ようこそ、地上600mの絶望へ 『FALL/フォール』の予告編
【最近の私】『インディ・ジョーンズ』新作の予告編を観ました。過去のシリーズを思わせる予告編で、楽しみです。
映画には、高い場所で物語が展開する作品がある。例えば、山の中で主人公が孤立してテロリストと戦う『クリフハンガー』(1993年)、また超高層ビルを舞台に、主人公の警官が孤軍奮闘する『スカイスクレイパー』(2018年)などが思いつく。今回はその中から、『FALL/フォール』(2022年)の予告編を紹介したい。
予告編は、主人公2人の女性ベッキー(グレイス・フルトン)とハンター(ヴァージニア・ガードナー)が、とある場所に向かう場面から始まる。「今日は、とんでもない企画に挑戦します」と。行く場所は、規格外に高いモンスタータワー、テレビ塔だ。その高さは、何と600メートル。彼女たちは、2人でこのタワーの頂上を目指すという。ハンターは「心配しないで」と言うが、普通は心配しますけど。ちなみに、東京スカイツリーは高さ634メートルで、ほぼあのタワーに登るのと一緒である。
2人がこの塔に登るのには、理由があった。1年前に山でのフリークライミングで、夫を落下事故で亡くしたベッキーは、いまだに悲劇から抜け出せないでいた。そこで、友人のハンターが、新たにクライミングの計画を立てた。ハンターは、ベッキーを立ち直らせようとしているのだ。…ちょっと待ってください。こんな塔に登ることで夫を亡くしたトラウマから逃れることができるか?
2人はテレビ塔を登り始める。鉄製の古びたハシゴを使い、頂上を目指して登っていく。ハシゴは劣化しており、かなり不安になる。登っている途中で、2人は下を見る。高所恐怖症の自分からすると、こんなタワーに登ることすらありえない。さらに途中で下を見るなんて、それだけで眩暈がします。
2人は頂上に到達する。だがその時、ハシゴのネジが外れて、2人は落下していく。命綱をつけていたので一命をとりとめるが、ハシゴが崩れて、2人は頂上に取り残されてしまう。降下することは不可能だ。タワーは砂漠の真ん中にあり、誰にも見つかることはない。さらに、スマホも圏外になり、使用はできない。ケータイが圏外になり、主人公たちが孤立してしまうのは、ホラーやサスペンス映画ではお約束の展開ですね。さらに、水がない。
食糧なし…電波なし…充電なし…そして救助なし…。絶望的である。
ここで、「『海底47m』のスタッフが贈る、新たな恐怖」のナレーションが入る。『海底47m』(2017年)は、水深47メートルの海に沈んだ檻に閉じ込められた姉妹が、人食い鮫に襲われる恐怖を描いたパニック映画である。この作品はヒットを記録。続編『海底47m 古代マヤの死の迷宮』(2019年)が制作された。
場所を限定したサスペンス映画というと、低予算だが、様々な危機的状況にあう作品がある。例えば『[リミット]』(2010年)は、地下に埋められた箱に閉じ込められた主人公が、何とかして助かろうとする物語だった。今回も、タワーの頂上に残されたベッキーとハンターが、サバイバルしようと知恵を絞るストーリーになっているようです。2人が無事に助かるのかどうか、映画館で確認してきます!
今回注目した予告編
『FALL/フォール』
監督:スコット・マン
出演:グレイス・フルトン、ヴァージニア・ガードナー
2023年2月3日より公開
公式サイト:
https://klockworx-v.com/fall/#smooth-scroll-top
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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!
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