TNLFでスウェーデンで話題のアンナ・オデル監督の『X&Y』が日本初公開
いよいよ2月8日(土)、「トーキョー ノーザンライツ フェスティバル」(TNLF)が開幕します!北欧5カ国(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、アイスランド)の作品が一挙上映されます。今年で10周年を迎えるこのイベントをJVTAは、2013年から毎年字幕制作でサポート、今年も7作品の字幕を修了生が手がけています。今回は、スウェーデンで話題の女性監督、アンナ・オデルの『X&Y』日本語字幕を手がけた修了生、土谷勝美さんに見どころと翻訳時に感じたポイントを聞きました。
◆『X&Y』アンナ・オデル監督(2018年)
日本語字幕担当 修了生・土谷勝美さん
この映画の監督は、スウェーデンのアンナ・オデル。アーティストでもある彼女は2009年に大学の卒業制作として撮影した映画が物議をかもし、一躍有名になりましたが、「鬼才」という称号がぴったりかもしれません。
『X&Y』のテーマは、スウェーデンの大物俳優とアンナがスタジオで一緒に生活しながら、お互いのアイデンティティを探っていく、というもの。彼らの分身を演じる6人の役者と共に8人で共同生活する様子を撮影して映画を作るという実験的な企画です。映画の中で映画を撮るという設定の上に、登場人物は監督を含めすべて本人役のため、創作なのかリアリティーなのか、区別がつかなくなってきます。劇中でアンナが「この作品に関わらない人は、虚構とも現実とも区別がつかない」と言っているとおりの感覚に導かれていくのです。
コンセプトが難しいので翻訳にも苦労しましたが、ストーリーが追えるように流れをつなげることを意識して字幕を作りました。見終わった直後は難解だったなと思うのですが、時間が経つにつれ、アンナが伝えたかったことがじわじわと心の中に湧き上がってくるような、不思議な感覚を覚えます。
「アートの役割の1つは、世の中に問題提起をすること」と言われますが、誰にも思いつかないような手法でそれが描き出されている、今までにない作品だと思います。ぜひその不思議な感覚を体験していただけたらと思います。
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今年のTNLFではアンナ・オデル監督の『同窓会~アンナの場合~』も上映されます。
こちらも要チェック。ぜひ会場に足を運んでみてください!
©Photo .Jonas Jorneberg
トーキョーノーザンライツフェスティバル 2020
会場:ユーロスペース、アップリンク渋谷
会期:2020 年2 月8 日(土)~2 月14 日(金)
公式サイト http://tnlf.jp/
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