【SSFF&ASIA2022の新たな試み】『サムライソードフィッシュ』の多言語字幕とバリアフリー字幕、音声ガイドをJVTAが制作
「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア」(SSFF & ASIA)は、アジア最大級の国際短編映画祭。JVTAは毎年字幕制作でサポートしており、約100人の翻訳者が活躍している。今年特筆すべきは、『サムライソードフィッシュ』(洞内広樹監督)がバリアフリー対応と多言語の字幕付きでYouTube配信中ということ。JVTAは13の言語の字幕と、バリアフリー字幕、音声ガイドの制作を担当した。SSFF&ASIAでの音声ガイド版の配信は初の試みとなる。
バリアフリー字幕とは、聞こえづらい人のためにセリフだけでなく、話者名や音の情報を加えた日本語の字幕だ。一方、音声ガイドは、見えづらい人のために画面に映っている場所の情景や人物の動き、表情などを音声で解説するナレーションで、いわゆる美術館などで聞く音声ガイドとは異なる。JVTAは2011年から映像のバリアフリー化を推進するNPO メディア・アクセス・サポートセンター(MASC)と共催でバリアフリー講座を開講。多くの修了生が映画やテレビ、舞台、自治体のPRなど様々な分野のバリアフリー化をサポートしてきた。今回のプロジェクトは、より多くの人にこうしたツールの存在やその利便性を気軽に知ってもらう貴重な機会となるはずだ。
『サムライソードフィッシュ』の主人公は江戸時代に生きる盲目の若き剣士・梶木エイスケ(飯島寛騎)。幕府新徴組に入隊する親友・榊原虎丸から死後の息子の指導を託されるが、ある日川で溺れて現代の東京にタイムスリップしてしまう。エイスケは現代に生きる子孫の子孫である大学生の龍星(藤岡真威人)と出会い、共に虎丸の子孫で水泳選手のタイガ(川原渓青)に会いに行く。タイガは事故で足を負傷していた。エイスケは自らパラ水泳に挑戦することでタイガに向きあい、160年前の約束を果たそうとするのだが…。
※SSFF & ASIA代表の別所哲也氏が東京都庁にて小池百合子都知事を表敬訪問
同作は、東京都とSSFF&ASIAが共同で取り組む「シネマスポーツプロジェクト」の一環として制作された。タイガを演じるのは、パラ競泳の川原渓青選手。また、パラ水泳の木村敬一選手(写真左)と鈴木孝幸選手(写真右)も自身の役でカメオ出演している。
※木村敬一選手、鈴木孝幸選手
さらに初代仮面ライダーとして根強い人気を誇る藤岡弘、氏(写真)と元MEGADETHのスーパーギタリスト、マーティ・フリードマン氏も登場するなど華やかな配役も魅力だ。
もう一つの注目したいのが、多言語の字幕だ。同作は特設ページとYouTubeで配信され、字幕を切り替えるとバリアフリー字幕のほか、英語、アラビア語、イタリア語など全15のオプションが選べる。JVTAでは、多言語翻訳に特化したグローバル・コミュニケーション・サポート(GCS)を設置し、あらゆる言語の翻訳に対応。『偶然と想像』(濱口竜介監督)の英語字幕、『スパイの妻』(黒沢清監督)の英語字幕とイタリア語字幕などを手がけてきた。動画配信サービスでも多言語のニーズが高まるなか、今後は映画祭でも、多言語化、バリアフリー化がさらに求められる。『サムライソードフィッシュ』は約25分の短編なので、皆さんもぜひ、さまざまなツールを比較しながらじっくり堪能してほしい。
【JVTAが字幕を手がけた言語】
・日本語(バリアフリー字幕)、アラビア、イタリア語、インドネシア語、スペイン語(本国)、タイ語、ドイツ語、フランス語、ポルトガル語(南米)、ロシア語、英語、韓国語、中国語(「簡体字」)、中国語(「繁体字」)
◆シネマスポーツプロジェクト 『サムライソードフィッシュ』
© 2020 SSFF & ASIA All Rights Reserved.
作品の詳細と視聴はこちら
※本編と音声ガイド版(青いボタンよりアクセス)に分かれている。
◆「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア」(SSFF & ASIA)
開催期間:6月7日(火)~6月20日(月)
オンライン会場:オンライン会場は4月28日(木)~6月30日(木)
上映作品、会場などは公式サイトをチェック
https://www.shortshorts.org/2022
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