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【イベントレポート】JVTAは今年も「ニッポン・コネクション」を様々な形でサポート!

【イベントレポート】JVTAは今年も「ニッポン・コネクション」を様々な形でサポート!

世界最大級の日本映画の祭典「ニッポン・コネクション」(通称:ニチコネ)がドイツのフランクフルトで14日に閉幕。今年もJVTAのレクチャーが大人気でした。3つのセミナーを一気にレポートします。

 

1.ジョナサン講師がローカライゼーションの多様性に迫る
現地時間6月10日(水)14時(日本時間同日21時)に、JVTAで日英映像翻訳の指導をするジョナサン・ホール講師が“Small Screen, Big Titles”と題したレクチャーを行いました。
2020-06-11 (52)
これまで映画制作において、周辺的な作業としか認識されていなかった字幕が、ストリーミング配信サービスが全世界に普及したことで、重要性が高まっていることに言及。各社が翻訳者を確保するためのプロジェクトを立ち上げたり、ローカライゼーションを担う企業で新たなシステムが構築されている事例からもその変化は明らかだと言います。
 
その一方で、字幕を含むローカライゼーションや字幕が多様化し続けていることに注目し、いくつかの具体例を挙げながら解説しました。ローカライゼーションにおいては、グローバルなものをローカルに落とし込む場合と、ローカルなものをグローバルに拡大する場合があります。その一例としてジョナサン講師が取り上げたのが全編ハイダ語で制作された映画『Edge of the Knife』です。ハイダ語はカナダのハイダ部族が話す言語で、現在では話せる人が20名程度しかない希少言語です。この映画はハイダ部族の生活を描いた物語で、ハイダ語を守るために制作されており、世に広めるという目的において英語字幕がしっかりと支えています。
それとは逆に希少言語の曖昧さなどを字幕に反映させている場合もあり、その例として映画監督スカイ・ホピンカの作品を紹介。アメリカの先住民族が使う言語をテーマにした映像作品『wawa』では、私たちの概念とは異なるスタイルで、画面いっぱいに字幕が表示されます。
 
ジョナサン講師が紹介してくれた多様性に富んだローカライゼーションが、今後どのような変化を遂げていくのか注目せずにはいられません。
 
2.リアリティ番組に学ぶ自然な日本語 JLMI in Nippon Connection2020
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日本語学習者向けの講座やライブ配信『De Show! (でしょう)』などをやっているJapanese Language and Media Institute(JLMI)の特徴は、いわゆる教科書を使わないこと。映画やドラマ、アニメ、ゲームなどを通してより実践的に日本の言語や文化を学びます。そんなJLMIが11日、ドイツで開催の世界最大の日本映画の祭典「ニッポン・コネクション」(通称:ニチコネ)に初登場。『De Show! (でしょう)』のメインパーソナリティーのBillとアシスタントのYuriが登壇しました。JVTA東京校からのリモート配信に、ドイツを中心にロシアなどから約20名が参加してくれました。
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「リアリティ番組は自然でリアルな日本話を学べるいい教材」とBill。教材は、日本の人気リアリティ番組の自己紹介のシーンです。「はじめまして」「よろしくお願いします」「おいくつですか?」「お仕事は?」などの決まり文句に加え、「緊張する」「吐きそう」「やばい」「アルバイト」「アラサー」「アラフォー」など教科書にはないスラングも飛び出し、実際に使うシチュエーションを日本語と英語で説明します。会話のプラクティスにはリモート越しに積極的に参加してくれました。
 
JLMIは、日本のポップカルチャーを使って日本の知識を高めるためのレッスン「JLMI Online -Interactive Course for Japanese Learners」(全4回)を7月3日から開講します。
詳細・申し込みはこちら
 
3.日本の人気アニメに英語字幕を付けよう!
完成品を見て参加者らはリモート画面上で拍手

11日(木)は、前日の字幕翻訳レクチャー「Small Screen, Big Titles」で教壇に立ったジョナサン講師と、JVTA英日・日英映像翻訳科で教える石井講師が、日英字幕翻訳の体験レッスンを行います。オンライン空間にはおよそ40名が参加。日本の映像作品に興味がある人のほか、すでに英語・ドイツ語の翻訳者として活躍するプロの姿も!
 
まず、ジョナサン講師は日本語の作品に英語の字幕を付ける際の基本的なルールを紹介。一つの作品には800~1500枚もの字幕が付くことや、情報をコンパクトにまとめること、登場人物に合った言葉のトーンを考えることの大切さを伝えました。基本を押さえた参加者たちは、日本のアニメ業界の日常を描いた作品『SHIROBAKO』のワンシーンの字幕翻訳に挑戦。グループに分かれて、日本以外の視聴者に作品を伝えるためにはどうしたらいいのか、ディスカッションを重ねました。
 
ニチコネ2020字幕翻訳体験
 
その後、各グループの訳を合体させて、字幕付きのシーンが完成! 完成品を見た参加者たちはPC画面の向こうで拍手をしたり、“スタンプ”機能を使って喜びを伝えたりと盛り上がりました。「字幕翻訳はただの翻訳ではなく、作品の文化的背景も考える必要があるのだと知って驚いた」――そんな声も挙がり、惜しまれながらワークショップは幕を閉じました。

 
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ニチコネロゴ
JVTAの多様な活動を世界に配信する「ニッポン・コネクション」。今年はオンライン配信で新たな可能性も見えました。JVTAはこれからもこの映画祭を応援しています。

 
ニッポン・コネクション
https://nipponconnection.com/
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