【2022】今年もJVTAは多くの映画祭をサポート
世界の傑作を集めた国際映画祭で欠かせないのが、字幕や吹き替えだ。コロナ禍で中止やオンライン配信を余儀なくされた2021に比べ、2022年は配信とリアル会場でのハイブリッド開催など新たな形が生まれた。JVTAは毎年、多くの映画祭を字幕や公式プログラムの翻訳などでサポート、JVTAで学んだ翻訳者が活躍している。今年も米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」や世界最大級の日本映画祭「ニッポン・コネクション」、さまざまなセクシュアル・マイノリティに関する作品を上映する「レインボー・リール東京 ~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」、映画を通じて難民問題への関心を高める「難民映画祭」などに協力した。今年の映画祭サポートを振り返ってみよう。
◆第14回恵比寿映像祭「スペクタクル後 AFTER THE SPECTACLE」
2022年2月4日(金)~2月20日(日)《15日間》月曜休館
東京都写真美術館、恵比寿ガーデンプレイス センター広場、地域連携各所ほか
恵比寿映像祭は、展示や上映だけでなく、インスタレーション、トーク・セッションなどさまざまなジャンルの作品を集めた“映像とアートの国際フェスティバル”だ。平成21(2009)年の第1回開催以来、年に一度恵比寿で開催され、今年で14回目を迎えた。14回目のテーマは「スペクタクル後|AFTER THE SPECTACLE」。パンデミックによって、大きく変化した私たちの日常において、映像はより身近なメディアとして浸透し、社会、政治、経済、文化の変化を映し出すツールのひとつになっている。
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公式サイト https://www.jvta.net/tyo/2022ebisueizosai/
◆ニッポン・コネクション
2022年5月24日(火)~5月29日(日)
ドイツ・フランクフルト
「ニッポン・コネクション」は、長編、短編、インディーズ作品など幅広いジャンルの日本映画が上映される世界最大級の日本映画祭。JVTAは「Nippon Visions Jury Award(ニッポン・ヴィジョンズ審査員賞)」のアワード・スポンサーとして参加するほか、日英字幕翻訳のワークショップなどを通じて本映画祭をサポートしている。新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年、2021年はオンラインでの開催となったが、22回目を迎える2022年は2年ぶりにドイツのフランクフルトにある会場で開催された。
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公式サイト https://nipponconnection.com/ja/start/
◆EUフィルムデーズ
2022年5月28日(土)~ 6月23日(木) 国立映画アーカイブ
2022年6月21日(火) ~ 7月18日(月・祝) 京都府京都文化博物館
2022年8月23 日(火))~ 8月31日 (水) 広島市映像文化ライブラリー
EUフィルムデーズは、欧州連合(EU)加盟国の在日大使館・文化機関が提供する作品を一堂に上映する映画祭。5月28日(土)から東京、京都、広島で順次開催された。20回目となる2022年はEU加盟全27カ国が参加し、EUが重視する文化的多様性と社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン:社会的に弱い立場にある人を排除・孤立させることなく、共に支え合う社会)をテーマとした作品がラインナップされている。JVTAは日本初公開となるスウェーデン映画『走れ、ウイェ!走れ!』の字幕を担当した。
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公式サイト https://eufilmdays.jp/
◆ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2022(SSFF & ASIA )
東京会場:2022年6月7日(火)~6月30日(木)
オンライン配信:2022年4月28日(木)~6月30日(木)
「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2021」は、米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭。「Meta Cinema~超える・見付ける・始まる」をテーマに掲げた2022年は、会場やオンラインでの上映に加えてバーチャル映画館の体験や、AIを駆使した脚本から作られたショートフィルムの公開などで、映画(シネマ)を超越した新たな映像表現や映画の楽しみ方を提案した。2022年も約200本の上映作品について、ほとんどの字幕を修了生が担当した。
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公式サイト https://shortshorts.org/2022/
◆第30回レインボー・リール東京 ~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~
シネマート新宿:2022年7月8日(金)〜14日(木)
シネマート心斎橋:2022年7月15日(金)〜21日(木)
スパイラルホール(スパイラル3F):2022年7月16日(土)〜18日(月・祝)
セクシュアル・マイノリティをテーマとする作品を上映する「レインボー・リール東京 ~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~」は、2020年で30年目を迎えた歴史ある映画祭だ。これまで映画を通じて多様で自由な社会の創出に貢献してきた。JVTAは字幕翻訳でこの映画祭に協力し、毎年多くの修了生が活躍している。
