その家に住む老人は、最強の元軍人! スティーヴン・ラング in 『ドント・ブリーズ』
【最近の私】
ネットフリックスで5月にゾンビ大作映画『アーミー・オブ・ザ・デッド』が配信されます。予告編も解禁されましたが、面白そうです。早く観たい!
映画には、悪役として悪魔や幽霊、モンスターなどが登場する作品がある。だが、普通の一般市民に見えた人物が、実は・・・という展開も、観ていてスリルがある。今回は、『ドント・ブリーズ』(2016年)に登場した老人を紹介したい。
舞台はアメリカのデトロイト。ロッキー、アレックス、マネーの3人の若者は、住人がいない留守の家に忍び込み、金品を盗んでいる。彼らが常に盗む金品は1万ドル以下。その金額の窃盗なら、逮捕されても軽い罪で済むからだ。
ある日、ロッキーたちはとある家に大金が眠っている情報を聞く。その家には、老人(スティーヴン・ラング)が一人で住んでおり、交通事故で亡くなった娘の示談金30万ドルが自宅にあるという話だ。しかもその老人は元軍人で、作戦中の事故で視力を失っていた。
盲目の老人から盗むのは気が引けるが、ロッキーには事情があった。彼女の母親が育児放棄をしており、ロッキーは妹と2人でカリフォルニアに行くことを夢観ていた。その夢を実現するためには、お金が要る。3人はこの窃盗を行うために、夜中に老人の家に忍び込む。
老人の家の周囲には住人がおらず、怪しまれる心配はない。盲目の老人から金を盗るのは簡単だと思っていた3人だった。
家のセキュリティを外し、中に忍び込む3人。だが部屋で眠っていた老人は、敏感な聴覚を持っていて、家の中に誰かがいると気付く。確かに老人は盲目だが、軍隊で鍛え上げた肉体と機敏な身体能力を持っていた。最初は余裕のロッキーたちだったが、状況は一変する。
老人は3人が侵入した箇所に板をくぎ付けする。さらにドアには厳重な鍵をかけ、ロッキーたちが逃げられないようにする。果たして、3人は無事に逃げられるのか。地獄の一夜が幕を開ける…。
タイトル通り、「息をしてはいけない」緊張感が最後までずっと持続するサスペンスだ。激しい流血などのスプラッター描写はないが、捕まる=死が待つ演出がこれでもかと続く。地下室から2階までを使って、命がけの鬼ごっこが展開します。
この作品で恐怖の老人を演じたスティーヴン・ラングは1952年生まれ。80年代から映画に出演し、自分が最初に彼を知ったのは、マイケル・J・フォックス主演の『ハード・ウェイ』(1991年)で彼が演じた殺人犯役だった。多くの人に知られるようになったのは、大ヒット作『アバター』(2009年)での元大佐役だろう。最近では『VETERAN ヴェテラン』(2019年)で、またまた退役軍人を演じている。
盲目の老人からお金を盗もうとする方が悪いのでは? 他人の家に侵入して泥棒をする若者たちが、ひどい目に遭うのは当たり前だろうという感想もあるかもしれない。だが物語が進むにつれて(あまり細かく書くとネタバレになるのだが)予想外の展開と、この老人の××を知ると、その考えは変わっていく(そのはず)。ともあれ、数あるサスペンス映画の中では、おすすめの1本です。気になった方は、なるべく予備知識なしでこの映画を観てください。
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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!
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