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見えるのは、殺意だけ。「透明人間」の予告編

見えるのは、殺意だけ。「透明人間」の予告編

【最近の私】以前、予告編コラムで取り上げたドニー・イェン主演『スーパーティーチャー 熱血格闘』を観ました。ドニーが先生って、今までにない役で良かったです。ドニー先生の生徒になりたい!

 
映画には、これまで何度も登場しているキャラクターがいる。吸血鬼や狼男、ミイラ男などが、数多くの作品で取り上げられてきた。その中から、今回は7月に公開される『透明人間』の予告編を紹介したい。

 
予告編は、セシリア(エリザベス・モス)のパートナー、エイドリアン(オリヴァー・ジャクソン=コーエン)が亡くなった場面から始まる。エイドリアンは裕福な天才科学者だったが、セシリアを束縛するソシオパスだった。ソシオパスとは、反社会行動や気質をそなえた、精神疾患(パーソナリティ障害)のことである。耐えられなくなったセシリアは、ある夜、彼の元から逃亡を図る。

 
そしてエイドリアンが、手首を切って自殺した。遺言により、5億円がセシリアの元に。ただし、彼女が心身喪失の場合は無効となる。今回もそうなのだが、たまに洋画の予告編の字幕で、金額が「円」で表記されることってありませんか? 本編だと、「ドル」とかその地の貨幣になっているのに。「円」だと金額が分かりやすいからですかね。ちょっと違和感を持つ点ですが。

 
本作を製作したのは、ブラムハウス・プロダクションズ。ジェイソン・ブラムが設立した会社で、主に低予算の映画を制作している。『パラノーマル・アクティビティ』(2007年)をはじめ、ホラーやサスペンスが多いが、『セッション』(2014年)や『ブラック・クランズマン』(2018年)非ホラー作品も手掛けて、高い評価を得ている。また『ゲット・アウト』(2017年)ではアカデミー脚本賞を受賞した。個人的にはブラムハウス作品は要チェックです。

 
予告編に戻る。セシリアは、エイドリアンが自殺するような男ではないと感じている。やっと自由の身になった彼女だが、誰かが自宅にいる気配を感じる。やがて、誰かがいると確信するようになったセシリアは友人に「彼が生きている証拠がある、彼は姿を消すことができるの」と言うが、信じてもらえない。今までの透明人間映画では、『インビジブル』(2000年)など、透明になった人物が主人公という作品が多かったと感じる。今作の予告編を観たところ、透明人間に追われるセシリアを主人公にしているのが新しい点だと思う。そして彼女の周りでは、不可解な現象がエスカレートしていく…。

 
監督・脚本は『ソウ』(2004年)で脚本と出演を務めて大きな注目を浴びたリー・ワネル。その後は『デッド・サイレンス』(2007年)、『インシディアス』(2010年)などのホラー作品の脚本を執筆。『アップグレード』(2018年)では監督も務めた。またリーは、ライアン・ゴズリングを主演に、狼男の映画化を進めているというニュースもある。

 
数年前、ユニバーサル社がミイラや吸血鬼、透明人間などのモンスターたちを映画化する「ダーク・ユニバース」を計画していた。その第1作目がトム・クルーズ主演の『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(2017年)だったが、興業的と評価的にも成功はせず、プロジェクトは消えていった。今回の『透明人間』を機に、再び「ダーク・ユニバース」が再起動するのか注目です。とりあえず、『透明人間』を観に映画館に行ってきます!

 
今回注目した予行編:『透明人間』
監督:リー・ワネル
出演:エリザベス・モス、オリヴァー・ジャクソン=コーエン
2020年7月10日より公開中
公式サイト:https://toumei-ningen.jp/

 
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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!

 
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