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時代を超えた敵役 トーマス・F・ウィルソンin『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

時代を超えた敵役 トーマス・F・ウィルソンin『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

【最近の私】もうすぐ『ミッション:インポッシブル』新作が公開です。予告編や特別映像を観ながら、楽しみにしています。
 

今年の夏は『インディ・ジョーンズと運命のダイアル』(2023年)が公開されるなど、80年代の映画シリーズの続編が制作されている。とはいえ、(個人的には)『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985~1990年)は、おそらく続編は作られないだろうと思う。今回はこの作品でトーマス・F・ウィルソンが演じた、主人公を苦しめる敵役を紹介したい。
 

物語の舞台は1985年のカリフォルニア州のある町。主人公マーティ(マイケル・J・フォックス)は、地元の学校に通う高校生だ。マーティは親友のブラウン博士・通称ドク(クリストファー・ロイド)がスポーツカーを改造して作ったタイムマシンに乗って、彼だけが1955年にタイムスリップする。マーティは1955年に存在するドクを探し、現代に戻ろうとするが、ここで問題が発生する。1955年はマーティの父親ジョージと母親のロレインが結婚するきっかけになった年だった。両親が出会うきっかけの場所にマーティが居合わせたことで、ロレインはジョージではなくマーティを好きになってしまう。このままではマーティが生まれないことに…。マーティは何とかして両親をカップルにすべく奮闘し、ドクの協力を得て現代(1985年)に戻ろうとする。
 

ここで1985年と1955年に登場するのが、ビフ・タネン(トーマス・F・ウィルソン)だ。ビフとジョージは高校の同級生。高校時代からジョージをいじめていて、その関係は大人になっても変わらない。映画の冒頭の1985年では、ビフがジョージから借りた車をぶつけて壊してしまうが、ビフは弁償しようともしない。気弱なジョージは、ビフに文句が言えない。そんなふがいない父親をみてしまうマーティ。
 

1955年にタイムスリップするマーティは、そこでもビフとジョージの関係が現在と変わらないことにがっかりする。しかもビフはジョージと結婚するはずのロレインが好きで、何かと彼女に手を出そうとする。マーティはビフの妨害から逃れながら、何とかして両親を恋人同志にして、運命を元に戻すことができるのか。
 

シリーズ第1作目『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)の魅力は、主人公のマイケル・Jフォックスやドク役のクリストファー・ロイド、そして彼の両親を演じたクリスピン・グローバーとリー・トンプソンなど、俳優たちが見事にキャラクターにはまった点だろう。さらにウィルソンが演じたビフも、憎らしいだけではなく、ユーモアを加えて、だだの悪役にしなかったところもポイントが高い。この作品を観ると、俳優が適役を演じるのは、作品にとっても、俳優にとても重要なのだと感じる。
 

これは有名な話だが、もともとマーティはエリック・ストルツが演じる予定だった。実際に撮影も5週間ほど進んでいたが、彼が演じることに違和感を持った監督たちが、マイケルに変えたという。エリックもこの役に合っていたと思うが、今ではマイケル以外の配役だったら、続編が作られていたかどうかわからないだろう。
 

ビフを演じたトーマス・F・ウィルソンは、1959年生まれ。俳優を志し、80年代はTVドラマ『ナイトライダー』などに出演する。そして彼の人気を決定づけたのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズで演じたビフだ。その後は映画や数々のドラマにゲスト出演、またアニメの声優も務めている。
 

『『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は何回も観ているが、これからもマーティやドク、そしてビフに再会するために、見続けるだろう。それだけ完成度が高いシリーズだからこそ、続編はいらないのだと強く思います。
 

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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!
 
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