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【悪役コラム】ホラー映画の殺人鬼が対決!『フレディVSジェイソン』

【悪役コラム】ホラー映画の殺人鬼が対決!『フレディVSジェイソン』

【最近の私】今年のアカデミー賞は『ラ・ラ・ランド』と、メル・ギブソン久々の監督作『ハクソー・リッジ』が気になります。どちらも早く観たいです。
 

映画には対決ものと呼ばれる作品がある。別々の作品に単体で登場したキャラクターたちを1本の映画の中で対決させる内容だ。邦画では『キングコング対ゴジラ』、洋画では『エイリアンVS.プレデター』などがある。今回はホラー映画の殺人鬼が対決する『フレディVSジェイソン』に登場した2人の悪役を紹介したい。
 

ジェイソンは『13日の金曜日』シリーズに登場したキャラクター。キャンプ場で溺死した男の子が蘇り、アイスホッケーのマスクを付け、そのキャンプ場に来る若者たちを血祭にあげていく。同シリーズ『ジェイソンX 13日の金曜日』でジェイソンは宇宙にまで飛んでいった。一方フレディは『エルム街の悪夢』シリーズに登場する悪役だ。子どもばかりを狙った殺人犯だったため、エルム街の住人に焼き殺されてしまう。しかしその後、フレディは蘇り鋭い鉄のツメを付け、人の夢の中に現れるようになる。夢の中でその人が殺されると、現実でも死んでしまうという恐ろしい設定で、こちらも続編やリメイクが製作されている。
 

『フレディVSジェイソン』では、エルム街に住む人はフレディの悲劇を思い出さないことで、平和な生活を取り戻していた。しかし忘れ去られることに危機感を覚えたフレディはジェイソンを蘇らせて彼を操り、エルム街で若者たちを殺害させる。やがて警察官や昔からの住民たちは「フレディが蘇ったのでは?」と疑い、再び恐れるようになる。フレディとジェイソンに共通しているのは、若者がターゲットである点だ。特に酒を飲んでタバコを吸い、ドラッグをやる高校生たちを標的にする。本作でもジェイソンが屋外イベントで集まった若者たちをナタで殺しており、その姿は「悪い子はいねえか」のなまはげをハードにした感がある。
 

やがて若者たちがフレディの存在を意識するようになると、フレディも「そろそろ俺の出番だな」と自らも若者を狙おうとする。だがジェイソンがますます暴れ、どんどん犠牲者が増えていく。フレディは「俺の獲物に手を出すな」と怒るが、ジェイソンを抑えることができなくなり、2人はついに直接対決となる。本作では、夢の中で活動するフレディと、現実世界で殺人を繰り返すジェイソンがいることで、登場人物たちは現実でも夢の中でも逃げ場がなくなっていく。追い詰められた主人公は、夢の中でフレディを捕まえた状態で目を覚ますことでフレディを現実世界に引きずりだす作戦を実行しようとする。それを聞いた警察官が「そんなことが可能なのか?」と言うと、若者が「なんでもアリなんだよ! 常識で考えるな」と答えたのは笑えた。そう、このジャンルの映画は何でもアリなんですよ!
 

ジェイソンとフレディの対決も、第1戦は夢の中、第2戦は現実世界と、舞台を変えて戦うなど、趣向をこらしていている。本作では2人とも殺人鬼だが、自分はフレディよりもジェイソンを応援していた。観る人によっては、どちらのキャラに思い入れがあるかは変わるかもしれない。『13日の金曜日』と『エルム街の悪夢』をシリーズで何本か観ている人なら分かるネタもあり、楽しめる(もっとも1作も観ていない人はこれを観ないと思うが…)。最後にどちらが勝つのかは、ぜひ本編を見てください。
 

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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!