サッカーファン必見! 「ヨコハマ・フットボール映画祭2019」が16~17日に開催
2月16日~17日、横浜市開港記念会館で「ヨコハマ・フットボール映画祭2019」が開催されます。同映画祭は2011年にスタートし、サッカーに関連する作品を集めたラインナップで人気を博しており、9回目を迎える今年は、全14作品を上映。JVTAはその中の2作品『マリオ』と『カイザー!』(いずれもジャパンプレミア)の日本語字幕を担当し、2人の修了生が手がけました。今回はこの2作品のみどころと翻訳者2人のメッセージをご紹介します。
◆『マリオ』(スイス2018年 マルセル・ギスラー監督)
『マリオ』は同映画祭で9年目にして初のBL作品。本国スイス映画賞2018 で主演男優賞と助演女優賞を受賞した話題作です。主人公は、スイス・ヤングボーイズでトップチームへの昇格を目指すマリオ。ドイツから移籍してきたレオンと同居して交流を深めるうちに一線を越えてしまいます…。
日本語字幕を担当した修了生・瀬尾奈緒美さんのコメント
本作が描くのはシンプルに、“サッカー選手がゲイだったらどうなるのか”ということ。LGBTQを取り巻く環境はここ数年で大きく変わり、ショービズ界ではカミングアウトする有名人も多くなりました。それでもなお、同性愛嫌悪が根強く残るのが男子サッカー界。本作の主人公マリオも、ゲイであることを隠して夢を貫くか、自分に正直に生きるか、大きな選択を迫られます。
胸が締めつけられるような切ないシーンが多いため、感情に流されないよう心がけましたが、翻訳作業中に涙が出てしまうことも多々ありました。LGBTQを扱った作品では口調や一人称にもかなり気をつかいます。今回も、ストレートなら“俺”にしていたのではないか、ゲイの男性は物腰が柔らかいという勝手なイメージで“僕”にしてしまっているのではないかと、一人称を納品直前まで悩みました。
この作品自体はフィクションですが、マリオのように苦悩する選手が存在するのは紛れもない事実です。単なる作り話ではなく現実なのだと意識しながら見ることが、少しずつでも状況を変えていくための一歩になるかもしれません。皆さん是非見てください!
◆『カイザー!』
カルロス・カイザーは、80年代90年代にかけて20年近いキャリアを持つブラジル人プレイヤー。しかし、実は経歴詐称やハッタリを駆使して契約を勝ち取ってきたサッカー史上最強の詐欺師で、誰もそのプレーを見たことがありません。カイザー自らが明かすその手口と関係者の証言を集めた仰天のドキュメンタリーです。
日本語字幕を担当 修了生・田中智佳子さんのコメント
20年以上も“プロ”サッカー選手としてクラブと契約を結んでいたにも関わらず、一度もプレー経験がないという、カルロス・カイザーの驚きの物語です。一体どうやってブラジル国民やサッカー関係者をダマすことに成功したのか。当時を知る者として往年のスター選手たちが登場するのも、サッカー好きにはたまらないポイントだと思います。
ドキュメンタリーとはいえ詐欺師の話なので、どこまでが事実で裏取りが必要なのか、そのポイントをつかむのが難しかったですね。英語や日本語で調べても手に入る情報が限られていたため、原音のポルトガル語の情報を(英語に変換して)読んだりしました。また、インターネットが普及する前の話なので、本で事実確認することも必要でした。
また、カイザーが自信満々で語るのに合わせ、字幕にも説得力を持たせようと工夫しました。例えば断定口調や「~さ」といった語尾を用いるなどです。一方、彼の本音が吐露される場面では、逆に勢いが出すぎないようにしました。
多くの人へのインタビューをまとめているため、話者が1枚から数枚ずつで変わっていく場面が多く、テンポの良さを崩さないよう、視聴者に伝わる前提でどう情報を削るかにも気を配りました。
サッカーの専門的な話が多くないため、サッカーにさほど興味がない人でも、エンターテインメント作品として楽しめるはずです。ぜひご覧ください!
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ヨコハマ・フットボール映画祭2019
日時:2019年2月16日(土)17日(日)
会場:横浜市開港記念会館
公式サイト http://yfff.org
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