祝10周年! 北欧映画の祭典をJVTAが今年もサポート!
北欧5カ国(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、アイスランド)の作品を集めた映画祭「トーキョー ノーザンライツ フェスティバル」は、2011年にスタート、今年で10周年を迎えます。JVTAは、2013年から毎年字幕制作でサポート、今年も7作品の字幕を修了生が手がけています。JVTAが携わった作品を中心に注目の企画をご紹介しましょう。
◆北欧映画界の巨匠が初期に手がけた傑作をピックアップ
北欧映画と言えば、絶対に外せないのが、デンマークのラース・フォン・トリアー監督と、フィンランドのミカとアキのカウリスマキ兄弟。彼らが80年代に発表した作品が上映されます。
『メディア』(1988年)ラース・フォン・トリアー監督
ギリシャの悲劇をベースに夫に捨てられた王女メディアの復讐を描く物語です。ラース・フォン・トリアーは昨年、マット・デュロンが殺人鬼を演じた『ハウス・ジャック・ビルト』で物議を醸したばかり。ビョーク主演の『ダンサー・イン・ザ・ダーク』など衝撃的な作風で知られる彼の傑作が約30年の時を経て上映されます。
『嘘つき』(1981年)ミカ・カウリスマキ監督 ※ジャパンプレミア JVTAが字幕を担当
監督は兄のミカ、脚本と主演を弟のアキが務め、兄弟の原点ともいえる作品。飲み代を稼ぐために自分たちの生活を映画化することを思いついて撮影したそうです。
『ジャックポット2』(1982年)ミカ・カウリスマキ監督 ※ジャパンプレミア JVTAが字幕を担当
カウリスマキ兄弟の作品の常連だった俳優、マッティ・ペロンパーが出演。脚本は兄弟が共同で手がけています。『嘘つき』と同時上映で今回がジャパンプレミア。カウリスマキファンは必見です。
◆今注目の女性監督 アンナ・オデル特集
アンナ・オデルは、今、スウェーデンの映画界でひときわ注目を集める女性監督。ドキュメンタリーなのか、フィクションなのか曖昧な作風で、人間の本質を浮き彫りにします。その独自のスタイルで、かつてベネチア国際映画祭でも話題になりました。今回は2本がピックアップされています。
『X&Y』アンナ・オデル監督(2018年) ※ジャパンプレミア JVTAが字幕を担当
アンナ自身が監督として映画を撮るために、ミカエル・パーシュブラントら6人の俳優と共同生活を送る様子を収めた実験的な作品です。
『同窓会~アンナの場合~』(2013年)
©Photo .Jonas Jorneberg
「同窓会に出席したアンナが当時いじめられていた過去をスピーチし、会場からつまみ出される」という芝居を撮影し、本当の同級生に見せたらどうなるのか? 加害者、被害者それぞれの思惑が交差する異色のドラマです。
◆北欧パノラマでは、北欧で今話題の旬な作品を一挙上映
『ロード・オブ・カオス』(2018年) ジョナス・アカーランド監督 ※ジャパンプレミア JVTAが字幕を担当
ノルウェーを代表するメタルバンド、“MAYHEM”が、犯罪を重ねる姿を追った問題作。
『サイコビッチ』(2019年)マーティン・ルン監督 ※ジャパンプレミア JVTAが字幕を担当
学校で浮いている問題児の「サイコビッチ」フリーダと模範生マリウスの交流を描く学園ラブコメディ。
『ホワイト、ホワイト・デイ』(2019年)フリーヌル・パルマソン監督 ※ジャパンプレミア JVTAが字幕を担当
亡き妻の遺品から、彼女の不貞の痕跡を発見した元警官の狂気を描いた作品。
『HARAJUKU』(2018年) 英リーク・スヴェンソン監督 ※ジャパンプレミア JVTAが字幕を担当
オスロに暮らすアニメ好きな少女のユートピアは「ハラジュク」。実写の中にアニメーションを差し込んだ独自の作風が魅力です。
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他にも、デンマークの童話作家、アンデルセンの短編集(上映は2月1日のみなのでHPをチェック)や、スウェーデン映画の父と称されるヴィクトル・シェストレムの初期のサイレント映画と生ピアノの共演など、今年も見逃せない作品が目白押しです。
©Gakken
また上映会場では、これまでの映画祭のメインポスターを集めたポストカードセットが発売されます。田中千智さんが描く幻想的なイメージはまさに「トーキョー ノーザンライツ フェスティバル」のアイコン。ぜひ会場でチェックしてみてください。
トーキョーノーザンライツフェスティバル 2020
会場:ユーロスペース、アップリンク渋谷
会期:2020 年2 月8 日(土)~2 月14 日(金)
公式サイト http://tnlf.jp/