「第27回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜」が7月7日スタート!
「第27回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜」が7月7日にスタートします! LGBTをはじめとするセクシュアル・マイノリティをテーマにした作品を上映するこの映画祭は1992年に中野区の会議室で小規模にスタート。現在は毎年5000人近い動員数を誇る、歴史あるイベントです。メイン会場となる青山のスパイラルホールは毎年レインボーカラーに彩られ、お祭りのように賑わいます。JVTAはこの映画祭の主旨に賛同し、毎年字幕制作でサポート。今年も修了生が活躍しています。
また、同映画祭の運営には、修了生の今井祥子さんが10年以上携わっており、作品の翻訳だけでなく、プログラマーとして上映作品の選定や映画会社との交渉、素材の輸入、字幕制作や完パケ制作などにも関わっています。今井さんはこの映画祭でのご経験から、2017年のベルリン国際映画祭でテディ賞の国際審査員を担当しました。
★今井祥子さんのメッセージ
今回の映画祭で上映される『ゴッズ・オウン・カントリー』と『傷』は私がテディ賞の審査員を務めた時に最優秀作品賞にノミネートされた作品です。ベルリンの観客もすごく盛り上がっていたので、日本でどんな反応があるのか楽しみです。
※ベルリン国際映画祭(2017年)での1枚
今年は、日本初上映15作品を含む全21作品が一挙上映されます。今年の特徴は複合的なテーマのある作品が多いこと。家族との関係や伝統文化とのあつれき、聴覚障害など、さまざまな環境のなかで生きるセクシュアル・マイノリティの人々の姿が描かれています。
注目作品をいくつかご紹介しましょう。
◆『ゴッズ・オウン・カントリー』
昨年の世界の映画祭で、英国インディペンデント映画賞、テディ賞などを受賞し、2017年のベストゲイ映画と称される傑作が日本初上映。イギリス・ヨークシャーの牧場で働くジョニーと、その牧場にやってきたルーマニア移民ゲオルゲとの交流が描かれています。世間と隔絶された荒野で羊の出産に取り組む2人の心の行方とは…。
◆『移ろう季節の中で』
女手一つで育てた息子スヒョンがある日、交通事故で昏睡状態に。彼の友人、ヨンジュンが献身的に看病をする姿を見るうち、母は息子と彼の真の関係に気づき、葛藤が始まります。
ヨンジュンを演じるのは韓国の若手俳優、イ・ウォングン。今年韓国で公開された『怪物たち』でも激しい校内暴力にさらされる学生を演じ、話題になっています。
◆『アフター・ルイ』
主演は『チョコレート・ドーナツ』のアラン・カミング。同作でアランの繊細な演技と情熱的な歌声に魅了された人におすすめです。今作『アフター・ルイ』では、80年代のアメリカでHIV陽性患者への対策強化を国家へ訴える運動をしたACT UPメンバー、サムを熱演。生き残りとしての罪悪感を抱えるアーティストの複雑な心模様が描かれています。
◆『傷』
南アフリカのコサ人に成人儀礼として伝わる伝統儀式「割礼」を取り上げた作品。第90回アカデミー賞外国語映画部門・南アフリカ代表作品です。しかし、伝統主義者の反発を呼び、同国の大型映画館では上映中止に追い込まれました。山奥のキャンプにこもる10代の少年たちに何が起こるのか? 緊張感のある作品となっています。
◆『プリンセス・シド』
ひと夏を過ごすため、著名な作家である叔母のミランダの家を訪れた高校生のシド。立ち寄ったカフェで働く女性、ケイティに出会い、2人は徐々に互いを意識し始めます。うまくいっていない父親との関係に悩むシドがこの町で見つけたものとは? 映画祭の最終日のクロージング作品です。
◆『虹色の朝が来るまで』
主人公は、ろう者の華とあゆみ。手話サークルで出会った2人はお互いに魅かれていきます。初めて同性を好きになった華は戸惑い、両親にもあゆみの存在を否定されてしまいます。登場人物が全編手話で会話をし、日本語字幕付きで展開するという意欲作。イベントでも手話通訳を配置している同映画祭ならではのセレクトといえる1本です。
「第27回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜」は、下記の日程で開催されます。ぜひお出かけください!
第27回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜
2018/7/7(土)ー2018/7/8(日) @東京ウィメンズプラザ ホール
2018/7/13(金)ー2018/7/16(月・祝) @スパイラルホール(スパイラル 3F)
公式サイト
http://rainbowreeltokyo.com/2018/