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復讐に燃える犯罪者 ニコラス・ツェー in 『レイジング・ファイア』

復讐に燃える犯罪者 ニコラス・ツェー in 『レイジング・ファイア』

【最近の私】『ロッキー4/炎の友情』(1985年)が、スタローン監督が再編集して『ロッキーVSドラゴ ROCKY Ⅳ』として8月に公開されることに。これは観たいです。
 

「昨日の友は今日の敵」という言葉がある。映画の中には、この言葉のように、それまでは仲間だったが、現在は敵対する関係になる展開が見られる。昨日の敵は今日の友というパターンもあるが…。今回は『レイジング・ファイア』(2021年)で、ニコラス・ツェーが演じた悪役を紹介したい。
 

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※『レイジング・ファイア』公式サイトより
https://gaga.ne.jp/ragingfire/
 

舞台は香港。警官チョン(ドニー・イェン)は、麻薬組織を逮捕するために部下を連れて麻薬取引の現場に向かう。だが逮捕作戦の途中に、仮面をかぶった武装グループに襲撃を受け、チョンは仲間を殺害されてしまう。その武装グループは、元香港警察の警官たちで、リーダーはかつてのチョンの部下だったンゴウ(ニコラス・ツェー)だった。
 

ンゴウたちは4年前、銀行の会長が誘拐された事件を捜査している時、警察副総監から「どんな手を使ってでも犯人を捕えろ」と命令を受ける。そのため、誘拐の容疑者を取り調べている時に誤って殺害してしまう。その後、ンゴウを含む警官5人は裁判にかけられるが、副総監に「どんな手を使ってなど指示していない」と見捨てられる。服役中も、じぶんたちが逮捕した犯罪者に復讐され、顔に傷を負うンゴウ。出所後、ンゴウたちは自分たちを陥れた警察に対して復讐を誓う。
 

ンゴウ率いる犯罪グループは、冒頭の襲撃事件を手始めに、大量の武器を準備して警察への復讐を遂行する。ンゴウは仲間に「もしミスをしたら、それが神だとしても許しはしない」と言う。その言葉通り、計画を失敗した人間に対しては冷酷な面を持っている。
 

ンゴウを演じるニコラス・ツェーは、1980年に香港で生まれる。7歳でバンクーバーに移住し、英語が堪能だ。また、芸能活動を始めてからは、一時埼玉県に住んでいたこともある。ニコラスは『ジェネックス・コップ』(1999年)で注目され、『レイジング・ファイア』の監督ベニー・チャンが手がけた『香港国際警察/NEW POLICE STORY』(2004年)でジャッキー・チェンと共演する。ベニー監督作品にはその後も『インビジブル・ターゲット』(2007年)、『新少林寺/SHAOLIN』(2011年)と出演を続ける。『インビジブル・ターゲット』ではかなり過激なアクションを自身で挑戦しており、かなりハラハラした覚えがある。ちなみにドニー・イェンとは『かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート』(2006年)以来の競演となる。
 

ニコラスが2000年代に作品に出ていたころは、ジャッキー・チェンを次の世代となるアクション俳優になるのではと予測していた。だが『ビースト・ストーカー 証人』(2008年)で暗い過去を持つ刑事、『密告・者』(2010年)では囮捜査に巻き込まれる元犯罪者など、陰りのあるキャラクターも増えていく。そして、ニコラスも40歳を超えて、アクションだけではなくその年齢に応じた人物を演じられる俳優になった。『レイジング・ドラゴン』はもちろん迫力ある銃撃戦やカーチェイス、それにドニーの格闘シーンも見ものだ。だが、ニコラスが円熟味も加わって演じた悪役も、見どころのひとつになっている。かつては仲間だった男たちの戦いを見届けてほしいです。
 
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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!
 
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