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「キャリアチェンジで留学を決意」 LA校 留学生インタビュー・神保彩美さん

◆子供の頃から好きだった英語を活かした職業につきたい!
小学校の頃に英語教室に通ったり、何度かハワイ旅行に行ったりしたので、子供の頃から英語や海外の文化に興味を持っていました。アルファベットを見るとワクワクしてしまうほど、英語のものが大好きです。大学では英米文学科でしたが、周囲にいた帰国子女と比べて自分の英語力が低いことを気にしていました。英語が話せない、聞き取れない状態で卒業し、何をしようか模索していましたが、バイトを続けて資金を貯め、ワーキングホリデーで1年間カナダに行きました。その時にカナダの通訳・翻訳学校で2ヵ月間授業を受けました。想像していたよりも難しく課題も大変でしたが、その分しっかりと基礎的な翻訳力がつき、通訳・翻訳への興味がさらに高まりました。通訳・翻訳を勉強するのは初めてでしたが、その面白さを知りました。
 

カナダから帰国後は、英会話学校のマネージャーとして働き、その後、ニュージーランド系の会社に総務として3年間勤めました。外資系企業だったので、社内の案内メールやミーティング、代表電話の対応などで英語を使う機会がありましたが、日本語のみの業務より、簡単な通訳・翻訳業務が入るような、英語を交えた業務の方が楽しいと感じていました。
 

「いつかまた留学したい」という思いはずっとあったのですが、仕事を始めてからは毎日忙しく、タイミングを逃していました。しかし、激務がたたって体調を崩してしまい、このまま仕事を続けるべきか悩んでいました。そして、30歳を迎えたタイミングで思い切ってキャリアチェンジをしようと、留学を決意しました。
 
「Lの世界」や「ブラザーズ&シスターズ」、「ヒーローズ」などの海外ドラマやハリウッド映画が以前から好きで、字幕制作に興味を持っていました。映画を字幕付きで見る度に、耳で聞こえる英語の意味と大きく異なる字幕があるのに気付き、なぜそういう訳になるのかと疑問を感じていました。文字数制限などがあることは漠然とは聞いたことがありましたが、他には何も知らなかったので、いつか映像翻訳をきちんと学びたいと思っていました。
 

JVTAロサンゼルス校では「映像翻訳・実務翻訳・通訳」と私の興味のある分野の全てが学べるので、「翻訳・通訳の総合的なスキルアップのために留学しよう」としていた私にとっては最適なカリキュラムでした。特に映像翻訳やエンターテインメントの世界に興味があったので、映画の都ハリウッドに近いというのも魅力的でした。
 

◆ロサンゼルスの専門留学で、効率的に実践的なスキルを身につける
リスニング力を強化するために、通学中に運転しながらラジオを聞いたり、自宅でテレビのニュースを見たりしながら、シャドーイングを行っています。シャドーイングとは、英単語を1、2語ほど聞いてすぐに、影 (shadow) のように後から追いかけて同じ内容を口に出す通訳訓練です。日本にいた時もシャドーイングを練習していましたが、ロサンゼルスで生活するようになって、日本にいた時と比べて、より正確に内容が聞き取れるようになりました。同時に、スピーキング力も伸びてきたと実感しています。
 

語学学校などと違い、受講生の中にはロサンゼルスに長く住んでいる方もいらっしゃいます。そういう現地の受講生は英語力がとても高く、学ぶことがたくさんあります。また、英語圏への留学歴の長い人やアメリカで大学を出ている人など、さまざまなバックグラウンドの方と一緒に授業を受けられるので、毎回いい刺激になっています。クラスはどれも少人数制なので質問や発言の機会も多く、「日本人はシャイだ」という印象はまったく感じないほど、活発な議論が行われます。講師との距離も近く、アットホームな雰囲気です。毎回、細かな指導を受けることができるので、密度の濃い授業です。
 

★通訳クラス
通訳クラスでは、通訳スキルだけではなく、本番に臨む前の心構えや、訳語が出てこない場面に出くわした時の対処法など、実践的なコツを学ぶことができます。実際に通訳の現場を知り尽くしている現役のプロの通訳者が講師だからこそ得られるアドバイスが満載です。日英では、while やhoweverなどの接続詞をうまく使うと、「これまでと逆の話が始まる」ということを明確に伝えることができるため、相手の注意を引くことができます。また、副詞を効果的に使うことでスマートな英文になると学びました。例えば、「非常に」という単語はつい毎回greatlyと訳してしまいがちなのですが、文脈や状況によってはdramaticallyやtremendouslyとバリエーションをつけることで、より自然で分かりやすい英文になります。英日では、稚拙な表現に聞こえないように、適切な熟語をうまく取り入れることが大事です。高い日本語表現力が求められるので、語彙を増やすために、いろいろな文章に触れるようにしています。
 

