バリアフリー講座修了生、安田陽介さん ◆トライアル対策にもおすすめ QCやバリアフリー字幕の仕事とは?
当校のバリアフリー講座で学んだ修了生の皆さんが、さまざまな分野の仕事で活躍しています。その中の1人である安田陽介さんは、JVTAの映像翻訳Web講座を修了後、バリアフリー字幕講座(2015年4月期)を受講。バリアフリー字幕の制作のほか、エミー賞授賞式の聞き起こしやネット配信番組のクオリティ・コントロール(以下QC)も担当しています。前回は、安田さんに映像翻訳とバリアフリー講座の親和性や、バリアフリー講座ならでの手法などについて聞きました。後編では講座修了後に携わったバリアフリー字幕制作やQCの仕事についてさらに伺います。映像翻訳のトライアル対策にも有効という、その作業の内容とは?
★前編「仕事も幅が広がりました!」はこちら
https://www.jvta.net/tyo/barrierfree-yasuda-san/
◆バリアフリー字幕の仕事ではどんな作品に携わりましたか?
バラエティー番組や下水道公社の見学用DVDなどに付けるバリアフリー字幕を制作したことがあります。これらはセリフの他に話者名や「ため息」「吐息」などの音情報も字幕にするというベーシックなものでした。バラエティー番組は台本がなく、セリフを聴き取って書き起こすのですが、日本語とはいえ、屋外のロケだと風などで雑音がひどく、結構大変でした。
◆スポーツ番組も担当しているとか?
スポーツテレビ局のJ SPORTSで、サッカー、ラグビー、モータースポーツ、競技スキーなどの実況中継の声をバリアフリー字幕にする作業をしています。同じスポーツの実況でも競技によって作業の内容はそれぞれです。サッカーは基本的にナレーションが少なめな上に映像から見て分かることは文字に起こさなくていい。モータースポーツは、動きも早くずっとしゃべっている実況をほぼすべて文字に起こすように指示されます。案件によって求められるものはさまざまで、同じバリアフリー字幕といっても予想以上にいろいろなタイプがあるなと感じています。
◆現在メインでされているというQCの作業について教えてください。
僕が担当しているのは、映像ネット配信の番組のQCです。QCとは、字幕の誤字・脱字や表示位置といった文字のチェックはもちろん、日本語字幕、英語字幕などを選択した時に正しいデータが表示されるかといった機能面などの確認をするもの。映画やドラマ、ドキュメンタリー、アニメなどで、英語の作品の日本語字幕と、日本の作品のCCの両方を手がけています。数字などの明らかな誤訳は指摘する必要があり、リスニング力も問われるので、日ごろからテレビで英語の作品を原音でつけっぱなしにしてリスニング力を鍛えたり、英語字幕付きで確認したり、日本語の作品はバリアフリー字幕を表示してみるようにしています。おかげで台本なしのエミー賞の授賞式などの聴き取りの仕事を頂けました。
◆QCの仕事は学びが多いそうですね。
QCでは、人が作った字幕を客観的に見られるので、言葉の選び方やハコ切りなどがとても勉強になります。また、数多くの作品に取り組む中で、バリアフリー字幕の音情報はクライアントや作品によって本当にさまざまです。例えば、剣で斬りつける場面では「ビュッ」「キーン」といった表音にしてしまう例もあれば、「剣を振り下ろす音」という表記もある。こういう例を仕事として見比べられるのはいいですね。これは使えそうだなという表記はメモをしたりして活用しています。
◆実務を通して学べるのはいいですね。
さまざま仕事を経験すると、「ファイルの件名は○○で統一」「字幕の行末に不必要な空欄を入れない」といったクライアントとのやりとりのビジネスマナーも学べます。データのインポートやエクスポートの仕方、誤脱をチェックできるソフトの使い方なども仕事をする中で覚えることができました。映像翻訳のトライアル合格に向けての対策として、たった1人で学ぶより、QCやバリアフリー関連などさまざまな仕事をしながら実践的に学んでいけるのは有難いですね。
◆今後のご活躍に期待しています。ありがとうございました!
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