この謎が解けるか?『トレイン・ミッション』の予告編
【最近の私】アカデミー賞で、辻一弘さんがメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したのは嬉しかったです。主演男優賞を受賞したゲイリー・オールドマンが、辻さんに謝辞を送っていたのも感動しました。
俳優の中には、同じ映画監督とタッグを組む人がいる。トム・ハンクスは現在までスティーヴン・スピルバーグ監督の5作品に出演してきた。リーアム・ニーソンは、『アンノウン』に出演して以降、『フライト・ゲーム』『ラン・オールナイト』でジャウマ・コレット=セラ監督の作品で主演を務めている。今回は2人が4度目の顔合わせとなる『トレイン・ミッション』の予告編を紹介したい。
主人公マイケル(リーアム・ニーソン)は毎日の通勤に使う電車に乗っていた。馴染みの乗客がいる、いつもの光景。電車通勤の人ならよくあるシーンだろう。同じ時間の列車を利用すると、同じ車両の決まった席に座る人たちっていますよね。そしてマイケルの前に、見知らぬ女性(ヴェラ・ファーミガ)が座る。
彼女はマイケルに「ゲームをしない?」と話しかける。「100人いる乗客の中から、ある物を運ぶ1人を探す。探せたら10万ドルを渡す」と。知らない人からそんな話をされて信じる人はいないと思うのだが、さらに女性は言う。「元刑事なら、簡単でしょ」。彼女はマイケルと初対面のはずなのに、なぜ元刑事と分かるのか。不信に思うマイケルを残して、女性は電車を降りる。そしてマイケルの携帯電話が鳴り、ゲームが始まるのだ。
本作の原題は『The Commuter』で、通勤者という意味である。日常の通勤風景がサスペンス劇に変わっていく物語だと思われるのだが、邦題『トレイン・ミッション』はアクション映画のイメージを強調するように盛っている感がある。アクション俳優として定着したリーアムが主演だからか。今年は『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』も公開されるし、こっちも『トレイン・ミッション』にしようか、となったんですかね。
列車を舞台にした映画だと、最近リメイクされた『オリエント急行殺人事件』、スティーヴン・セガール主演『暴走特急』、トニー・スコット監督の『アンストッパブル』など数多くある。セラ監督も『フライト・ゲーム』では飛行中の飛行機、『ロスト・バケーション』では海に囲まれた岩場というように、限られた空間で展開する物語が得意な監督だ。
そして謎の女を演じているヴェラ・ファーミガは映画『死霊館』で霊媒師、ドラマ『ベイツ・モーテル ~サイコキラーの覚醒』では、あの『サイコ』の殺人犯ノーマン・ベイツの母親を演じている。この人が出ているだけで、ただものではない怖さを醸し出していますね。
マイケルの「関わりたくない」という意思に関わらず、ゲームは続行していく。しかも、彼の妻にまで危険が及んでいるようだ。妻役は80年代から映画に出演し、人気TVドラマ『ダウントン・アビー』にも出ているエリザベス・マクガヴァン。そういえば『フライト・ゲーム』にも『ダウントン・アビー』のミシェル・ドッカリーが出ていた。これはたぶん偶然でしょう。
予告編では、少ない手がかりを元に、マイケルが乗客の中から目的の人物を絞りだそうとする。そして、新たな犠牲者が。さらに物語は政府やFBIまでも関与する事態へと発展していくようだ。マイケルは無事に目的地までたどり着けるのか。劇場で確認してきます!
今回注目した予告編:『トレイン・ミッション』
監督:ジャウマ・コレット=セラ
出演:リーアム・ニーソン、ヴェラ・ファーミガ
3月30日より公開
公式サイト:http://gaga.ne.jp/trainmission/
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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!