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【カナダ大使館・ケベック州政府在日事務所共催の上映会に字幕で協力】カナダ滞在経験を仕事に活かす! カナダに移民した少女の物語を翻訳

【カナダ大使館・ケベック州政府在日事務所共催の上映会に字幕で協力】カナダ滞在経験を仕事に活かす! <strong>カナダに移民した少女の物語を翻訳</strong>

3月は「国際フランコフォニー月間」とされ、多くの国でフランス語とフランス語圏の文化を称えるイベントが開催される。この一環としてフランス語と英語を公用語とするカナダのケベック州が舞台の映画『ru(小川)』(2023年)の特別上映会が行われる。これは、カナダ大使館とケベック州政府在日事務所の共催によるものだ。JVTAはこの作品の日本語字幕制作を担当し、修了生の牧田彩野さんが字幕を手がけた。

原作はカナダの著名な作家キム・チュイ氏の自伝的小説。ベトナム人の少女ティンとその家族は、ベトナム戦争後の混沌とした時代に海を越える危険な旅の末にマレーシアの難民キャンプを経て、カナダのケベック州に辿り着く。新たな環境の中で周囲の人たちの温かい支援を受けながら現地の言語や文化に順応していく姿が描かれていく。

『ru(小川)』

日本語字幕を手がけた映像翻訳者、牧田彩野さんは、大学進学のために、カナダ・ブリティッシュコロンビア州にあるビクトリアという街に7年ほど滞在し、大学ではフランス語を専攻。この作品の舞台がカナダであること、そしてオリジナル言語がベトナム語とフランス語であることから、カナダ留学経験やフランス語の学習経験のある牧田さんが翻訳を手がけることとなった。

「オリジナル言語からの英語字幕を基に翻訳をしましたが、ベトナム語がすでに英語に翻訳されているため、翻訳される前のニュアンスを正確に伝えられるかが不安でした。フランス語は台本を見ればオリジナルのセリフを確認することができますが、ベトナム語はそうはいきません。英語字幕を参考にしながらも演者の表情や声、全体の流れを考慮して訳出しました。今回に限らず他の作品にも言えることですが、異なる文化的背景が影響し、同じ意味でも違う感覚で受け取られることがあります。特に今回は戦争というセンシティブな題材を扱う作品だったため、日本語の選び方や表現の仕方には注意を払いました。」(牧田彩野さん)

JVTAは国連UHNCR協会が主催する「難民映画祭」を16年にわたり字幕制作でサポートしてきた。難民問題を扱った作品はドキュメンタリーが多く、オリジナル言語もさまざまだ。多言語から英語字幕を介して翻訳する際、翻訳者は作品の本質を伝えるためにより注意深く解釈やリサーチを行い、字幕に反映する必要がある。

『ru(小川)』

牧田さんは、カナダ人とベトナム人の会話を訳す際は、距離感を意識した。カナダ人には終始フレンドリーな口調を使い、ベトナム人は難民という背景を反映させて一歩距離を置いた口調にしたことで、登場人物の文化的背景や立場の違いを表現したという。

「この作品のテーマは“acceptance”(受け入れること)だと思っています。主人公ティンは異国の地で新しい人生をどのように受け入れていくのか。そして、カナダの人々は難民として到着した彼らをどのように受け入れるのか。カナダは多文化主義の国です。私が住んでいた街にもたくさんの移民が住んでいました。他者を受け入れることは、やさしい世界を作るための第一歩です。この映画はそんな希望を感じさせてくれる作品です。」(牧田彩野さん)

難民として移住した人たちがその後どのような生活を送っているのか。この作品では一つの家族を通して具体的に知ることができる。ぜひ字幕にも注目しながらご覧ください。

◆2025年3月27日(木)午後6時30分~午後8時45分 

カナダ大使館 オスカー・ピーターソン シアター

詳細・お申し込みはこちら(※先着順 締め切りは3月25日(火)午後5時)

◆2025年4月4日(金)午後6:00~8時30分

横浜日仏学院

※こちらは満席となり、受付は終了

◆日本におけるフランコフォニー月間 2025の詳細はこちら

◆【2025年4月期は4月第3週より随時開講
各種学校説明会を随時開催!
英日&日英の字幕翻訳体験つきイベントや、約1時間でJVTAの詳細が分かるイベントなどを随時開催しています。