News
NEWS
戦え!シネマッハ!!!!inCO

海にひとりぼっち、そばを泳ぐのは…。『ロスト・バケーション』の予告編

海にひとりぼっち、そばを泳ぐのは…。『ロスト・バケーション』の予告編

【最近の私】『デッドプール』は異色のヒーロー映画で楽しめました。80年代によく聴いた「ワム!」の曲が最後に流れて、感動しました。

 
映画には「登場人物がほぼ1人だけ」という作品がある。例えば、登山家が岩と岩の間に挟まれて動けなくなる『127時間』、地中の棺桶に閉じ込められた男を描く『[リミット]』。また去年公開された、主人公が運転する車の中だけで物語が進む『オン・ザ・ハイウェイその夜、86分』などがある。そんな「登場人物ほぼ1人映画」の中から、今回はこの夏に公開される『ロスト・バケーション』を紹介したい。
 

予告編は「この夏、スピルバーグの傑作『ジョーズ』以来の“本格的サメ映画”が遂に誕生!」のテロップで始まる。「サメ映画」といえば、まず1975年にスティーヴン・スピルバーグが監督した『ジョーズ』が思いつく。サメをなかなか見せない“じらし”の撮り方、ジョン・ウィリアムズの音楽が恐怖描写をさらに盛り上げており、自分は小学生の時にテレビでこの映画を観て、大いに怖がった記憶がある。『ジョーズ』は続編が3本作られるヒット・シリーズとなり、その後多くのサメ映画が製作された。他に、高度な知能を持った凶暴なサメが登場する『ディープ・ブルー』(1999年)、サメの群れが泳ぐ海原に残されたダイバー夫婦の恐怖を描いた『オープン・ウォーター』(2004年)などがある。
 

予告編に戻る。主人公の医学生ナンシー(ブレイク・ライブリー)は、サーフィンをしている時にサメに襲われ、近くの岩場に逃げる。海岸まではそう離れていない。だがすぐ近くをサメが泳いでいる。ナンシーを助けに来た男も、サメの餌食に…。
 

海岸までは約200メートル。しかも、潮が満ちてきて残された時間はあと100分。おそらく、映画の上映時間と物語の時間経過が同じという展開になるのでは。こういう作品は過去にもジョニー・デップ主演の『ニック・オブ・タイム』などがあった。しかし、ナンシーはただ死ぬのを待ってはいない。医学の知識を生かし、わずかな持ち物を使って満ち潮の時間を計る。さらに、岩場を中心にぐるぐると回るサメの旋回のパターンを調べ、近くのブイまでたどり着く。ナンシーは言い放つ。「死んでたまるか」。
 

本作の監督のジャウマ・コレット=セラは、これまで『アンノウン』『フライト・ゲーム』といったサスペンスアクション映画を撮り、知性派俳優のリーアム・ニーソンをアクション俳優としてブレイクさせた。飛行中のジェット機の中でテロリストと戦う『フライト・ゲーム』は、限られた空間でのストーリーという点で、『ロスト・バケーション』と共通している。
 
この作品でセラ監督は、TVドラマ『ゴシップガール』で人気を博したブレイク・ライブリーの“サスペンス女優”としての新たな一面を見せてくれるかもしれない。あとはブレイクが水着で出ずっぱりというのもポイントですね。ちなみに、先述の『[リミット]』で棺に閉じ込められた主人公を演じたライアン・レイノルズは、私生活でブレイク・ライブリーの夫。夫婦でこうした「登場人物限定サスペンス映画」に出るのは、ちょっと面白い偶然だと思う。
 

予告編は「衝撃の続きは劇場で」で終わる。どんな展開が待っているのか、映画館で確かめてきます!
 

今回注目した予告編:『ロスト・バケーション』
監督:ジャウマ・コレット=セラ
出演:ブレイク・ライブリー、サメ
7月23日公開
公式サイト:http://www.lostvacation.jp/splash/
 

—————————————————————————————–
Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
—————————————————————————————–
 

戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!