優しき隣人はサイコパスだった! オクタヴィア・スペンサー in 『マー -サイコパスの狂気の地下室-』
【最近の私】『ミッション:インポッシブル』シリーズ新作の予告編を観ました。トムが自身で危険なアクションに挑む姿は、かつてのジャッキー・チェンみたい。公開が楽しみです。
俳優はヒット作で演じた役や、同じようなキャラクターを続けて演じることで、特定のイメージがつくこがある。だが、時には意外な役に挑戦する俳優もいる。今回は『マー -サイコパスの狂気の地下室-』(2019年)でオクタヴィア・スペンサーが演じたキャラクターを紹介したい。
物語は、夫と離婚したエリカ(ジュリエット・ルイス)が、故郷のオハイオ州に娘マギー(ダイアナ・シルヴァース)と一緒に引っ越す場面から始まる。マギーは転校した高校ですぐに友人もでき、同級生4人とパーティを行うことに。だが高校生なので店で酒を買うことができない。そこで、店の前で通りがかる人に酒を買ってほしいと頼む。日本では未成年者が見知らぬ大人に酒を買ってほしいと頼むことはあまりないだろう。だが、海外では酒やたばこを買ってほしいと大人が頼まれることはあるようだ。皆さん、頼まれても買ってはだめですよ。
そこで通りかかったのが、スー・アン(オクタヴィア・スペンサー)だ。彼女は高校生たちの頼みを聞き、酒を購入する。その酒をマギーたちが人けのない屋外で飲んでいたところ、警察官が来て飲酒がばれてしまう。だがマギーの仲間の1人の父親(ルーク・エヴァンス)が元警察官だったので、マギーたちは注意だけで放免となる。実は、マギーたちが飲酒しているのを密告したのはなんと、スー・アンだった。
今回は助かったが、また外で酒を飲み警察に見つかることを心配するマギーたち。だが、スー・アンは、自分の家の地下室を高校生たちに開放することを提案する。あっという間に、若者たちの間でスー・アンの家は有名になり、彼らの集まる場になる。
スー・アンは、一見優しい女性に見えるが、徐々に違う一面を見せるようになる。彼女はマギーたちに名前をインターネットで検索し、SNSで個人情報を集めていく。なぜそうするのかはここでは言えない。今の若い人たちは自分のプライベートや顔写真をSNSで公開しているので、他人がいろいろな情報を知ることができる、恐ろしい時代です。
オクタヴィア・スペンサーは1970年生まれで、映画デビューは『評決のとき』(1996年)。その後はTVドラマ『ER緊急救命室』『X-ファイル』や『25年目のキス』(1999年)などの映画で端役を務めている。長い下積みの後、2011年に『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』で高い評価を得て、アカデミー助演女優賞を獲得する。以降は『ドリーム』(2016年)や『シェイプ・オブ・ウオーター』(2017年)に出演している。
オクタヴィアは、外見や雰囲気から「心優しい人」のイメージが強い。本人もそのイメージを一新したかったのか、『マー』では出演のみならず製作総指揮も兼任している。一見優しそうな女性が、実は恐ろしかったという展開は、演じる側としても、やりがいがある役ではないだろうか。今までのオクタヴィアとは違った一面が観られる作品ですので、興味を持った方はぜひ。
—————————————————————————————–
Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
—————————————————————————————–
戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!
バックナンバーはこちら
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
◆【入学をご検討中の方対象】
映像翻訳のことが詳しくわかる無料リモートイベントへ!※英語力不問
※詳細・お申し込みはこちら
◆【映像翻訳をエンタメのロサンゼルスで学びたい方】
ロサンゼルス校のマネージャーによる「リモート留学相談会」
※詳細・お申し込みはこちら