巨竜を、迎え撃て。 『ツイスターズ』の予告編
【最近の私】最近はマ・ドンソクがお気に入りで、彼の映画を観ています。新作『犯罪都市 PUNISHMENT』予告編を観て楽しみにしています。
火山の噴火や、隕石の落下など、現実では起きてほしくはないが、映画としてハラハラできる自然災害(ディザスター)映画はこれまで数多く制作されている。大規模な災害をスペクタクルな映像で描くので、観客を魅了しているからか。今回はそのディザスター映画の中から、『ツイスターズ』(2024年)の予告編を紹介したい。
予告編の開始そうそう、竜巻から逃げる人たちの場面から始まる。
“『ジュラシック・ワールド』の製作陣が贈る 地球が生んだ最強のモンスター”とテロップが流れる。巨大竜巻は直径2000メートル、時速500キロ。この数字から、もはや怪獣を軽くしのぐ規模である。自動車なども軽く吹き飛ばされていく。
前作『ツイスター』(1996年)が制作される数年前、ある映画がこれまでの特撮技術を大きく変えた。それは『ジュラシック・パーク』(1993年)である。最先端のCGでリアルに動く恐竜の姿に、当時の観客は圧倒された。以降、さらなる技術の発達とともに、今まで作られなかった災害を描く映画が多く作られ、『ボルケーノ』『ダンテズ・ピーク』(ともに1997年)、『アルマゲドン』(1998年)などが撮られている。
予告編に戻る。気象学の天才ケイト(デイジー・エドガー=ジョーンズ)は、ニューヨークで自然災害を予測し、被害を防ぐ仕事をしている。彼女の故郷、オクラホマで史上最大の竜巻が群れで発生していることを知る。竜巻にトラウマを抱えているケイトだが、友人からの依頼で、自身の故郷に戻ることになる。そこで、竜巻チェイサーのテイラー(グレン・パウエル)とともに、この異常気象に挑む。
竜巻チェイサーとは、レーダーを搭載した車で竜巻に接近し、竜巻の発生や移動などのメカニズムを解明すること。竜巻の予知精度を上げる研究のためだ。タイラーは「最新技術など無用。現場での経験がすべてだ」と自分の現場で鍛えたカンと経験で竜巻に立ち向かおうとする。ケイトは、巨大な竜巻を破壊する方法を考えつく。だがそのためには、竜巻に近づく必要がある。どうやって近づく?タイラーが「俺ならできる」と竜巻に危険なアプローチを試みる。巨大竜巻VS人類の戦いが始まる中、竜巻が合体してさらに強力になっていく。ケイトとタイラーの技術と現場主義で竜巻を破壊できるのか?
本作の監督はリー・アイザック・チョン。『ミナリ』(2020年)で、アメリカで暮らす韓国系移民を描いた(監督も韓国系の移民である)。『ミナリ』は高い評価を得て、その年のアカデミー賞で、ユン・ヨジュンが助演女優賞を受賞している。『ミナリ』の次に竜巻映画を手がけるとは意外だが、自然災害に加えて、人間ドラマを描いているのではと予測できる。
『ツイスターズ』の原案に『トップガン マーヴェリック』(2022年)のジョセフ・コシンスキー監督が名を連ねている。彼は『マーヴェリック』で実物の戦闘機や空母を使って、迫力の映像や空中戦を描いた。また、アメリカで実際に起きた巨大山火事を題材とした『オンリー・ザ・ブレイブ』(2017年)も撮っているので、もしコシンスキーが「ツイスターズ』を撮ったら、さぞド迫力の映像が生まれたのではと思う。
前作『ツイスター』が世に出てから、約30年が経った。この間、映像技術はどんどん進化し、さまざまな特殊効果を使った映画が作られている。新たに生まれ変わる『ツイスターズ』が、どう観客を驚かせてくれるのか楽しみである。とりあえず、映画館で巨大な竜巻を体験してきます!
今回注目した予告編:『ツイスターズ』
監督:リー・アイザック・チョン
出演:デイジー・エドガー=ジョーンズ、グレン・パウエル
2024年8月1日より公開
公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/twisters/
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Written by 鈴木 純一(すずき・じゅんいち)
映画を心の糧にして生きている男。『バタリアン』や『ターミネーター』などホラーやアクションが好きだが、『ローマの休日』も好き。
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戦え!シネマッハ!!!!
ある時は予告編を一刀両断。またある時は悪役を熱く語る。大胆な切り口に注目せよ!
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