ビールを飲んでゾンビの世界を生き抜け『ショーン・オブ・ザ・デッド』の予告編
【最近の私】来年公開の『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の予告編が公開されました。トムのスタントも相変わらずすごいですが、これがシリーズの「ファイナル」になるのか、気になります。
最近はリバイバル上映が増えている。1970年代~2000年代のヒット作・名作はファンが多く、大きなスクリーンで観たいという人が多いからではないか。今回はそのリバイバル作の中から、イギリス映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004年・以下『SOD』と略)の予告編を紹介したい。
ロンドンの電気量販店に勤務しているショーン(サイモン・ペッグ)は、同居している友人エド(ニック・フロスト)とゲームで盛り上がり、またパブで飲むことを楽しみにしている。そのため、恋人リズから愛想を尽かされてしまう。リズに振られてやけ酒を飲みすぎた翌朝、ショーンが目を覚ますと、街中にゾンビがあふれていることに気づく。テレビでも「ゾンビを倒すには頭部を破壊するしかない」と物騒なニュースが流れている。
そしてショーンとエドの自宅もゾンビたちの襲撃を受ける。2人はゾンビを倒すためにレコードを投げるが、「どのレコードにする?プリンスのアルバムはだめ、映画のサントラにするか」など、ゾンビが襲ってくる中でも、どのレコードを投げるか決めている場面は笑えます。
『SOD』はイギリスで公開されてヒットを記録する。だが当時日本では公開されず、DVDリリースのみになった。主人公たちがゾンビであふれる世界でもマイペースで危機を乗り越えようとするユーモア、パブやクリケットのラケットを武器にするなど、イギリスならではの設定も取り入れている。特殊メイクによる残酷描写もしっかり出てくるので、ホラー好きにもコメディ映画好きにも高い評価を得たのも納得できる。本作を監督したエドガー・ライトは『ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!』(2013年)、『ベイビー・ドライバー』(2017年)などを手がける人気監督になった。出演コンビのサイモン・ペッグとニック・フロストも今ではハリウッド映画に出演する俳優になり、3人にとってブレイクするきっかけになった作品である。
予告編に戻る。ショーンは恋人や友人たちとゾンビに囲まれてしまう。絶体絶命の危機をどうするか。そこでショーンたちは自分たちもソンビのふりをして歩き、そのピンチを切り抜けようとする。これまでのゾンビ映画の中で、登場人物たちがゾンビのふりをするのは、あまり見たことがない。ありそうでなかった展開である。そしてショーンたちは、行きつけのパブに逃げ込む・そこでビールを飲みながら、ゾンビ騒動が収束するまで待とうという計画だ。
『SOD』はゾンビ映画の代表的作品『ゾンビ』(1978年)へのオマージュとなっており、ゾンビの頭部を破壊すれば死ぬ、ゾンビに襲われた人間もゾンビになるというルールも『ゾンビ』を継承している。そして、『ゾンビ』で生き残った人間たちがショッピングモールに逃げ込むが、パロディとしてパブに立てこもるのだ。
『SOD』は2019年に限定的に劇場公開されており、今回はDVDリリースから20周年記念として、再びスクリーンに戻ってきた。だが今回の上映も10月18日から2週間の上映となっており、すでに終了してしまっているのが残念である。だが現在は配信でもレンタルでも視聴ができるので、もし未見の人がいれば、ぜひ観ていただきたい作品です。自分もビールを片手に、もう一回観てみたいと思います!
今回注目した予告編
『ショーン・オブ・ザ・デッド』
監督:エドガー・ライト
出演:サイモン・ペッグ、ニック・フロスト
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=kvdTdQ5MvnY
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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!
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