★実務翻訳クラス
前職で日本語と英語両方の契約書やビジネス文書をよく目にしていましたが、JVTAで本格的に実務翻訳を学んでから、たくさん新たな発見がありました。一見、難しく見える契約書も、実際は定例句や定型文のようなものがあり、演習量をこなしていけば、確実に翻訳力も上がっていきます。日本人はどうしてもaやtheなどの冠詞の使い方が苦手ですが、適切な冠詞の選び方や、単語によるニュアンスの違い細かく説明してくれます。例えば、政策に関する英日翻訳の課題で「formulate」という単語が出てきました。私は「考察する、策定する」と訳したのですが、講師は文脈に合わせて「立案」と訳していて、「なるほど」と思いました。このような細かい日本語と英語のニュアンスは、語学学校など英語だけの授業では説明してくれません。「適切な訳語を選べるようになるには、普段から語彙力を強化する努力が必要だ」と毎回の授業で痛感しています。
 

★映像翻訳クラス
英日の映像翻訳は、原文の英語に引きずられて直訳調にならないよう気をつけています。さらに、番組のターゲット層を意識して、視聴者に分かりやすい字幕にする必要があると学びました。また、ドキュメンタリー番組と映画など、ジャンルが違っても訳出で意識するポイントが違います。台詞やナレーションなど、脚本家が書いている台詞にはすべての言葉に意図があるので、それを丁寧に読み取らなければなりません。大胆な意訳は避け、原音のニュアンスに忠実な字幕が好まれます。一方、ドキュメンタリーの場合はインタビューを受けている人の話がまどろっこしかったり分かりにくかったりする場合も多いので、「つまり何を言いたいのか」ということをしっかりと把握して、分かりやすく噛み砕いて表現する必要があります。また、番組の構成や主旨を理解し、流れを意識することも大切です。例えば、番組の冒頭は、番組全体を紹介しポイントをまとめている箇所なので、視聴者が見たくなるように、分かりやすくキャッチーな字幕にすることが大切です。単に言葉を置き換えたり、意味を正確に訳出するだけでなく、番組の日本語版を制作している気持ちで、分かりやすい字幕にする大切さを学びました。また、授業内では、自分の提出した課題を実際に映像にのせてテレビに映して見せてもらえるのですが、自分の字幕をテレビで見た時の感動は、今でも鮮明に覚えています。
 
日英では、日本語の細かいニュアンスやストーリーを英語でもうまく伝わるように気をつけています。例えば、学校が舞台の映画で、男性教師と不倫関係にある女性教師の会話を授業で扱ったのですが、Ms. Hatanoではなく、あえてMiss Hatanoと訳すことで不倫関係にあるということを匂わせることができます。また、他の作品では母と娘の両方が「いなくなる」という言葉を使って話している場面がありました。その時も、母はleave、娘はleave awayと訳すなど、登場人物の年齢や性格に合わせて細かなニュアンスが出るように訳すと、訳文に現実味が増します。翻訳の授業を受けたことで、今まで気にしていなかったような細かいニュアンスまで意識するようになりました。
 

◆授業以外からも吸収できることはたくさん
映像翻訳を学ぶ上で、映画の都ハリウッドに近い場所で生活できることは強みだと思います。周囲にエンタメ業界で働く人も多く、現場でのリアルな話も聞けるので、特典映像やコメンタリーの翻訳の際に役立ちました。ロサンゼルスを舞台にした話などの時は土地勘があると、セリフの解釈がスムーズです。また、アメリカに住んでいないとわからないセリフやジョークへの理解が深まりました。
 
ハリウッドといえばウォーク・オブ・フェイムやハリウッドサインなど、観光地というイメージが強かったのですが、車で5分ほど走るとタイ・タウンがあり、実際にロサンゼルスに住んでみて知った驚きや楽しさがたくさんあります。ロサンゼルスは広域に広がっているので、私の住んでいるサンタモニカから30分車で走れば、ハリウッドやダウンタウンに行けます。それぞれの地域に色があるので、いろいろな場所に遊びに行くのが楽しいです。
 

アメリカ人はフレンドリーで、道ですれ違う人にも笑顔で挨拶をします。東京で用もないのに知らない人に話しかけたら変な顔をされると思いますが、アメリカでは普通のことなので、外交的になった気がします。メルティングポット(人種のるつぼ)と呼ばれるロサンゼルスは、英語ネイティブ以外の人も多く住んでいます。ノンネイティブでも恥ずかしがることはありません。そのため、多種多様なアクセントに慣れることができましたし、自分の英語にも自信が持てるようになりました。自信がつけば積極的に話すようになるので、結果的に英語力が向上します。
 

現役でプロとして活躍する講師陣から直接指導を受けられるのも、ロサンゼルス校の魅力だと思います。ロサンゼルスで長く生活してきた講師の生きた体験談は、飽きることがありません。アメリカでのビジネスの現場の話は、日本との違いも実感できて、とても参考になりますね。
 

◆今後の目標
1年間ロサンゼルス校で基礎コースと実践コースを受講しましたが、半年間留学を延長して、実践コースをもう1学期受講することにしました。帰国後は東京でトライアルに合格するよう勉強を続けますが、通訳クラスを受講してさらに興味がわいたので、通訳のお仕事もできるように頑張りたいと思います。2020年には東京オリンピックもありますし、通訳案内士の資格取得なども目指していきたいです。
 

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