックに加え、災害映画の要素もある。災害映画とは、その通り台風や水害など自然の脅威に逃げる映画である。巨大竜巻を記録するチームが登場する。『イントゥ・ザ・ストーム』(2014年)、豪雨で街が沈没する『フラッド』(1998年)などがあります。

 
もうひとつ、この作品にはシチエーション映画としての一面も備えている。シチュエーション映画とは、ある限定された空間で展開する物語である。低予算だが、アイデアで勝負する作品が多い。代表的なのは『ソウ』(2004年)や『CUBE』(1997年)が思いつくだろうか。『クロール』も予告編を観るかぎりでは、家の中で物語の大半が展開すると予測できる。

 
サム・ライミがプロデュースした『ドント・ブリーズ』は、盲目の男性の家に強盗に入った若者3人が恐怖の体験をするサスペンスで、家の中という設定での秀逸なシチュエーション映画といえる。まだ観ていない人がいれば、おすすめします。かなり怖いですよ。

 
『クロール』は、災害+動物パニック+シチュエーション映画という要素を合わせ、さらにアレクサンドル・アジャとサム・ライミという、ホラーとサスペンスの名匠がタッグを組んだので、怖くないわけがないです。ヘイリーとデイブの親子は無事に生き残ることができるのか? 結末は、映画館で確認してきます!

 
今回注目した予告編
『クロール-凶暴領域-』
監督:アレクサンドル・アジャ
製作:サム・ライミ
出演:カヤ・スコデラリオ、バリー・ペッパー
2019年10月11日より公開
公式サイト:https://crawlmovie.jp/

 
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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!

 
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