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公式サイト https://rainbowreeltokyo.com/2022web/
◆SKIPシティ国際Dシネマ映画祭
SKIPシティ:2022年7月16日(土)~7月24日(日)
オンライン配信:2022年7月21日(木)~7月27日(水)
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、“新たな才能を発掘し、育てる映画祭”として、これまで多くの才能あるクリエイターを世に送り出してきた映画祭だ。2009年に『ロストパラダイス・イン・トーキョー』で長編部門(国際コンペティション)SKIPシティアワードを受賞した白石和彌監督は『孤狼の血』(18)、『死刑にいたる病』(22)等、話題作を手掛けている。2015年に『テイク8』で短編部門(国内コンペティション)奨励賞を受賞した上田慎一郎監督は、その後『カメラを止めるな!』(17)で社会現象を巻き起こした。同作は22年にフランスでリメイクもされ、カンヌ国際映画祭で話題を呼んだことも記憶に新しい。まさに“若手映像クリエイターの登竜門”と言える。JVTAでは2022年も13名の修了生が、長編・短編併せて5作の英語字幕を制作した。
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公式サイト http://www.skipcity-dcf.jp/
◆第35回東京国際映画祭
2022年10月24日(月)~11月2日(水)[10日間]
開催会場:シネスイッチ銀座、丸ノ内TOEI(中央区)、角川シネマ有楽町、TOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ 日比谷、ヒューマントラストシネマ有楽町、丸の内ピカデリー、有楽町よみうりホール、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場、マルキューブ、有楽町micro、東京宝塚劇場、東京国際フォーラム(千代田区)ほか
東京国際映画祭(TIFF)は、1985年に日本ではじめて大規模な映画の祭典として誕生。才能溢れる新人監督から熟練の監督の作品まで、世界中から厳選された映画が集結し、毎年メディアでも大きく報道される人気のイベントだ。JVTAは公式プログラムの英訳やニュースレターの翻訳などを担当し、修了生が活躍するほか、プログラミングチームのスタッフとして、修了生の今井祥子さんが運営に携わった。
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公式サイト https://2022.tiff-jp.net/ja/
◆フィンランド映画祭2022
2022年11月19日(土)~25日(金) ユーロスペース
フィンランド映画祭では、最新のフィンランド映画5作品が上映された。ユッシ賞(フィンランド・アカデミー賞)で最優秀主演男優賞を受賞した『タイタニックを見たくなかった盲目の男』や、2023年アカデミー賞国際長編映画賞のフィンランド部門候補作『ガール・ピクチャー』など、今現地で話題の作品がラインナップ。JVTAはこのイベントに字幕制作で協力しており、2022年も3作品の字幕を修了生が手がけた。
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公式サイト
公式Twitter https://twitter.com/FinlandFilmFes
ユーロスペース http://eurospace.co.jp/works/detail.php?w_id=000637
◆第17回難民映画祭
オンライン配信:2022年12月1日(木)~12月14日(水)
東京開催:2022年12月4日(日)・5日(月)
文京シビックホール・小ホール
ほか、オンライン配信イベントを開催
難民映画祭は国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所の主催で2006年にスタート(現在は国連UNHCR協会が主催)。困難な状況で力強く生き抜く難民の姿を捉えた作品を上映し、映画を通じて一人ひとりの人生にフォーカスすることで、難民問題の現状を伝えてきた。2022年で17回目を迎えた。JVTAは2008年の第3回から字幕制作で協力し、多くの修了生が翻訳者ならではの支援を続けている。
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・大学生たちが目指した「字幕翻訳で伝える難民問題」
・【国連UNHCR協会 中村恵さんに聞く】 緒方貞子さんのバトンを引き継ぐ 今私たちにできる難民支援とは?
・【字幕・吹き替えでサポート】UNHCRのアニメーション動画で難民問題を学ぶ
・【JVTAが字幕を手がけた衝撃作が劇場公開】あなたの買った魚は奴隷が獲ったものかもしれない。『ゴースト・フリート 知られざるシーフード産業の闇』
公式サイト https://unhcr.will2live.jp/cinema/
◆「短編映画6選~一年で昼が一番短い日に~」
2022年12月23日(金)イタリア文化会館ホール
冬至の時期に行われるイタリアに短編映画の上映会。全6作品のうち、『ミストラル』(Maestrale)はイタリア映画の最高の名誉とされるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞短編映画賞受賞作品。その他の日本初公開となる5作品の字幕をJVTAの修了生が手がけた。
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★2022年、映画祭以外にもJVTAは各種イベントやセミナーの開催、インターンシップ・プログラム、AI字幕翻訳ツール「Subit!」の開発など、その活動は多岐に渡っている。2022年の主な取り組みはこちら
https://www.jvta.net/tyo/2022_works/
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