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どんな状況下でも学び続ける学生を応援したい! JVTAが提供する特別なインターンシップ「J-Anime Stream for Ukraine」


日本映像翻訳アカデミー(JVTA)は、日本経済大学と共催し、オンラインによるアニメイベント「J-Anime Stream for Ukraine」を2022年11月25日(金)~12月2日(金)まで開催する。
 

「J-Anime Stream for Ukraine」は、ウクライナ語字幕をつけた日本アニメを世界に向けて上映するイベントだ。日本経済大学(福岡県太宰府市)が共催、外務省と在日ウクライナ大使館が後援で実施する長期インターンシップ・プログラムの一環として行うものである。
インターンシップにはウクライナ人学生と日本人学生計23名が参加。ウクライナ人学生の多くは、2022年春に避難をきっかけに日本経済大学へと留学してきた学生だ。
 

「J-Anime Stream for Ukraine」のプロデューサーを務めるJVTAの桜井徹二は、本件を「特別なプログラム」と語る。スタートのきっかけは、これまでのJVTAのインターンシップ・プログラム等の取り組みを知った日本経済大学国際部、松﨑進一准教授に声をかけてもらったことだ。同大学は、学術交流協定校であるキーウ国立言語大学とリヴィウ国立工科大学に在学する約70名の学生を受け入れ、安心な居住環境を確保し、継続した学びの機会を提供している。
「JVTAは日本経済大学の取り組みに共感し、『どんな状況にあっても学び続けようとする学生を応援したい』という思いを抱いて、本インターンシップ・プログラムの開催を決めました。本プログラムは、『世界各地に避難を余儀なくされたウクライナの人々を、ウクライナ語字幕付きの日本アニメで元気にしたい』という願いを形にした、特別なものです。」(桜井)
 

ウクライナ語字幕をつける作品として決定したのは、『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年、宮崎駿監督)と『サカサマのパテマ』(2013年、吉浦康裕監督)の2作品。どちらも日本アニメの代表作として、世界に発信するのにふさわしいクオリティの高い作品である。ウクライナ人学生の中には、「お母さんが今回翻訳する作品を見たことがあって、自分が翻訳することを伝えたら『すごい!』と喜んでくれていた」という学生もいた。
 

インターンシップでは翻訳作業の前に、準備のための研修が行われた。映像翻訳のイロハを学ぶ研修である。
「まずは作品の翻訳に入る前に、練習として別の映像作品を使った翻訳研修を行いました。映像翻訳には他の翻訳にはない特殊なポイントがいくつもあります。『字数制限』『字幕としての読みやすさ』『作品の理解』『人物の感情やシーンの本質を伝える』などを、実際に映像作品を訳しながら学んでもらいました。」(桜井)
 

※翻訳研修の様子。研修はオンラインで行われた。

※翻訳研修の様子。研修はオンラインで行われた。


 

また、今回字幕にしたのはこれまでに例が少ない「ウクライナ語」である。英語と日本語に加え、多言語翻訳の受発注も行っているJVTAだが、それでもウクライナ語字幕の事例は少ない。実はウクライナでは、海外コンテンツをロシア語字幕で見ることが多いそうだ。「研修と並行して、学生たちに他のウクライナ語字幕や翻訳例をリサーチしてもらい、それをもとに、二人三脚でルールを作り上げた」と桜井は言う。
 

それでは、実際に作品の翻訳に入ってからの学生の様子はどうだったのか?
翻訳が始まった当初、学生たちは慣れない作業に大変さを感じていたようだ。しかしそれでも本当に楽しそうで、どの学生も前向きに取り組む様子が見て取れたという。そしてやがて、学生たちには変化が現れた。その変化は翻訳スキルに限った話ではない。桜井は次のように話す。
「当初は日本人との感覚の違いあったようですが、そこにも変化があったようです。ある学生曰く、ウクライナ人は個々人でタスクを持ち、『自分一人でやる』というのが普通だそうです。しかしこのプログラムを通して、日本では『みんなで助け合って、力を合わせて取り組む』というやり方をすると学んだと言います。本プログラムは、そのやり方をもっと学ぶためにもとても大切だと話してくれました。」(桜井)
 

参加しているウクライナ人学生の多くは、「将来、ウクライナ語と日本語を使って仕事をしたい」「ウクライナ語で見られる映像コンテンツをもっと増やしていきたい」という高い志を持っている。本インターンシップでの経験は、そんな学生たちの今後に必ず役立つはずだ。
 

J-Anime Stream for Ukraineについて、最後に桜井は次のように語った。
「今もウクライナの情勢は不安定です。ウクライナ国内に家族や友達がいる学生多く、インターンシップ中も精神的な面でのフォローが必要なことがありました。しかしながら、それでも取り組むことをやめない学生の姿には感動しました。ウクライナの方々には、学生たちの努力の末に出来上がった字幕で日本の名作アニメを楽しんでいただき、元気になってもらいたいと強く思います。」(桜井)
 

実際にウクライナ人学生の家族も、作品が見られるのを楽しみにしてくれているという。「上映は家族が集まって見てくれる」「ウクライナで家族が喫茶店をやっているので、お客さんとパーティーをしてみんなで翻訳した作品を見たいと言っている」など、学生たちは楽しそうに語る。
 

ウクライナ語字幕付きの作品は残念ながら日本からはで視聴することができない。しかし学生が企画したトークイベントの開催もあり、こちらは日本からも参加可能だ。ぜひたくさんの方にご参加いただきたい。イベント詳細は公式サイトからチェックを。
http://stream.jvtacademy.com/
 

★イベント開催に向けてクラウドファンディングも実施中。ぜひこちらもサポートをお願いいたします。
http://readyfor.jp/projects/JASU
 

関連記事:
◆『ルパン三世 カリオストロの城』と『サカサマのパテマ』 ウクライナ語字幕でのオンライン無料上映が決定!~ウクライナ人留学生が協力して翻訳。クラウドファンディングも実施~
https://www.jvta.net/tyo/2022_j_anime_stream_2/
 

◆【J-Anime Stream for Ukraine特別企画】 「『ルパン三世 カリオストロの城』の魅力を深掘り!ウクライナ人学生が映画評論家・切通理作に聞く」を開催!
https://www.jvta.net/tyo/2022_j_anime_stream_event/
 

◆日本映像翻訳アカデミー、ウクライナ避難民学生 23名の長期インターンシップを受け入れ
https://www.jvta.net/tyo/2022_j_anime_stream/
 

◆【字幕・吹き替えでサポート】UNHCRのアニメーション動画で難民問題を学ぶ
https://www.jvta.net/tyo/unhcr-animation-movie/
 

◆国連UNHCR協会×JVTA 翻訳者だからできる難民支援のカタチ「UNHCR WILL2LIVE Cinema 2021 募金つきオンラインシアター
https://www.jvta.net/tyo/unhcr-will2live-2021/
 

◆故郷を追われた人を守り続けて70年 UNHCRの活動をJVTAはサポートしています
https://www.jvta.net/mtc/who-we-are-unhcr70/
 

◆【『戦火のランナー』が劇場公開】翻訳者だからできる社会貢献のカタチ
https://www.jvta.net/tyo/runner/
 

◆アフガニスタンから逃れた家族の旅路『ミッドナイト・トラベラー』が劇場公開
https://www.jvta.net/tyo/%EF%BD%8Didnight-traveler/


 

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