「レインボー・リール東京 ~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~」が築いてきたもの
レインボー・リール東京 ~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~は、1992年から開催され今年で第29回目を迎える歴史ある映画祭だ(2020年は新型コロナウイルスの影響で中止)。レズビアンやゲイについての作品に留まらず、トランスジェンダー、インターセクシュアル、バイセクシュアルといった、さまざまなセクシュアル・マイノリティに関する作品を上映し、多様で自由な社会の創出に貢献している。JVTAはこの映画祭の趣旨に賛同し、毎年字幕制作でサポートしており、JVTAで学んだ多くの翻訳者が世界各国のLGBTQ作品の字幕を手がけてきた。また、修了生の今井祥子さんが、プログラマーとして10年以上にわたり運営に携わり、多くの話題作の字幕翻訳も担当。今井さんはその実績から2017年のベルリン国際映画祭でセクシュアル・マイノリティを題材にした作品に与えられるテディ賞の国際審査員を務めた。(今井さんの関連記事はこちら)
この映画祭は1992年に「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」として中野サンプラザの9階にある小さな階段教室から始まった。当時はまだLGBTQについての認知度も低く、「いかがわしいイベントをするな」という苦情もあったという。しかし、反響は大きく、会場の入り口まで行列ができたそうだ。
それから約30年、セクシュアル・マイノリティに対する認識は大きく変わった。渋谷区では平成27年に「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」が制定され、パートナーシップ証明書が交付されている。また、今年3月に札幌地方裁判所が「同性婚を認めないのは違憲」とする判断をしたことも記憶に新しい。
テレビのドラマや映画にも数多く描かれるようになり、日本国内でも『きのう何食べた?』や、『彼らが本気で編むときは、』『ミッドナイトスワン』などが高く評価され人気を博している。また、海外でも『ブロークバック・マウンテン』『キャロル』『リリーのすべて』『チョコレートドーナツ』『君の名前で僕を呼んで』など多くの名作が生まれた。この映画祭の上映作品の中にもその後、日本で劇場公開された作品もある。“ゲイ版『ビフォア・サンライズ』 ”と評される『WEEKEND ウィークエンド』、ベルリン国際映画祭でも高い評価を受けた『ゴッズ・オウン・カントリー』、第26回レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)のコンペティションでグランプリを受賞した『カランコエの花』などが挙げられる。こうした変化の背景には、この映画祭の継続的な開催があり、字幕制作という形でJVTAもその一端を担えてきたことが誇りだ。
今年は東京・大阪の2会場と オンラインで 全14作品が一挙上映される。関西での開催は実に21年ぶりとのこと。長編映画8作品は会場、「QUEER×APAC 2021 ~アジア・太平洋短編集~」はオンラインのみで上映。JVTAは日本初公開となる7本の長編と6本の短編の字幕を手がけている。世界中から集められた映画を楽しみながら、多様性について理解を深めたい。
◆第29回レインボー・リール東京 ~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~
2021年7月16日(金)〜22日(木・祝) @シネマート新宿
2021年7月23日(金・祝)〜29日(木) @シネマート心斎橋
https://rainbowreeltokyo.com/2021web/
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