『アリータ:バトル・エンジェル』の吹き替え翻訳を前田美由紀講師が手がけています!
現在公開中の映画『アリータ:バトル・エンジェル』の吹き替え版の翻訳をJVTAの修了生で講師を務める前田美由紀さんが手がけました! 原作は木城ゆきと氏の『銃夢』。世界15の国と地域で翻訳され、SF漫画の最高峰として知られる名作です。この原作に惚れこみ25年もの間、構想を温めてきたジェームズ・キャメロン氏が製作と脚本を手がけ、『シン・シティ』や『デスペラード』『スパイキッズ』シリーズのロバート・ロドリゲス氏が監督を務めています。
舞台は数百年後の未来。天空に浮かぶユートピア都市“ザレム”と、ザレムから排出された廃棄物が堆積して山をなす荒廃した街“アイアンシティ”は大戦後、“支配する者”と“支配される者”の2つの世界に分断されていました。ある日、サイバー医師のイドはザレムのスクラップの中から、脳だけが奇蹟的に無事だった少女のサイボーグを見つけます。イドの医療によって意識を取り戻した少女はアリータと名付けられますが、過去の記憶を失っていました。ある日、イドを助けるために戦ったアリータは、自分自身が300年前の大戦中に失われたテクノロジーで作られた最強兵器だったことを知ります。感情が芽生えたサイボーグの少女は、分断された2つの世界の狭間で、愛する人たちを守るために壮絶な戦いに身を投じていきます…。
◆吹き替え翻訳を手がけた前田美由紀さんからJVTAにメッセージが届きました。
吹き替え翻訳のお話をいただいてすぐに原作の漫画を読み、世界観と登場人物の設定を把握しました。翻訳にあたってはまず、映画に登場する様々なキーワードに対する訳語案を出すよう求められました。その多くは、もともと原作の中にある言葉が英訳されたものなので、翻訳というよりも「もとの日本語」を原作の漫画から探し出す作業になり、これがとても楽しかったです。原作が面白すぎて、目的を忘れて読みふけってしまうことも何度もありました。
※ムビチケでは原作「銃夢」1巻の表紙のイラストが描かれた「原作イラスト版」も発売されました
映画では、原作に出てくるシーンやセリフがとても丁寧に再現されています。原作を知らなくても楽しめる作品ですが、原作を読めば、映画製作者たちの強い思い入れが実感できると思います。
翻訳する際に難しかったのは、アリータの言葉づかいでした。アリータは最強のサイボーグでありながら、心は10代の少女。その純粋さで、彼女と関わる人たちを変えていきます。ですので、セリフは強く、相手の心に響く言葉になるよう心がけました。原作「銃夢」のガリィ(=アリータ)のセリフを何度も読み、どういう言葉を使っているか、参考にしました。
20年以上前に木城ゆきと先生が「銃夢」で描いた壮大な世界を3Dや4DXで体験できるのは、本当に素晴らしいことだと思います。是非とも劇場で見ていただきたい作品です。
映像・音響技術の進歩は「映像翻訳」に少なからず影響を与えます。
飛び出す映像、圧倒的な音響、揺れる座席という環境でも
観客に届くセリフを作るにはどうするか…
これからプロになる皆さんは、そういう部分も考えていただけるとうれしいです。
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© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
©Yukito Kishiro/Kodansha
実写映画化に関して原作の木城ゆきと氏は、「『アリータ:バトル・エンジェル』のサイボーグボディの半透明描写や緻密なメカ、アイアンシティのすさまじい情報量のロングショットなど、僕がマンガ原作やイラストで表現したくても出来なかったことを高度に描き出しているのを見て僕が思ったことは、“ありがとう! これが僕が30 年前に見たかった映像だ!”というのと、“映画表現がうらやましい!”ということです」とコメントを寄せています。
この迫力をぜひ、皆さんも劇場でお楽しみください!
『アリータ:バトル・エンジェル』
絶賛公開中
20世紀フォックス映画
(C) 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
公式サイト
http://www.foxmovies-jp.com/alitabattleangel/
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https://www.jvta.net/tyo/open-school/